遠音別岳(再訪) 1330.5m オペケプ林道ルート(道東・知床)山スキー  ■Home
2010年3月中旬 晴れ メンバー4名
5:30オペケプ林道→山頂(9:55-10:05)→13:00オペケプ林道 (休憩含) 
春分の日の3連休は爆弾低気圧の通過で全道的に大荒れになる予報である。 当初の計画を中止し道内で唯一天気の良さそうな道東に行き先を変えた。 遠音別岳は4年ぶりの再訪になるが前と異なるのは日帰りであることと素晴らしい青空に恵まれたことだった。

 森林限界を越える、山頂は見た目以上に遠く高かった  ラサウヌプリと海別岳をはじめ展望が広がってゆく   半島に続く山並みの先には羅臼岳が望まれた

北見を朝の3時に出発し見覚えのあるオペケプ林道に車を止める。 新たに設けられた鹿柵を越え海抜5mから堅雪をスキーで出発する。 快調な出だしで尾根に上がると後ろにオホーツク海が広がるが残念ながら既に流氷は去っていた。 途中で林道を離れ送電線を横切れば前回とルートは変わらない。 標高200mから400mに新しい熊の足跡があり相変わらず熊と鹿の多い山である。 600mからのタンネの森は歩いてるだけで心地よくこれを過ぎると森林限界で視界が一気に開ける。 右にはラサウヌプリの特徴的な牙が目に入りその後ろに海別岳が真っ白に扇を広げている。 背後にオホーツク海そして左右に知床の山々とまさにこの山の醍醐味を迎える。 丸い山容は見た目以上に遠くガリガリ斜面の中腹でアイゼンに替えたがKさんはスキーのまま登頂した。 4時間半で山頂を踏めたのは驚きの早さであり、低気圧が本当に近づいてるのか疑いたくなる陽気だった。 羅臼岳の南西ルンゼが絶壁のように見えラサウの牙と合わせて気になる存在である。 下りは熊の足跡が更に増えていた。 このルートはなかなか難しく今回もスキーで下り過ぎ30分程のロスをする。 清里町の温泉は源泉掛け流しつるつるさっぱりして北見へ戻った。



遠音別岳 オンネベツダケ(山スキー)  1330.5m(道東・知床)  地図はこちら  ■Home
2006年4月下旬 曇り  総時間11:55(休憩含) 標高差1280m 往復22km
1日目 オペケプ林道13:40→567mC1・17:40
2日目 C1・6:10→遠音別岳(8:45-9:00)→C1・(10:25-11:05)→オペケプ林道14:05

標津から羅臼に向かうといつも気になる鋭鋒があり後でそれが積雪期に登れる遠音別岳だと知る。 半島の基部に位置するこの山の魅力は想像に難く無く登ってみたいと思いは募るばかりだ。 知床は遠くいつも強行スケジュールを組まざる得ないが今回は原始の森に泊まるのがとても楽しみである。

標高僅か40bそこそこからのスタートとなる   この山は鹿と熊の楽園か?一人では絶対に来たくない     エゾ松の巨木に囲まれた静かなテン場

同行者の新車で札幌を出発し深夜北見のKさん宅に転がり込む、明日は山の中腹でテン泊するだけと思うと気楽なもので3時まで飲んでしまった。 翌朝予報を見ると道内は概ね天気が良いのに網走地方だけ小雨とはなんと運が悪いことだろう。 重たい頭で曇天の北見を出発すると東藻琴で霧雨が降りウトロが近づくと予報通り小雨に変わった。 すっかりモチベーションを無くし入山予定の林道をやり過ごしてオシンコシンの滝で一旦待機する。 更に場所を移しウトロのコンビニ近くで2時間ほどジリジリ時間を潰すが一向に止む気配がなく決行か撤退か決断が迫る。 此処まで来て手ぶらで帰る訳にもいかずさりとて代案も浮かばない・・さてどうしよう? 何気なくラジオのスイッチを入れるとタイミング良く明日の好天を伝えていた!  「行きましょうか?」返事を待つまでもなく気持ちは一致していた。 オペケプ林道に戻り国道から砂利道を上がると数十bで残雪が現れた。 先週のものと思われるトレースに従い林道を辿ると鹿の多さと丸裸にされた樹木の食害の多さに驚かされる。 熊に食われた鹿の片脚が林道沿いに落ちていたのは余計だった。 融雪の進んだ林道から終いに雪がブッツリ切れ仕方なく雪の詰まった沢型を登ると取水施設のある・142に抜け更に斜面を登ると送電線が現れた。 更に尾根通しにc252ポコまで登ると何処をどう通って来たのか再びトレースと交わった。 熊の足跡が縦横無人でたった今逃げたばかりと思われる大きな足跡の先に食い荒らした鹿の残骸が生々しい。 まだ近くにいるのではないかと思うと恐ろしくて大声出しながらその場をやり過ごすのが精一杯である。 小尾根は見通しが利かず誰か先行者がいるぞ?と思ったらリングワンデリングした自分の跡で地図から目が離せない。 そんなこんなでようやく日没間際にc567付近でテントを設営した。 雨に濡れたザックが凍てつき焚き火をしようと枯れ木を集めたが火が付かない。 ならば体の中からアルコールを燃やしようやく暖まり一息ついた。
     
薄っすら前方に山頂らしきものが見えてきたが      風に耐えながらひたすら辛抱の登りが続いた    念願だった遠音別岳山頂に到着する!やった〜

それにしても凄い原生林だ!ここは知床の中でも全く手付かずの地域だけあって古木や大木が多い。 こんな雰囲気のある森はめったにないだろう。 おでんを肴に10時過ぎまで飲んで就寝する。  翌朝は小雪の中を6時に出発するが空身にも関わらず歩き始めの1時間がとても苦しい。 c800で森林限界となり1050mでスキーをデポしアイゼンを履く。 風の強い稜線沿いから逃げたいが右はハイ松が広がって逃げ場がなく我慢するしかないようだ。 雪面にちいさな氷柱がびっしり付着し春先といえ知床の気候の厳しさが伺えた。 ガスで先の見えぬ一本調子の登りがやたら長く感じたが遂に立木一本ない白い頂を踏んだ! 東側はスッパリ切れ落ち雪庇の向こうに荒々しい地形が覗いている。 稜線の先は知西別岳で次々と押し寄せる雲の切れ間から羅臼岳が望めた。 下りはテン場から腐れ雪に足を取られ七転八倒しながら滑り降りる。 ・341の登り返しが厭で沢型よりオペケプ沢に向うとひょっこり地図にない林道が現れた。 これを下って行くと昨日の送電線が現れホットする。 小雨に気を削がれ熊に怯えながらも憧れの頂を踏め幸せである。 後日、羅臼側から登った話をメンバーから聞かされたがなかなか面白いルートだったらしい。


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