ペンケヌーシ岳はアイヌ語で「上流で魚が沢山捕れる所」の意味、日高山脈主稜線から外れたなだらかな山である。
近くのチロロ岳と共に展望と花の山として良く登られているがこの山が双耳峰であることはあまり知られていない。
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落石で六の沢分岐に車をデポ、誰もいないだろうと思ったら登山口にRVが止まっていた。
出合の滝は雪解け水が轟音を上げ迫力満点である。
最初の徒渉で足を濡らすまいと気を遣ったがそれからは殆ど沢登り状態で無駄な抵抗だった。
標高が上がると道脇のネギに足が止まり、そして1500mから雪が出始めて願ったり叶ったり。
源頭で一休みすると先程の車の持ち主が降りてくる。
道を見失ったとか?あの林道を奥まで入った割には随分諦めの早い人だ。
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源頭から見る本峰は青々とし、雪のある南峰を先に登る。
固雪にステップを刻むと後方に芽室岳と雪盛山(1726無名峰)が望まれた。
上の写真は雪盛山から見たペンケヌーシ岳でふくよかとは言い難いがそれなりに双耳峰である。
さて雪渓を回り込んで稜線に出ると遂に雪が切れてしまった。
幸いハイマツは低く、目指すピークは岩が積み重なった小さなコブだが期待で気分が高揚してくる。
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【ペンケヌーシ岳南峰】ピークはツガサクラなど高山植物に覆われてキンバイソウがちらほら咲いていた。
ふかふかした草の上に腰を下ろしマイナーな展望を楽しむ。
今まで見えなかった山々が頭を出し、谷向かいに屏風のような支稜がチロロ岳まで延びていた。
向かう本峰(写真右)は目に鮮やかなハイマツの絨毯に一筋の道が延び、少し藪を漕いで下ればそこまで雪が繋がっていそうだ。
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南峰から灌木と草地の稜線を辿り、下の雪渓を目掛けて背丈程のハイマツに突入する。
登りなら大変だったハイマツを15分で抜けると再び雪渓が繋がってほっとする。
確かに登山道の入り口は雪で分かり難いが時々出てくるピンクテープが有難い。
木の無い稜線は眺めが良く、後ろに山らしくなった南峰(写真左)が嬉しい。
道脇には今が天下とキバナシャクナゲが咲き誇り、なだらかな本峰(写真右)に向かってちんたら歩く。
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【ペンケヌーシ岳山頂からの眺め@】
標識がぶっ飛んだのか杭と三角点が埋まる質素な佇まいである。
ここは二度目だが360度の眺望は記憶が曖昧でピパイロ岳や1967峰、遠く札内岳や勝幌まで遮る物が無い展望が広がっている。
南峰の雪はぎりぎりでもう一週遅かったら苦労したかも知れない。
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【ペンケヌーシ岳山頂からの眺めA】芽室岳が端正な姿を見せ、日勝ピークまで日高らしい尖がりが並んでいる。
更に狩振岳やトマム山、十勝連峰等、主稜線から外れたこの山の眺望は抜群である。
ペンケヌーシ岳は花と展望と自然の恵みが三拍子揃った山で、帰りの林道も正面に止別岳とウドを採りながら楽しいものだった。
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