稀府岳〜天狗岩〜谷藤川  マレップダケ 702m〜521m (伊達市)   ■Home
2014年12月7日 曇り後晴れ メンバー6名
8:35登山口→10:00稀府岳山頂→11:20天狗岩→12:30谷藤林道

マレップとはアイヌ語で(@鮭の場、Aイチゴがある所)等の諸説があり、地元ではこの山をマレフ岳とも呼んでいる。 側を流れる谷藤川も昔はイマリマレフ川だったことから消去方で@かと思うが定かでない。 この山には2004年11月に牛舎川から登り、尾根伝いに刈分けられた防火線を下ったことがある。 最近開削された登山道と言うのはこの防火線を元に付けられたものだろうか。 12月に入ったが伊達の山ならまだ雪は無いだろうと気になる天狗岩を見物し谷藤川に下ってみることにした。

         
             例年より雪が少なく中山峠もまだブッシュが目立っていたが夜中に降った雪で路面はずっと白いままだった。 伊達に抜けたら乾いているだろうと思ったが白一面の冬景色に寒々と雪が降って全くテンション上がらない。 取り敢えず車をデポしに谷藤川に向かうと岩壁が迫り渓谷と言うべき景観を見せ始める。 間違ってあんな崖を下ったらえらい目に遭うな、雪が止み青空も覗き出して漸くスイッチが入って来た。  (写真は伊達門別岳7合目からの稀府岳で荒々しい姿が印象的、中央に北尾根とその中腹の小さな突起が天狗岩である)
          

養鶏場の手前に作業小屋があって登山口の標識と小さな駐車場が設けられていた。 ここの所有者が道を付けたのだろうか、先客1台の横にぎりぎり2台並べて出発する。 積雪10cm足らず、暫くは樹林の中で見晴らしは無いが青空がどんどん広がって嬉しい。 「お尻愛の木」の手前で早々と4人の若者が下りてきた。展望は駄目だったとのことだが何も雪が降っている中を急いで出なくても‥ すれ違ったのはこのせっかちなグループだけだった。 そこからは斜度が少し緩み、c550のガマ岩を過ぎる頃には一面の笹原となり視界が一気に開ける。 眼下には稀府と伊達の街並みや遠くに室蘭の絵柄半島が望まれ、背後に穏やかな噴火湾が広がっていた。

         
                    

 
          
前稀府岳からは左に小さな山頂と右に室蘭岳が大きな山容で望まれた。 山頂は思いのほか近く、笹が綺麗に刈られて歩き易い。 緩やかなアップダウンの続く風景は隣の伊達門別岳とよく似ている。 また稜線を境に樹林と笹の斜面に別れ、山頂は額が禿げ上がった顔の様である。 丸く開かれた山頂からの展望は36O度遮る物が無いばかりか海が見えて何とも素晴らしい。 この日は北に雲が垂れ込めているものの豊浦、洞爺(湖)、登別方面の山々が見渡せた。


                    

 
          
さて山頂を出発すると直下の笹斜面に踏み跡が延びてラッキーと思ったがすぐ途切れてしまう。 山頂から先は小さな岩がポコポコ連なる岩陵で東側は切れ落ちている所もあり気が抜けない。 巻くことも可能だが面倒臭いので潅木や笹を掴んで通過する。 軽い藪で見晴らし良くなかなか楽しい所である。


         
            頂稜の一角にある岩峰から笹のコルに下る。 振り返るとバックに青空と海が望まれ、これが天狗岩でもいいんじゃないかと思うほど聳え立っていた。 笹は腰から胸の高さで煩くもなく、雪は気温が低いためサラサラして濡れずに済んだ。 たまに立ち塞がるネマガリも向きが順当で下りだから楽だった。
          

近づく伊達門別岳は結構急峻で送電線の保守道が白い糸を垂らした様に延びている。 日が長ければあの小刻みなジグザグ道を登って縦走しても良かったか。 後ろには有珠山と昭和新山、洞爺湖が望まれ、 そして室蘭岳からオロフレ山へと連なる山々に暫し見入る。

         
                    

 
          
木立の中に天狗岩が現れて急に足早になる。 国土地理院の地図にもちゃんと山名が記されている立派な一山でお目に掛れて嬉しい。 もっと大きな岩かと思ったがそれでも高さは15m位だろうか、 脇をすり抜けざまに伊達の街並みが見えるがかなり狭い所に立っているので落ち着かない。


         
            天狗岩の付け根にはクラックが入り今にも倒れそう、 と言うより恐らくただ乗っかっているだけの岩みたいで何とも不思議な光景である。 折角なら登ってみたいがハングって無理、その痕跡もみられない。 裏手に廻ると木が切られてすっきりと迫力ある姿を見ることができた。
                    

 
          
さてここから念入りに地図を確認する。 一旦はそのまま北尾根を下り掛けたが転げ落ちる様な斜面に恐れをなし天狗岩に登り返す。 そして少し戻ったコルから北面の沢を下降、滝場もなく坦々とデポした車に帰還した。 林道から見上げる対岸には小さな天狗岩とその下に八剣山の様な岩峰が切り立って壮観な眺めだった。


          

帰りの国道から伊達市のランドマークとも言える小さな天狗岩が望まれた。 北尾根は変化に富んで楽しく、またユニークな天狗岩は一見の価値がある。 稀府岳は手軽に登れて展望も良く、ダニのいない登山の端境期にお勧めします。


         

          










































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