三笠新道〜高根ケ原〜小白雲岳〜緑岳 1966m・2019m (大雪山)  地図はこちら  ■Home
2012年6月9日 晴れ時々曇り メンバー5名
6:30大雪高原温泉→9:10三笠新道分岐→10:50小白雲岳→11:50白雲非難小屋→12:35緑岳→14:30大雪高原温泉

花の時期にはまだ早いかなと思いつつ三笠新道から高根ケ原に上がり、 序でに登山路の無い小白雲岳(ポンハクウンダケ1966m)に登ってみることにした。 三笠新道はかつて三笠宮親王が大雪山縦走の際(1964/7)に高原沼から高根ケ原へ抜ける最短コースとして造られたもので 熊の巣のど真ん中を通る道として知られている。 熊の行動が活発になるとすぐ通行止めになるので林道が開く6月初旬からの僅かな期間がここを歩くチャンスとなる。 6月上旬の大雪山と言えばまだ残雪に覆われ花のイメージに程遠いが種類によっては満開だったとの情報もあり、 今年の雪解けの早さを考えるとまんざらでもなさそうである。

錦秋のみならず水芭蕉の群落も美しい大雪高原沼巡り コースは一面の雪に覆われアバウトなルート取りが可能 締まった雪にステップを刻んで高根ケ原へ急斜を登る

前夜21時半、層雲峡でC0、週間予報は晴れマークだったが曇/雨の予報に変わりテンション下がる。 飲みだすと明日のことなどどうでもよくなり結局何時に寝たのか定かでない。 翌朝Iさんの茹でたパスタにお好みのソースを絡めて腹ごしらえする。 テント泊まりの朝といえば決まってラーメンだが何となくお洒落な感じ、 簡単ながら美味しく頂く。 高原温泉に着くと再び予報が外れたか青空が見えている。 このまま天気が良い内に高根ケ原に上がりたいと身支度を急いだ。 自然センターの横からワクワクしながら左回りで沼巡りコースを進む、 道脇に水芭蕉の大群落が見事である。 他にはニリンソウ?が咲いてるのみで、この先びっしり雪に覆われることを思うと花など期待できそうにない。 ほどなく木道が雪に隠れ、適当に勘を付けて歩く、 噴気を上げる地獄谷を過ぎ、雪渓の淵がコバルトブルーで美しい空沼の脇を通る。 沼巡りの分岐から三笠新道へ入る予定だったが当然ながら道は残雪の下で自由気ままにルートを取る。 右に緑岳と樹の奥に白雲岳が見え、後の東大雪は薄い雲に隠れたままだった。 高根ケ原に張り出す壁の様な雪渓を眺めながら急な残雪の尾根を登る。 Sさん、Fさんはアイゼン・ピッケルで他の3名はスパイク長靴のみだった。

高根ケ原に出ると早々に初夏の花々が咲き乱れていた  キバナやキンバイに囲まれ雄大な景観を堪能する  国の天然記念物ウスバキチョウまでお目に掛かれ感激

200m程登って高根ケ原の陵線に出ると 信じられないことに雪が一つも見当たらないばかりか、お花が盛りを 迎えようとしていた。キバナシャクナゲ・ミネズオウ・ メアカンキンバイ・イワウメが満開、 エゾコザクラ・エゾツガ ザクラぼちぼち、 ウルップソウ・ハクサンイチゲ・コマクサもう ちょっと先、 ウスバキチョウが舞いまるで天国にでもいるような 幸せな気分である!  小白雲岳は山と言うよりただの丘に見えた。 遠回りでも雪渓を辿れば良いものを最短でハイマツを横切ろうとしたら抜口を見失い時間を食う。 その藪中にショウジョウバカマを数株見つけた。 大雪渓とふかふかの高山植物帯を歩いて平らな山頂に到着、 白雲岳のほか後旭岳・旭岳・熊ケ岳などゼブラ模様が素晴らしい。 未踏の白雲岳までほんの30分という感じたが今回も縁がなかった。 小白雲岳からずっと雪渓が繋がっていたが、ガスってしまい避難小屋がボ〜っと現れる。 ちょうど到着したばかりの小屋管に緑岳に向かう雪渓ルートを教えてもらう。 十数年ぶりの緑岳に到着、花はこれからだがコマクサの多いこと! 去年歩いたコマクサで有名な北アルプスの燕岳なんかよりずっと多い。 そしてガレガレの岩場を下るとメアカンキンバイの群落が見事だった。

白雲岳に比べるとただの丘にしか見えない小白雲岳  ガスで遠望利かないが小白雲岳からの展望を堪能する   思いがけぬ花々と天気に大満足し緑岳を下った
そこからハイマツの夏道を下ると雪渓が大きな口を開け、 Iさんが意に介さず痩せた雪渓にポンと飛び移った。 広大な雪渓が夏道をトラバースするように延々と続きルートを外さないよう気を遣う。 再び夏道が現れ硫黄の匂いがすると高原温泉の屋根が見え16kmあまりの山行が終わる。 昭和天皇が泊まられた高原荘は中がリニューアルされ、 来週からの営業だったが貸切の露天に入らせてもらい最高だ、 真っ赤に焼けた腕がひりひりする。 お初の三笠新道は雪渓と花の按配が丁度よく、また小白雲もピークを踏め満足ゆく山行だった。











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