芽室川北東面直登沢〜芽室岳西峰 1746m (北日高・清水町)   地図はこちら  ■Home
2010年8月中旬 晴れ時々曇り メンバー7名
6:30芽室小屋→(12:50-13:15)芽室岳西峰→(14:00-14:10)芽室岳→16:20芽室小屋

お盆山行は直前の雨台風で木っ端微塵に吹き飛んだ。 週末は一転して好天が期待されるが何処の沢も増水が懸念されお代わりを探すのに苦労する。 そんな中ふと思い付いたのが芽室川で小屋を出発してすぐ丸木橋の架かる小さな流れが北東面沢である。 普段はブタを想像させるしょぼい渓に過ぎないがまずまずの評判で芽室岳西峰に突き上げるのも魅力的である。 諸条件を考えると他にお代わりも思い浮かばず今回は遡行できるだけで御の字かも知れない。

普段は屁みないな支流の渡渉が枝に掴まり必死だ   何でもない斜滝がこの日ばかりは瀑布に変身する   増水により遡行レベルと面白さが一ランク上がった   
金曜夜に貸切の剣小屋へ集合しプチ宴会を楽しんだ。 函館から一人参加のSさんは夜中の2時に着き車で仮眠していた。 土曜日は4時半に起床し身支度、腹支度を済ませ車で出発する。 芽室小屋に着くと信じ難いことにあの小さな渓が予想をはるかに越えて増水し元気百倍になっていた。 沢幅一杯に白濁し沢音が凄まじくて会話が出来ない程である。 小屋から出てきた同じ予定のパーティーが山行を中止したのは尤もな事だが遡行自体は許容範囲に思われた。 500m程上流に北の主陵線から入る大きな支流がありこれを過ぎれば半分の減水を期待して左岸沿いに藪を漕いだ。 二股出合いの徒渉は女の人で腰位ありシュリンゲを助けに渡る。 本流の水量は2/3程度に減水したが渡渉を最小限にして更なる藪漕ぎを続けた。 初っ端から時間を食って先が思いやられるが1時間ほど進むと徒渉が自在になりしめたもの!ようやくメンバーに笑いが戻った。

c1480からは高度感溢れる急な登りが楽しめる     ハイマツを踏んでのんびりと日高の陵線を歩いた    増水した沢からの登頂は良い思い出になった   
序盤単調な渓相だったがc900mを過ぎると小滝がポツポツ出てきて面白くなる。 普段なら単なる段差が滝に変身してずっと先まで滝群になっている。 どれも近づくと数mの容易な斜滝ばかりだが必要以上に水飛沫を上げ迫力があった。 8m弱の滝が3-4つあり水の勢いに気負い負けして中は登れない。 何れも水際を登ったり巻いたりしたがその内の一つは落石だらけでハラハラした。 c1270の右岸でコルから流れる支流が斜滝になって降り注ぎ興味をそそられるが今回は直登ルートを選ぶ。 暫く急なガレとなり高度を稼ぐと谷間にのどかな牧場風景が広がっていた。 c1480から再び岩盤が現れると高度感溢れる登りになる。 中を水が流れ落石に緊張しながらも手掛かり足掛かりが豊富で楽しい登りだった。 やがて水が涸れると草付きの中に踏み跡が続きシナノキンバイとチシマフウロが迎える小さな源頭である。 小潅木に捕まりながら滑る泥土を踏ん張ると僅かなハイマツ帯となり主陵線に飛び出した。 北日高の山々が丸見えで歓声が上がる。 青々とした主陵線を見るのは久しぶりで新鮮だった。 陵上には低いハイマツの中に鹿道が延びのんびりと10分でパンケヌーシ岳の標識がある山頂に到着する。 展望もさることながらあの増水を遡りよくぞピークに達したものだと満足感で一杯になる。 台風のお陰で沢のレベルも楽しさもUPしたのは言うまでもなく結果オーライの週末だった。 <2009積雪期の日勝峠〜芽室岳縦走はこちら><2005積雪期の芽室岳はこちら>



















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