オプタテシケ山 (石垣山・ベベツ岳/夏尾根) 2012.7m(十勝連峰) ■Home
2003年7月上旬 晴時々曇 美瑛富士避難小屋コース
1日目 4時間20分(休憩含) 登山口→(1.45)天然庭園→(2.35)美瑛富士避難小屋
2日目 6時間55分(休憩含) 美瑛富士避難小屋→(0.50)ベベツ岳→(1.15)オプタテシケ山→ (1.10)ベベツ岳→(0.40)石垣山→(0.25)美瑛富士避難小屋→(1.10)天然庭園→(1.25)登山口

 登山口風景                  天然庭園                   美瑛富士非難小屋内部

当初は単独日帰りを予定したが前の日になって晴れの予報に変わりテント泊りで雅之と出かることにした。 白金温泉にある大雪青年の家を過ぎ旧道に入ると林道ゲートがありダイヤル鍵を開ける。 今日はテン場までだからと少し呑気して自宅を発ち登山口に着いたのは既に11時を廻っていた。 天気が良く息子と二人だけの思い出が作れそうで感謝する。 この山は緑が濃くトド松の大木を抜けるとハイマツと岩の庭園となり同じ山域の十勝岳の殺伐とした風景とは随分異なる。 それでも小屋までの6kmは見通しがいま一つで往路とも一番辛い道程と言える。 途中で大きな雪渓の涼しさに救われ砂漠でオアシスに出会ったような気がする。 脇からは幾筋ものきれいな雪解け水が流れ無理して重い水を担ぐ必要など無かったようだ。 美瑛富士の北東斜面に広る大きな雪渓が登山道を覆い、下ばかり見て歩いたせいでテンバを少し過ぎてしまった。 岩の積み上がる石垣山の手前でお花畑に迎えられようやく重い荷から開放された。 この日はテントが3張、小屋は10名程で各々がのんびりと時間を過ごしていた。 一面のチングルマが傾きかけた日に照らされ黄金色に輝き、岩場では姿を見せぬナキウサギが盛んに鳴いていた。 ビールを忘れるとは何たる失態!全くボケたものだ。 雪解け水に冷やされた他人様のビールを横目に早く寝るしかない・・重ね着したにも拘らず寒くて何度も目を覚ました。
   
石垣山からナキウサギの声がよく響く    石垣山から振り返る。美瑛富士と美瑛岳、遠方は下ホロカメットク山、円錐形の山々が連なる

翌朝4時、お隣のテントが早くもガサゴソし出す、気になる天気は薄曇だが遠望が利きまずまずである。 5時に雅之を起こして朝食を済ませ6時に出発した。 明瞭な道からペイントされた岩を目印に登って行くといつの間にか小屋が小さくなり、 今まで美瑛富士に隠れていた美瑛岳と十勝岳が姿を現し始める。 石垣山のピークは帰りに寄ることにしてベベツ岳へ向かう。 アップダウンの稜線の先に見えるオプタテシケ山はまだ遠いが涼しい風が足元を渡り一面に花々が咲いて昨日とは打って変わり爽やかである。 途中のお花畑で夢中になりシャッターを切ってると「ベベツ岳」の小さな標識が傍に立っていた。 此処はまさにお花の山で登山路の至る処が花で埋め尽くされている。 コルを下ると長い登り返しで「全国47都道府県と県庁所在地」を言い当てながら歩いた。 ちょうど雅之が中学の地理で覚えたばかりだが疲れてるせいかポンポン出てこないのを苛立ち、気を紛らわすのに調度よかった。 西峰から急な岩場を越えてようやく山頂に到着する! 一等三角点にタッチして雅之と握手する。(よく頑張ったと思う)  展望が良く表大雪、東大雪、北日高、芦別、夕張と360度グルリと見渡せた。 山頂からトムラウシまで縦走道が延々と続きこのまま歩いて行きたい衝動に駆られる。 その縦走路の左下に大きな沼がありダムかと思ったら硫黄沼だった。 今まで静かな山だったがベベツ岳で本州から来た20名以上のツアー客とすれ違った。 あの人数でいったい何処に泊まったのだろうか?  テン場から下る途中で見覚えのある方に越され話し掛けると去年ピパイロでたまたま一緒になった帯広の年配者だった。 なんでも今朝4時に登山口を出発しこの時間にもう下山らしい!しかも明日は十勝岳と美瑛岳を廻る予定と聞きその健脚ぶりに脱帽した。   <冬季のオプタテシケ山・西尾根はこちら> <残雪期のオプタテシケ山・東尾根はこちら>
     
石垣山から見えるオプタテはまだずっと先だった  ベベツ岳付近は登山路いっぱいにお花畑が広がってそれはそれは見事である(チングルマとコマクサ)      
薄曇ながら山頂からは360度の展望が得られた     登山道は更にトムラウシ山へと延びている。銃走路を目で追いつい時間が経つのを忘れる


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