ニセイチャロマップ川北西面直登沢〜武利岳〜ムルイ沢 1876m (北大雪・上川町) 地図はこちら  ■Home
2010年9月中旬  晴れ メンバー6名
5:15ムルイ沢出合い→6:20北西面直登沢入渓→山頂(11:00-11:35)→11:55陵線コル下降→15:00ムルイ沢出合い

北西面直登沢から武利岳に登ってみたいがアプローチがネックである。 層雲峡大函よりムルイ沢出合いまで12km、更に北西面直登沢まで4kmの距離がありゲートは閉じられたままだ。 仮にゲートが開いたとしても7kmで林道が崩壊し数年前から変わらぬ状況が続く。 そんな訳で本来なら日帰りで済むところを一泊二日の装備で林道歩きを覚悟せねばならなかった。

林道崩壊箇所を越える、ちょとした難所だった    まずは黒光りするウォータスライダーの滝を登る     すぐ後ろに8mの樋滝が控えアドレナリン噴出!

 9/11(土曜日・晴れ) 初日ただの林道歩きでは勿体無いので層雲峡で待ち合わせをして三国山に登ることにした。 この山は北海道の大分水嶺を成す展望の山で短時間で登れ足慣らしに調度良かった。 さて下山後はのんびりと大函林道をムルイ沢出合いまで歩くことにする。 千秋橋を過ぎると大崩壊箇所があり川床からかなりの高所を横断するちょとした難所だった。 これを過ぎると道は再び良くなるが雪見橋から草木が覆る荒れた林道となる。 ようやくムルイ沢出合いに到着しテント2つ設営する。 すぐに焚き火係りと釣り係り、食事係りに別れ作業を開始した。 いもサラダが山ほど出来て主食のそばとうどんが腹に入るか心配だったが女性二人の並みならぬ食欲に助けられた。 3名の釣り師が型の良いオショロコマをあっと言う間に十数匹釣り上げカリカリの空揚げは絶品だった。 19時を過ぎると真っ暗になり満天の星の下で焚き火を囲んだ。 沢泊まりの醍醐味を十分楽しみ21時早々と就寝する。
       
続けて6mの樋滝を登るとゴルジュ出現、びしょ濡れになって突破する   F7?この後も数えられないほど滝が現れる   30m以上ある最大の滝は水際を直登する
 9/12(日曜日・晴れ) 4時半、Kさんに起こされる。 ムルイ沢出合いは標高が1000mを超え気温が5度と寒い!ラーメンで腹支度を済ませ出発する。 ここから北西面直登沢の出合いまで蕗と幼木が覆う荒廃した林道を1時間あまり朝露に濡れて歩いた。 ようやく対岸に見えた直登沢は日の届かぬ暗い感じの沢だった。 入渓すると水が冷たく気温はまだ10度に届いていない。 さてどんな沢かと期待しながら先を急ぐと10分で黒光りした樋状の6m滝を登る。 すぐ後にも同じような8mと6mがあり眠気がようやく吹き飛んだ。 続いてゴルジュのどん詰まりに6mの滝がある。 ここは素直に滝を直登すれば良いのだがこの寒さで濡れるのを躊躇する。 誰か一人が犠牲になって後続はザイルでゴルジュの側壁を登れば最小不幸による最大幸福が得られる筈である。 たまたま一人カッパを着たCさんがいた。 皆の視線に観念したのか元気良く滝上に上がって拍手を浴びる。 ザイルを待って側壁を登ってみると微妙に外形しホールドが少なく難しかった。 二人で確保し後続を上げる。 高所の苦手なC女はビビリが入り、I子ちゃんは3回テンションが掛かった末に側壁を諦め水中をビショ濡れで登った。 この滝だけで40分以上時間を要し女性二人は寒さで震えていた。 次の5m滝も勢い付いたCさんトップでお助けを貰う。 1380mで3段・30m以上ある狭い斜滝があり水際を一気に登った。 振り返ると直登は自分一人で他は左岸を高巻いていた。 すぐ上が二股でそれぞれ10mの滝が合流し右股の水際を直登した。 とにかく6mから10m位の樋滝、斜滝が次から次に続いて現れる。 15mの斜滝を登るとようやく沢中に日が射し始める。 小滝がしばらく続いたあと1500m二股の10m滝を最後に静かな沢に戻った。 水が切れても沢型が明瞭でたまに古いノコ目を見付ける。 潅木帯を抜けるとハイマツに掴まったがすぐに抜け、ふかふかのじゅうたんと真っ赤なウラシマツツジが山頂まで続いた。 山頂には数名のグループと武華岳から登ってきた単独者が休んでいた。 抜ける様な青空に恵まれ北大雪、表大雪、東大雪、手塩岳等の他、知床と阿寒の山も望めた。
     
 源頭は紅葉したふかふかのじゅうたんが広がる   ほとんどドンピシャでピークに出る、展望抜群だった    下りは従走路のコルからムルイ沢を下降する
下りは従走路のコルからムルイ沢を下降する。 ハイマツと潅木を抜けるとすぐに沢型が現れ水が出始めた。 途中で8mの垂滝、6mのゴルジュがありザイルで降る。 古びた残置スリングがあり、こんな沢にも人が入ってるのかと関心する。 滝が少なく下降に適してるがよく滑りコルから下降を始め3時間20分でテンバに戻った。 再び林道をテクテク歩いて大函で解散、何とも言えぬ充実感と疲労感で一杯である。 今シーズンは低調続きの沢が多かったが久々に満足のゆく沢登りが楽しめた。 アプローチの難点を除けば同じ武利岳に登る中の川よりずっと面白い沢である。  <中ノ沢〜武利岳はこちら>  <武華山〜武利岳 厳冬期イトムカ川ルートはこちら>


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