ニセイチャロマップ岳〜石ノ沢北西面直登沢 (遠軽町)  ■Home
  2013年9月10日 晴れ時々曇り 北西面直登沢〜ニセイチャロマップ岳〜北尾根 メンバー2名
  6:10林道c625→入渓c700→9:05二股c1300→(10:40-11:20)ニセイチャロマップ岳→12:40北尾根1613ポコ→14:55北尾根c980→出渓c770→16:05林道c625

ニセイチャロマップ岳は北大雪主稜線の山、アイヌ語で「渓谷の・入口・にある・もの」を意味する。 下流の大函には数十メートルの柱状節理を見ることができ、それがこの山の由来と思われる。 数年前に沢の二俣にテントを張って武利岳とニセイチャロマップ岳を計画したが時間の関係で割愛し、 また去年9月に石ノ沢から登るも悪天で撤退した山だった。 荒れた石ノ沢はいま一つ気乗りしないが撤退のままでは気が済まないメンバーとリベンジすることにした。 (写真は無類岩山より望むニセイチャロマップ岳)
                    


早朝、kaさんの運転で道の駅からパンケ支湧別林道を走る。 草が被り出すc625二股に車を止め、前回より手前c700で入渓した。 倒木の煩わしさはさして苦にならず淡々と進んでc750右岸の崩落地を過ぎる。 やがてc850の三股(写真右)に差し掛かると両岸迫る中に巨岩が積み重なった景観となる。
         
                    


三俣からは標高差150mほど傾斜のきつい岩稜帯で巨岩の滝4-8mを数ケ越える。 普段は伏流した涸れ滝かと思われるが今回は迫力ある滝に変身していた。 雨続きだったせいか左右の写真が同じ場所とは思えない変わり様だ。          
                    


c980・6m滝も水を噴流し、苔生す岩滝群を巻く。 そして急な岩稜帯を過ぎると再び平坦で穏やかな流れに戻る。 前に撤退した場所だが今日は谷間に青空が望まれ山頂展望が楽しみ! しかも後はだらだらのゴーロかと思ったら1050mと1060mでくねくねした滑滝、 更に小滝が出てちょっとワクワクする。
         
                    


期待に応えるかの様な滑滝が断続的に現れて頬が緩む。 いつの間にか流木もスッキリし、早々と水を汲んだのが悔やまれるほど水量が戻っている。 ただつるつるに磨かれた岩が滑って帰りが思いやられ、水が急に冷たくなって上に雪渓を窺わせた。
         
                    


c1280で4mの滑滝(写真左)を越え、c1300二股を左、続くc1380二股を右に入る。 狭い沢筋には青々とした蕗が生え、所々に熊の食べ残しを見掛ける。 c1530二股を左に取ると前方に何やら白い筋が・・デカそうだったが近づくと中段が滑り台になった3段10mの滑滝だった。 磨り減ったフエルトには堪らずズルッ〜!突っ張りで登り切った滝上からは喉かな上支湧別の集落が望まれた。
         
                    


c1650で冷たい水がこんこんと湧き出ていた。 地形図で読めない最終二股で沢筋は右の方が明るいが山頂直登は藪っぽい左だった。 左を進むと程なく沢形は消え、潅木と這松を抜けると頂稜部が目に留まってほっとする。
         
                    


直下の岩にコケや高山植物が張り付いてふかふかだ、 ずり落ちないよう攀じ登るとピークから僅かに離れた稜線に飛び出した。 やったー、喜びと共に目を見張る展望に感激する。 背後には色付き始めた稜線の先に尖がった支湧別岳(写真右)が格好良く、 右の支稜に無類岩山も望まれた。
         

紅葉したウラシマツツジと這松の岩稜を登り切るとピークを示す石が積まれていた。 目の前に武利岳が構え、その奥に武華山とライオン岩が望まれる。 日高を想わす稜線の先に形の良い屏風岳が目を引き、右奥に平山とニセカウの頂稜部が重なっていた。 大雪山の雪渓は万年雪か、更に離れてトムラウシ山を同定する。 ぽかぽかした涸れ草の上に寝っころがって静かな風景を堪能した。          


そろそろ下山とする。 沢筋を一本ずらせばあの白い滝を降りずに済む、ザイルを出すのも面倒臭い。 陵線の這松を分けると鋸目が・・頻繁に出てくるのでつい興味が湧いてこのまま辿ってみる。 「車に戻れるかな?」「平山まで繋がっていたりして・・・」 水を捨ててしまって不安だったが1730ポコから尾根が下り出したのでホットする。 稜線からはニセイチャロマップ岳(左)−武利岳(中央)−武華山(右)が良い感じに連なっていた。          
                    


岩稜の刈り分けは怪しく、行きつ戻りつを繰り返す。 素直に沢をピストンすれば良かったが時すでに遅し、右は崖で安易に下れない。 そんなこんなでc1250まで我慢すると 尾根が苔で覆われ、少しスッキリしてくる。 これで楽に戻れると思ったら倒木で道を失う。 いい加減うんざりして沢に下ると車まですぐだった。 心地良い疲労に浸り、綺麗な虹に見送られながら帰途につく。          





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