西暑寒岳〜暑寒別岳 1413m・1491m スキー (増毛町) ■Home |
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自宅を4時半に出発し相乗りで増毛に向う。 途中で車を追い越すと増毛天狗に出掛けるyoshioさんだった。 車の中で「西暑寒岳から暑寒別岳までシールを忘れシートラで登った人の記録があったよ」 との話になり、それってoginoさんじゃないか? 「そしたら俺達も西暑寒岳のピストンやめて暑寒別岳まで行ってみるべ」と云うことになった。 さて暑寒荘に着くといつもの1.5倍ある雪壁に驚くが、 お陰でポンショカンベツ川のブリッジに苦労せず良いスタートを切ることができた。 |
300mの二股より急な尾根に取付くと地図から読み取れないポコ(写真右)が次々に出てくる。 尾根は600mまで両側が結構な急斜面でトラバースもままならずほぼ忠実に尾根上を行く、 木はそれほど煩くないがピストンを止めて正解だと思った。 また結果論だが、初っ端から尾根に取付くより雪で埋まったポンショカンベツ川右俣を詰め 1350mの陵線に一気に上がるのがベストのような気がした。 |
650mを過ぎると広いカンバの疎林になり、 そして800mからは一気に見晴らしが良くなった。 木の無い陵線や白い斜面は海からの季節風の強さを想像させるに十分である。 前方の尖がりが西暑寒岳山頂だろうか?やけに近いなと思ったら1221m前鋭鋒で、西暑寒岳も暑寒別岳も陰に隠れていた。 中央に真っ白な中ノ沢岳1189mが構え、その長い陵線の末端に増毛天狗岳がちょこんと見えていた。 |
壁のような1221m前鋭鋒をシートラで登るとコルを挟んでいよいよ西暑寒岳のピーク(写真左)が望まれた。 山頂の東はポンショカンベツ川の源頭が落ち込み、西に緩やかな尾根が延びている。 ここからの陵線も思ったほど斜度がなくほっとする。 右後方の小さな尖がりは暑寒別川本流のテント場から見えた△727の岩峰で刺のような見事な尖がりぶりである。 西暑寒岳の稜線はクラストしてスキーで登り難く、再びシートラになる。 やったー!と思ったら更に200mほど先のポコが山頂で、いま一つ精彩を欠く平坦な頂だが浜益岳や群別岳が近くまずまずの展望である。 |
後は陵線を1時間も辿れば本峰に着くだろうと思ったら、コルまでの急な登り下りが一番の核心だった。 雪庇の陵線を下ると足下の見えない急坂でピッケルを突き刺しながら一歩づつ下降する。 コルに達してほっと一息つくと今度は肝試しの様な岩陵が立ちはだかっていた。 地図の1400mにあるゲジゲジで右から巻けそうだが近づくと左からの方が良さそうだった。 「ここで止めて帰ろう・・」「ロープ出してほしい・・」 後ろの声を無視してピッケル・アイゼンで登ると確かに高度感たっぷりで緊張する。 「ションベンちびりそうになった」と言いながら後続が登ってくる。 そして目と鼻の先にある穏やかな本峰に安堵の表情を浮かべていた。 |
広尾根をルンルン気分で本峰に到着、少し霞んできたが辿った西暑寒岳を初め雄冬山〜浜益岳〜群別岳〜奥徳富岳を一望する。 揃って記念写真を撮ろうとすると突然、風下の穴の中から 「シャッター押しましょうか」と現れたのは車の中で噂をしていたoginoさんだった。 豆粒の様な人影を西暑寒岳の陵線に眺めながらあの尾根を登ってくるはもしかしてと思っていたらしく不思議な再会である。 |
さてそろそろシールを外して下山とする。 お楽しみの大斜面は硬く波打っていたが中腹を過ぎるとシャーベットで滑り易くなる。 ポンショカンベツ川の源頭越しに白い西暑寒岳を望みながらの滑降は格別で、 時々立ち止まっては辿ったトレースを探した。 スキーにブレーキが掛かり足をパンパンにして駐車場に到着、天気に恵まれ充実した一日だった。 温泉に寄ったら天狗岳から降りてきたyoshioさんと再会、よく人に逢う日である。 帰りに買った浜益のタコと石狩のジンギスカンが美味だった。 |
後日、oginoさんから送られてきた写真には西暑寒岳のコルに豆粒のような我々が写っていた。 <ogino氏のブログはこちら> |