ニカンベツ川〜二観別岳・本二観別岳  1005m・1009m (様似町・えりも町)  地図はこちら  ■Home
 2013年10月27日 晴れ メンバー4名
 7:10林道・300m砂防→7:30・359二股→(10:05-10:15)二観別岳→(11:25-11:45)本二観別岳→12:55・450m林道跡→13:40林道・300m砂防

様似町旭から20kmほど内陸に位置する二観別岳と本二観別岳は地図に記載が無く、 山名はこの山よりニカンベツ川(ニ・カル・ベッ 木・採る・川)が流れることに由来する。 南日高の主陵線から南方を眺めると1000mに満たない山々の中に、 ちょっと地味ながら屏風のようにそそり立つこの山が気になっていた。 奥深いニカンベツ川の山域にはまだ入ったことがなく、 北海道を東西に分ける分水嶺からの眺望が楽しみである。


                    



様似の海岸線は台風の影響で白波が立ち道路まで波飛沫が飛んでいたが予報通りに青空が広がって嬉しい。 林道に入り紅葉に彩られた渓流にうっとりしながら車を走らせると道脇で鹿の解体作業に出くわしげんなりする。 鉄砲の音にまたヒヤヒヤさせられるのかと思ったが奥にはハンターの車を見かけず幸いだった。 予定した砂防ダムに車を止めスパイク長靴で出発してすぐ決壊箇所を通過する。 やがて対岸に本二観別岳から下る沢を見て、更に林道を進み南面直登沢に入った。 昨日の雨で水量は多いが濁りがなくちょっとした沢登り気分が楽しめた。

         
                    



teさんの熊避けスプレーとナタが頼もしい。 様似町とえりも町の境界を流れるニカンベツ川周辺にはアイヌの伝説が多く、 その中に「ニカンベツの熊」の言い伝えもあって興味深い。 だが鹿が時々甲高く鳴くだけで熊の気配はなかった。 750mで水が涸れるとネマガリが覆い始め、830mで堪らず右の草付きに逃げる。 草付斜面がずっと続くかと思ったら再び笹が覆う、だが腰ほどの高さで済む。 陵上の風はそれほどでもなく、所々に延びる鹿路を辿って三等三角点「奴多布・ぬたっぷ」の埋まる二観別岳1005mに到着する。

         
          


二観別岳の先端からは太平洋が望まれ、葉の落ちたカンバ越しに日高主陵線の眺望が得られた。 少し木が邪魔だったが三角点まで戻るとこんどは南方の眺めが広がり、 豊似岳をはじめとする日高最南端の山々にSiさんが目を真ん丸くしている。 さて笹とハイマツを漕いでここから1kmほど先の本二観別岳に向うとする。 (写真)出発してすぐ1005ポコから振り返ると二観別岳から豊似岳に延びる分水嶺がよく分かり、 端正な山の連なりに見惚れる。

         
                    



笹藪はそれほどでもないがカンバとハイマツが塞ぐたび北面をトラバースさせられ、 陵上には人の歩いた証を残すためか潅木に古い鋸目があった。 ピークと思った尖がりはハイマツが覆う中間のポコで、 更に我慢を続けるとやがて起伏の少ない陵線の先に本峰が見え出す。 何処からともなく鹿道も現れ、展望の良い稜線歩きで本二観別岳に到着した。 そしてハイマツに囲まれた頂きからは遮る物のない360度の大展望に感激する。

         
          


本二観別岳から西方を望む。 ピークから南西に分岐する緩やかな尾根の先にどっしりした台形状の袴腰山が構え、 その右奥には鼻の形をした天狗岳が望まれた。 林道からは袴腰山の山容がぼやけ、天狗岳が頭を突き出していたが見る方角によって随分変わるものである。 更に奥には展望の良さそうな幌満山に、 アポイ岳〜吉田岳〜ピンネシリの連なりと見飽きることのない様似の山々が広がっていた。

         
          


本二観別岳から北方を望む。 分水嶺が大きくS字を描いて向かう先には溜息の出るような南日高山脈のパノラマが広がっていた。 残雪を踏んで繋いだ美幌岳〜楽古岳の山並みを目で追い感慨に浸る。 さて帰りは南西尾根から南面沢を予定する。 尾根を下ると袴腰山がみるみる近づきこのまま向かって行きたい気持ちに駆られたが、 笹が勢いを増した所で適当な支尾根を下った。 笹の斜面は下がデコボコで歩き難かったが沢の出合いからはすぐに古い林道が延びていた。 至って順調だったが数回の徒渉が大変で、長靴をぐしょぐしょさせテクテク林道を戻る。 やはり期待を裏切らなかった二観別岳と本二観別岳、 その展望たるや日高南端の奥座敷に相応しく大満足しながら帰途についた。

         










































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