久山岳 (冬尾根ルート)  1411m 山スキー(清水町・芽室町) 地図はこちら  ■Home
2011年3月中旬 曇り後晴れ メンバー3名
6:30剣神社→8:25・650m尾根取付き→(11:10-11:30)久山岳→13:35剣神社

予定の山行が中止になり未踏だった久山岳に直登尾根から登ってみることにしました。 たまたま全員がお初の山で良いチョイスだったがメンバーはスキーで登れるとは思わなかったらしい。 この尾根の記録がないのは勿論だがそもそも久山岳を冬に登る人など稀だから無理からぬ話である。 さて選んだ直登尾根はアプローチが短く早く登れると踏んだが等高線を見ればそれなりに苦労させられそうだ。 「山頂から日高の大展望が広がっていた」なんてドラマを期待させるが行ってみてのお楽しみである。
          



小雪が舞っていたが今は止み穏やかな日の出を迎える。 剣神社からスキーを履いて出発し夕べ小屋の裏に見付けた赤い小橋を渡る。 改めて見ると沢には幾つか橋が架けられお地蔵さんを巡る散策路があるようだ。 すぐ先の大きな寺院を道なりに進んだ2本目の沢にも橋があってラッキーが続く。 さて目指す尾根にコンパスを向け植林帯の中を進むと3本目の沢に出合う。 今まで順調だったが渡れそうな場所がなく行ったり来たりして結局ツボで渡った。
         
         
          一見平坦に思えたカラマツ林の中は凹凸や小沢もあり時間を食わされた。 思いのほか捗らずふと時間切れが頭をよぎる。 やがて林道に合流し直線的に進むと広々した場所から取付く尾根が見えてきた。 んーまだ遠いなぁ!久山岳を残してる人が多い理由はこのあたりにもありそうだ。 道がコの字に曲がる所に登山ポストがあり、これより緩やかな林の中を進んで尾根の末端を目指した。
         
          白い斜面が見え隠れし、はたしてどんな尾根かと思ったら割と広くしかも木が斑で安心する。 帰りはスキーに丁度良いね!と気を良くして登ってると、 背の高さに40cm超のカバノアナタケがくっ付いていた。 如何に人の入らぬ場所とは言え今までこんなデカイのは見たことがない。
         
          締った雪に昨日の新雪が10cm載ってるだけで登り易い。 取り付きまでの時間を挽回するかのようにグングン高度を稼いだ。 風の唸り声が聞こえ時々旋風が舞うが雲の隙間から青空と日が射し始める。
         
          隣の剣山が少しずつ低くなり、後ろは大きな裾野の向こうに十勝平野が広がっていた。 明るく開放的な尾根は1000mの手前から一旦緩くなり展望の良い所で一本入れる。 右に延びる夏尾根との間の真っ白な沢形は見るからに好斜面で気を引いた。 やがて剣山から久山岳に延びる釣り尾根が近づきいよいよ急な登りを覚悟する。
         
1200mより所々に大岩が露出し巻いて登る。 左斜面は風が当たって固くずるずる横滑りするが右斜面は適度に雪が付いて登り易い。 尾根筋に付かず離れずキックターンを重ねると次第に雪が軽くなってきたのが嬉しい。 ラスト100m、木を縫うようにジグザグに登った。          
         
そして最後に急なひと登りを経て狭い山頂に到着する。 なんだかんだ言いながら最後まで諦めずに登った甲斐があり、喜びもひとしおだ! しかも初ピークをスキーで登れメンバー共々大満足である。          
         
天気はどんどん良くなるが芽室岳はすっきりピークを見せなかった。 晴れていれば <芽室岳から〜ピパイロ岳〜伏美岳まで> 北日高の真っ白な主稜線が一望できたのに残念である。 さてシールを外しボチボチ帰るとしよう。 一段と低くなった剣岳に向かって滑降を開始する。          
         
尾根の北面は木が斑で開けた斜面が広がり雪もまずまずだった。 次第に重くなるが今の時期を思えば仕方ない。 下は林間コースのようであっと言う間に登山ポストに到着する。 ここからルートを変え沢に向かってみると橋の残骸がありSBから対岸に渡った。 更に道なりに進むと開けた場所より剣山と後ろに久山岳の眺望が素晴らしい。 そして何とすんなり剣神社に戻れて呆気に取られた! 今更と言う感じだが初めからこのルートを辿れば優に30分以上短縮できたのにちょっと口惜しい。 まあ一度登れば気の済む山にスキーで行ってこれただけで十分と言うのが本音である。          


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