滝の沢〜鉞山 (マサカリヤマ) 779m (道央・積丹半島)
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2010年7月上旬 曇り メンバー3名
6:45第一マッカ川橋→7:00滝の沢出合い→(11:35-12:05)鉞山→13:55・c220m滝の沢→15:05第一マッカ川橋(休憩含)
週末の天気予報はいまひとつだが予てより気になってた積丹半島の鉞山を湯ノ沢から登ることにした。
もっとも今の地図から「湯ノ沢」は消えいつの間にか隣にあった筈の「滝の沢」にすり替わっているのは解せない話である。
「滝の沢→カジ山沢」「湯ノ沢→滝の沢」と単なる誤記かも知らないが沢の名前が替わるのはややこしくてかなわない。
鉞山は低いながらも見る角度によってはマッターホルンのごとく聳え興味の募る山容をなしている。
里から近く一見簡単に登れそうだが積丹特有の笹藪ともなればそう易々と頂を踏ませてくれないだろう。
初ピークの楽しみもさることながらどんな沢が待ってるか行って見てのお楽しみである。
珊内の集落から手に取る近さに見える鉞山 平凡な支流にいきなり10m・F1が現れ驚かされる 明るい沢には一応ゴルジュもあって先を期待させる
この日は天気を気にしながら雨の札幌を早出して6時過ぎ曇りの神恵内村に到着した。
第一マッカ川橋から入渓するのは数年前の珊内岳以来であの強烈なネマガリの藪漕ぎが思い出される。
程なく珊内川本流に入ると上部に雪が残ってるせいか水が冷たくその反動か滝の沢の水は生暖かく感じられた。
どうやらこちらには雪が無いようである。
水量は程々で初めどうってことのない小さな渓に思えたがのっけから10mのF1が出現して驚かされた。
すぐ後に2段の小滝、その直後に8mのF3・c170が控え、次はミニゴルジュの中を行く。
岩は苔生してマサカリと言う荒削りな名前からは想像も付かないしっとりした渓相に気を良くする。
暫くして中段に釜を持った2段10mのF4・c300滝を越え、更に小さな樋状の先に釜付4mのペロンとした垂滝F5と飽きない遡行が続く。
この沢はピークハントが目的ついでの遡行だったので嬉しさ倍増だが進んでも進んでも標高が上がらないのが玉に傷である。
c325で8mのF6を巻きこれでもう滝は終わりかなと思ったら左股に入ってなお滑り台を流れる一条の滝6m・F7が最後だった。
いよいよ400mを過ぎて沢と別れ小さな沢型からマサカリの北端を目指して笹を分け入った。
沢型はあっという間に終わり背丈以上の笹薮と絡みつくツルでペースがガクンと落ちる。
ひどい蒸し暑さと笹から出る粉にむせ、立ち止まるとブヨが纏わり付いて閉口する。
先頭を交代しながら藪漕ぎを続けると笹に代ってウドとイラクサが目立ってきた。
後ろのKさんはまるでサウナの中で運動でもしてるような汗を掻いている。
マサカリの基部でようやく藪が終わったのは良いが次は尾根上まで100m以上の急な登りが待っていた。
木登りと言った方が的を得ている。
ようやく頭上に空が開け痩せた尾根に出ると潅木の先に一抱えもある岩が鎮座する狭い山頂だった。
岩に立つと後ろに珊内岳と屏風山が控え、前は日本海と珊内の集落がとても近くに見える。
5時間近くも掛かったのが不思議な距離だった。
苔生してしっとりした沢である、釜付4mのF5垂滝 8mのF6、予想もしない滝の多さに望外の喜び 久々に辛い低山だった、暑くて参りました
さてマサカリの刃を渡り切らねば仁義に反するので端まで辿ってみると陵線の細さは狭い所で畳み一畳分の幅しかなかった。
刃は当たり前だがガタガタにこぼれて歩き難い。
南端から南東面の笹薮を急降下し枝沢に入ってc220で滝の沢に戻った。
珊内川に魚影を見るが滝の沢に全く魚がいないのはF1が魚止めだったからと気が付いた。
沢は初心者向きで思いの他に楽しかったが山頂まで詰めるとなれば相当苦労させられる。
これほど辛い低山は久々でした。
貸切の珊内ぬくもり温泉でさっぱりし次なる八雲の砂蘭部岳へ移動した。