一等三角点探訪(札幌基線南端・札幌基線北端・生振)&モエレ山   ■Home
        2016年11月13日 曇り時々雨

午後から札幌に七つある一等三角点のうち残り二つと石狩に四つある一等三角点のうち残る一つを廻って温泉でもと思う。 札幌基線南端と札幌基線北端は全国に十四ケ所ある基線の一つで基点と共に三角測量のベースになるものである。 云わば北海道地図の礎になった三角点だけに点マニアならずとも一度は訪れたい場所である。


【一等三角点:札幌基線南端】 札幌南端は北十一条創成川沿いのグリーンベルトに設置されている。 十三条のセブンに車を止めて徒歩で向かうと上がったはずの雨が降ってきた。 案内板のすぐ傍に保護石に守られた標石が鎮座し、落ち葉を払いこざっぱりする。 片側4車線の国道を車がビュンビュン走ってちょっとあずましくないが昔は馬車が往来し、運河を舟が行き交う長閑な風景だったろうと想像する。 車に戻りしな諏訪神社に寄って参拝すると狛犬に明治二十九年とあるので札幌南端の先輩だった。 それより社務所の古いこと街中にまだこんな建物があるんだとビックリする。


【一等三角点:札幌基線北端】 南端と共に1900年(明治33年)に設置された一等三角点で下水処理場の敷地に鎮座している。 日曜日ということもあって管理棟の駐車場に車を止めるとすぐ柵の中に三角点と水準点が目に入った。 案内板の文言は南端のと同じでその間の長さは約4.5kmだが昔の測量で1/10mmまで記されているのに驚く。 当時この辺は既に開拓の手が入って石狩街道が通り、創成川も掘られていたので測量に好都合だったのではと思われる。


【一等三角点:生振(石狩市)】 クイズに出るほど難読な地名で(おやふる)と読める人は道内でも少ないと思う。 また三日月湖に囲まれた茨戸地区はカーナビのない車にはなかなか難しい場所で、なんだか変だと思ったら国道を逆に走っていた。 地図を頼りに生振寺まで行くと畑の中に目的地の雑木林が見えるが私有地でちょっと立ち入り難い。 隣接する農家が共に留守で仕方なく国道からぬかるんだ小路を歩く。 さて何処から藪に入ろうかと思ったら踏み跡が付いていた。 点の設置は札幌基線と同じ年で洪水が多いこの地で無事だったのはこの小さな丘のお陰だろう。 平地の三角点はなかなか足が向かないが取り敢えず雪に埋もれる前に拝めて嬉しい。


【モエレ山 62m(札幌市)】  ここはずいぶん前に来たことがあるが少しでも運動になればと寄ってみる。 車で10分ほど雨宿りをして出発、駐車場から直線的に草地を登ると遊歩道から一組のカップルも上がってきた。 二等三角点「当別太」が鉄板に埋まってバリアフリー化されている。 こんな天気でも山頂からの眺めは良く、灰色に覆われた空に薄日が射し街が光っていた。
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