クワウンナイ川遡行 (2012再訪・大雪山) ■Home |
---|
|
|
札幌から車中宴会しながら3時間で天人峡に到着、テントで尚も飲み続け寝たのは12時を廻っていた。
翌朝、少し離れた別のテントからP会のMさんに声を掛けられる。
聞くとポンクワウンナイ川に拘りの滝があるらしく、
それじゃ気をつけてと先に出発した。
クワウンナイ川の水量は少なく、ゴルジュも巻かずに中を行けるんじゃないかと思ったが流石に無理だった。
|
|
|
クワウンナイ川とはアイヌ語で(クワ・ウンナイ 杖・川)、
アイヌの人達が杖を持たなきゃ徒渉できないほど大きい川を意味する。
だが今日は減水してるお陰で淵も精々股までの徒渉、普段は水に洗われてる岩盤まで露になって歩き易い。
天気も持ちそうな感じだが午後から降られるのを覚悟して坦々と進んだ。
|
|
|
通常なら天人峡を朝出発して魚止の滝に泊まっても不思議でないが、
わずか5時間で到着し我ながら驚いた。
時間に余裕が出来たのでKOさんが釣り糸を垂らしに行くとすぐに型の良いオショロコマを3匹ぶら下げて帰ってきた。
トンボを餌にするとなんぼでも掛かってくるとか、これは腹を取って持ってくことにする。
冷麦を茹で蕗の葉っぱに盛り付けして小腹を満たした。沢で食べるとなまら美味い。
|
|
|
魚止の滝は普段ならお互いの声が聞こえないほどすさまじい音だが今日に限って大人しい。
ここは直登した経験がなく良いチャンスだったがシャワークライム必須、
お日様がないと寒そうで素直に高巻くことにした。
|
|
|
これを登っていよいよスケールの大きな滑床を前にし、お初のメンバーから感嘆の声が上がった。
普段なら足取りが覚束ないほど流れの強い所だがさらさらした感じも悪くない。
ここからはペースを落として沢歩きを楽しむことにする。
|
|
|
次に大きなF2・10mが近づいてくる。
ここは難なく水流左際から直登できるが高さがあるので気が抜けない。
そして登り切ると再び目を見張る光景が待っていた・・・・
|
|
|
目の前に広がるのはまさに日本一長くて美しい滑床「滝の瀬十三丁」の始まりである。
満を期して沢中に陽が射し込みあまりの壮大さに目を真ん丸くさせるお初のメンバーの顔を見るのがまた楽しい。
|
|
|
幅20m・長さ1.5kmに及ぶ長大な一枚岩の上を清い水がサラサラ・キラキラ流れる様は
まさに圧巻と言わざるを得ない。
ただ苔のジュータンがめっきり減ったように感じられるがここ最近の大雨のせいだろうか?
ゆっくり2時間かけてオーバーハングの滝を迎え滝の瀬十三丁が終わった。
|
|
|
二俣ノ滝を越えるとクワウンナイ川も終わったかという感じになるが、ミニ滝の瀬十三丁のような所もあって結構楽しい。
やがて退屈なゴーロになると一気に疲れが出てきてメンバーの歩調も次第に合わなくなってきた。
|
|
|
小滝が時々現れ箱庭的な美しさの中を辿ると一気に水が細り冷たくなって源頭が近づく。
c1500mの草原にテン場を求め早々ビールを冷やして乾杯した。
一帯はガスに包まれ早々に行動停止として正解だった。
晩御飯にカレーライスを作っておしょろこまを煮付けた。
しっかり飲んでしっかり食べしっかり寝た。
|
|
|
翌日、大きな雪渓とガレを登りつめて縦走路に出ると風があって寒い、
相変わらずガスで視界はいまひとつだが時折東大雪の山並みが望まれた。
岩とお花の庭園をとぼとぼ化雲岳に到着、大雪山のヘソと呼ばれる大岩によじ登る。
小化雲岳はチングルマが見事だった。
|
|
|
ガスが取れ前方に大きな旭岳の裾野と噴煙を拝みながらひたすら尾根を下るといつもの悪路となる。
水溜り、泥んこ、わざわざ登山靴に履き替えたメンバーが気の毒なほどだった。
第一高原では湿原の中に敷かれた木道を歩き、
忠別川の断崖を眺めるといよいよ終盤となる。
滝見台で羽衣の滝に目を楽しませた後は一気に高度を下げ天人峡に降り立った。
|