大滝山  1037m  (石狩市・新十津川町)   ■Home
2014年3月22-23日 浜益御料地ルート メンバー5名
3/22 曇り    10:30御料地−12:00林道終端→13:45知来岳稜線→14:10徳富川C1
3/23 晴れ後曇り 6:00C1→(8:30-8:45)大滝山→(9:15-9:50)C1→10:50知来岳稜線→11:20林道終端→12:00御料地

増毛山塊の未踏峰も少なくなってきたがその中でも大滝山は遠く、また周囲の山々に隠れ印象の薄い山である。 この山の展望台と思われる地来岳には夏・冬それぞれ一度づつ登っているが、 黄金山や郡別岳、奥特富岳、暑寒別岳など見栄えのする山に目を奪われ悲しいかなこの山の記憶が全く無い。 ルートはその知来岳の稜線を乗越して徳富川に泊まることにした。 山奥でのテント生活を楽しむ目的を兼ねのんびり訪ねてみようと思う。
                    

  
          
ぱっとしない天気だが明日は回復傾向との予報を期待して御料地を出発する。 テント装備で流石に林道が長く感じられるが雪が締まって歩き易く、徐々に近ずく知来岳が嬉しい。 林道の終端から504右の尾根に取り付く、 登り始めは急だが広く緩やかで時折ミズナラの巨木が点在する疎林である。
                    

  
          
小雪が舞って知来岳の稜線からは大滝山が見えず残念だ。 さてここからシールを外して徳富川へ急な尾根を下る。 ガスって下の様子が分からず視界の効く沢のオープン斜面を滑ったが雪が重かった。 下の様子が見えてくると徳富川は黒い口を開け、 尾根の末端から少し川上に進んだ所をテンバとした。 広い谷中は風が無く穏やかで、沢を覗くと積雪がまだ2mはありそうだった。


                    

  
          
さて楽しいテント生活には冬でも焚火が欠かせない、ビール片手に火を見てるだけで何とも気持ちが落ち着いた。 テントに入ってマボー春雨を食べながら一杯やり、 外に出ると満天の星空に月が浮かんで何ともまったりした時間を過ごした。 21時から4時半までぐっすりで気分爽快だ、空が白むと同時に青空が広がってやったーと叫ぶ。 ザックに非常装備を詰め込んで出発するとしっかりしたブリッジがそこかしこにあり、 谷間の向こうに奥徳富岳が朝日を浴びて輝いていた。




取り付きがこの山行の核心と言えるほど急で硬い斜面だった。 初っ端からスキーアイゼンを装着するが、滑落したら下まで行くなと思うと少し緊張する。 すぐ沢形に回り込むと柔らかな雪が載って幾分楽になり、ふり返ると知来岳が朝焼けに染まっていた。

                    

  
          
静かなダケカンバの疎林を登って稜線に出ると不意に何処かの田園が目に留まった。 ここは増毛山塊の奥座敷でなかなか目にすることが出来ない山だと思っていたが雨竜や妹背牛から案外見えてるのかも知れない。 背後には樺戸山塊の神居尻山とピンネシリが並んでいた。 流石にここまではモービルが入れないとみえカバノアナタケをちらほら見掛けるが帰りを考え涙を呑む。 そしてどこまでも続いてそうな稜線の先にスリムなおっぱい形の山頂と初めて対面する。

                    

  
          
立木一つない山頂からは暑寒別岳連峰の大絶景が広がってる筈だが小雪が舞って展望はなかった。 最近こんなパターンが多いがマイナーなピークを踏めたのだから満足である。 広い稜線はさしずめ圧雪されたゲレンデの様で、あっと言う間に取り付きの急斜面に差し掛かる。 少し表面が柔らかくなりかけたものの全身にガリガリの震動を受けながら慎重に下った。 山頂まで2時間半かかったのに下りはテンバまで30分と呆気ない。 今朝は気付かなかったが焚火の跡が1mほどの深さになっていた。
                    

  
          
さてテントを片付け地来岳の稜線まで急な尾根を登り返す。 これ一回我慢すれば後は滑って帰れる筈だからと自分に言い聞かせる。 雪が程よく締まって急斜面にシールが利き、 1時間ほどで稜線に戻ったがガスって最後まで大滝山は全容を見せてくれない。 さてシールを外して下る尾根にコンパスを定めたら滑降開始、 夜中にさっと積もった雪が望外のスキーを楽しませてくれた。





登る時は曇って何の展望もなかったのに皮肉にも下るほど天気が良くなり中腹で一休みする。 南には北別狩岳と南別狩岳に跨る低山群が並び、西に垣間見える黄金山が次第に板の様に薄くなってゆく。

                    

  
          
思いがけず長いツリーランが楽しめた。 林道も2/3以上は滑ってシールを付けることなく昼ちょうどに下山する。 結局、大滝山はおぼろげな山容しか見せず印象が薄いままだが、 ピークハント、テント生活、快適なスキーが楽しめ満足度の高いものになった。 浜益温泉に寄って14時に解散、たまにゆったりした山行も良いものである。



















































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