武華山〜武利岳 厳冬期・イトムカ川ルート 1758・1876m  (北大雪) 地図はこちら  ■Home
2011年1月上旬  メンバー7名
1/2 8:40武華岳林道→10:10登山口→13:30前ムカ平→(13:40-13:40)C1・1730mコル→15:03武華山→15:25C1
1/3 7:20C1→8:40陵線1640mスキーデポ→(10:35-10:40)武利岳→11:55陵線1640m→(13:40-14:10)C1→15:30登山口→16:35武華岳林道

お正月は武利岳行のお誘いを受け2パーティー7名で出掛けることになった。 山で年越しだと張り切ったものの年末から天気が崩れ出発をずらして予備日がなくなったのは少々気掛かりである。 厳冬期の武利岳に登れる機会などそうあるものでなくリスクを補って余りある山行になりそうでとても楽しみだった。

 1/1(土曜日) 札幌を午後出発し層雲峡でC0、元旦営業で早仕舞いする黒岳の湯に滑り込み温まる。 コンビニで投売りしてたお節料理と御寿司セットが男ばかりのテントに彩りを添えた。

 林道を出発し深く気持ち良い樹林帯をラッセルする  ダケカンバの樹氷を抜けるとテン場の前ムカは近い  前衛鋒の奥に隠れた武華山を目指し急いでピストンする

 1/2(日曜日・晴れ後曇り) 石北峠の武華岳林道で北見山岳会の3名と待ち合わせ膝ラッセルで出発する。 緩い登りと下りを繰り返す林道を進むと廃墟となったイトムカの部落が現れ印象的だった。 テン場を前ムカ平1747mまで上げれるかが今山行の鍵となり一人5分づつラッセルを交代する。 登山口へは予定より早く到着しそのままイトムカ沢を夏道沿に進んだ。 沢は所々で口を開け帰りに勢い余った2名が穴に落っこちたのはご愛嬌である。 ライオン岩コースの分岐を過ぎると谷が狭まり急斜面のトラバースで少し苦労する。 程なく南尾根に取り付くと樹林帯に久々の青空が気持ち良かった。 1500mからの急登では暫く山とご無沙汰してるSOさんが辛そうな一方でYU子さんは相変わらず絶好調だ。 これを乗り切るとダケカンバの樹氷が美しい緩やかな疎林に変わった。 そして少し先には無木立の丘にぽつんと杭が立ち前ムカに着いたようである。 ここから武利岳の眺望を期待したがおぼろげで吹き晒しの雪原が広がってるだけだった。 そしてテントを武華山方向に少し下った所に2つ設営する。 締りのない雪は50cmも掘るとハイマツが出て風除けを作るのに手間取った。 さて日暮れまで時間も押してるが折角なら武華山まで足を延ばしたい。 ここからすぐだと言うので空身で目指すとなるほど遠かった武華山がぐんぐん近づいてくる。 寒風を受けながら前衛鋒を越えると細い陵線となり程なく視界のない山頂に到着した。 寒くて堪らず急いでテントに戻ったもののKAさんの鼻が軽い凍傷になっていた。 夕食は定番の具のないカレーシチューだがとりあえず腹が膨れ軽く飲んで20時就寝する。 一人シェラフカバーを忘れ意気消沈するKUさんを挟んで寝たが寒くて初夢を見る暇も無かったらしい。
     
 酷い風と寒さだが武華山に着いてまずは一安心だ  二日目、武利岳主陵線でスキーからアイゼンに替えた  雪庇は小さく所々にあるナイフリッジを淡々と越える
 1/3(月曜日・曇り時々晴れ) 7時の出発だったが地吹雪で見通しが効かず待機する。 少し明るくなってきたので隣のテントのYoさんと相談し決行を決める。 Yoさんを先導に沢形をスキーで下ると静かなタンネの森だった。 武利岳主陵線への登り返しに一汗も二汗も絞られ一部のメンバーが遅れ始めた。 陵線に出ると雪煙の舞う強風だったが時々ぱっと展望が開ける。 うねうねした雪陵を眺め、あー来て良かったと思った。 岩陵と雪庇、所々で越えるナイフリッジは特に問題なかったが足が抜かって体力を消耗した。 時間を気にしながら最後に武利岳の肩に登って少し辿ると山頂だった。 ほんの数ヶ月前に来たばかりだが様相が一変し違う山にいるみたいである。 さて日のある内に下山せねばならなず急いで陵線を戻ることにする。 一旦コルに下って仰ぐ前ムカはとてつもなく高く登り返しが長かった。 テントを急いで撤収し夏道登山口まで下った時にはまだ辛うじて明るくほっと胸を撫で下す。 林道はシールを付けて歩いた方が速いくらいで車に着くと真っ暗になっていた。 今回それぞれのパーティーだけでは山頂まで辿り着けなかったと思うが足並みと経験の有する北見パーティーにはお世話になりっぱなしだった。 厳冬期に武利〜武華の雪陵を歩け素晴らしい展望と思い出を残すことができ同行者に感謝である。
     
時間に追われながら武利岳の肩へ最後の登りとなる   武利岳山頂は強風で長居を許さず痺れる寒さだった  遠くに霞む武華山、雪煙の舞う陵線をテン場へ戻る
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