2013年7月14日 晴れ 2名
6:55ウタイノ沢林道→7:10唄いの沢→(10:40-11:00)オロエナイ→13:10ウタイノ沢林道
オロエナイとはアイヌ語で(オロ・ウエン・ナイ 中が・悪い・川)の意味、
新冠ダムの南東に位置し、ナメワッカ岳からの長大な稜線途中にあるマイナーな山である。
三等三角点があるものの至って地味なこの山が簡易な道路地図にまで載っていたのは意外だった。
新冠川沿いの林道を進み、盆の沢林道に入ってすぐ下新冠大橋を渡る。
この林道の屈曲部から適当に川岸を辿って唄いの沢に入る積りだったが、
すぐに「ウタイノ沢林道」の分岐標識があり、そこから地図にない林道が延びていた。
ゲートもすんなり開いてニンマリするも車は200m先の崩壊地でストップ、ここで身支度して出発する。
そろそろかと思う頃にちょろちょろ小川が流れ、
草木に覆われ鬱蒼とする様に一瞬凍り付いたが、やり過ごすと沢音が聞こえてきてほっとする。
唄いの沢はこじんまりした渓で左岸に途切れ途切れに鹿道が延び、
沢中にはダム工事の際に取水したと思われる黒いパイプが放置されていた。
350二股を左に入ると1-2mの段差の様な小滝が続き、
沢中に射し込む光が苔の鮮やかさを際立たせ何とも明るく静謐な雰囲気を醸し出していた。
すぐに渓が深まり、眩しい光の先に何やら白い滝が見えてくる。
先を急いで2+4mの斜滝を越えるとすぐc430で7m二条の斜滝(写真左)が現れ直登する。
そして立て続けにc450で倒木の掛かる二条の垂滝7m(写真中央)が待ち受け、
いやはや!アイヌ語で悪い川と言うのは沢登りに楽しいってことか?
滝など一つも期待してなかっただけに望外である。
この滝は水流際を直登できそうだったが安全とって右岸のザレを高巻くことにした。
ところが見た目以上に足場が悪くて厄介、中間の潅木にセルフを取り棚を伝って滝口へ抜けた。
さて滝上には支点になるものがなく帰りが思いやられる。
上の木から一気に懸垂したいところだが30m一本では届きそうもない、
せめて20mでなくて良かったと思い直し先に進むことにした。
c470の5mはホールドいっぱい幸せな滝、
c560で滑る6m(写真右)を越えると滝場が終わり藪山モードに突入する。
すぐ上が二股で水の流れから言えば左なのだが地図で判断すれば草が被って気乗りしない右である?
一旦は左へ入ってみたものの山頂から離れる一方なので戻って右の沢を行くことにした。
少し進んだ所で何と!今まで見たこともない大きなカバのアナタケを発見、
すぐ近くの木でも見つけバイルで落とし、帰りに見落とさぬようテープを垂らしておく。
それはさておきどうもこの詰めは変だ?
試しに小尾根を乗越してみると水音とそれらしき沢形が延びているのでほっとする。
どうやら沢の流れが一部分変わったようだった。
c650で水が涸れ、c850から笹が一面に広がるとやがて沢筋が不明瞭になるが、
柔らかい笹ばかりで藪漕ぎは楽な部類である。
ほぼ予定通り山頂の北に飛び出し、
胸程の笹を掻き分け高みを目指すと足元に三角点が隠れていた。
山頂は狭く、手を添えて写真に納まるのが精々だ、
潅木に取り囲まれ展望どころでないが日高の初ピークを踏んだ満足感はそれなりに高かった。