2010年3月下旬 曇り/雪 メンバー4名
6:35野塚トンネル北口→野塚岳(10:30-10:35)→12:13野塚トンネル北口 (休憩含)
近づく本峰だが何処までスキーが使えるか微妙だった 本峰と西峰のコルから源頭大斜面を滑降する 雪に恵まれずっと後ろの陵線からスキーが楽しめた
季節外れの吹雪の中を浦河へと車を走らせ日が沈むころ天馬街道の適所にテントを広げた。
夜はすき焼きに舌鼓を打ち、朝は煮込んだハヤシライスが美味しくてお腹がきつい。
体を動かすのが億劫になり山のテンションもすっかり下がってしまったが外に出るとそんな気分など吹き飛ばされるような青い空が広がっていた。
トンネル北口へ移動する途中で野塚岳が見え山頂には雪煙が立って風が強そうだった。
パーキングに先客はおらず風は無いが真冬に逆戻りしたような寒さである。
ふかふかの新雪が40cm程積もり嬉しいラッセルでの出発だ!
残雪期に何度か登った野塚岳だがこの時期に滑りが期待できるとは嬉しい誤算である。
一方で新雪の下は固く、沢沿いには数日前のデブリが何箇所もあって上の様子が気掛かりだった。
このまま源頭を詰め稜線コルへダイレクトに登る予定だが尾根ルートへの転向も考えねばならない。
野塚岳直登尾根の取付きを過ごし更に標高を稼ぐと谷間の向こうに白い稜線が望まれ登行意欲が湧いてきた。
程なく右手から雪の詰まった谷筋が入り見上げれば好スロープが西峰の肩へと続いている。
後ろ髪を引かれる思いでやり過ごすといよいよ無木立の源頭大斜面に突入である。
30cm弱のパウダーが眼の前にあってはこのまま進むしかないが流石に感じが悪いので右の小潅木寄りに陵線を目指すことにした。
雪のある登り易い斜面を選んで稜線近くに達するとガリガリの上に載った雪に苦労させられる。
コルをトラバースしながら足下を伺えば谷底まで転げ落ちてしまいそうな急斜面が目に入る。
早く陵上に出たい気分だが上の雪庇が気になりずるずると山頂直下まで辿り精神的に長いトラバースを終える。
ここでアイゼンに替え僅か40mほど登ってあっけなく頂きを踏んだ。
初めて冬の日高に登ったメンバーもいて白く連なる峰々を期待したが西峰がうっすら姿を見せるだけである。
手袋やジャンパーに落ちた雪はどれも綺麗な結晶を見せ寒いので早々と山頂を後にした。
滑降は山頂直下のスキーデポ地から一気に下りたいところだが慎重に往路を滑る。
さらさら雪が沢の中腹まで続き更にトンネルまで快適なスキーが楽しめた。
<夏の野塚岳はこちら>