道東遠征の二日目はかねがね気になってたクテクンベツ川を遡行することにしました。
この川はサケの遡上で有名な標津川の上流に位置し
「クテクンの滝」と呼ばれる大滝を始め12の滝が連なる沢登りルートとして知られている。
何でもこれらの滝には固定ロープが掛けられ容易にクテクンベツ岳995mの展望を楽しむことができるらしい。
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観光名所にほど遠くまさに秘境と言える場所だった 左股川に入ってすぐ褐色二段の滝が目に飛び込む 左股川4コ目、30mの滑滝に気を良くするメンバー
「クテクンの滝まで9km」の標識を進んだ終端に立派な案内板があり、ここは「中標津の秘境」云々と書かれている。
確かにそこから先は背丈の笹が覆って一般人の立ち入れぬ状況になっていた。
入山ポストから笹を分け小さな渓に入ると早々二段10mの滝が目に飛び込む。
「いきなり来たな」と喜ぶのは私だけで「間違ったがこのまま行ってみるか?」
とクテクン三度目のメンバーが呟く。
どうやら笹を行き過ぎ左股に入ってしまったようだがパーティーに引返す雰囲気はない。
たまたま遡行済みのメンバーばかりというのも運悪く、このまま左股から周回してみるべとなった。
褐色スラブ状の滝を越えると上にも釜を挟んだ二段8mの滝、更に30mの滑滝とアドレナリンが噴出する。
尚も途切れず10mクラスから30mの滑滝まで数個が続いて支流にいるのを忘れる。
ところが中盤以降ぱったり何も無くなって、細く長い滑のあと静かな流れがc750m過ぎまで続く。
笹の尾根を登るとハイマツの向こうに饅頭のような山が見え、1時間あまりのアルバイトで山頂に到着する。
岩の上からは360度の展望が得られすこぶる開放的である。
俣落岳や尖峰など未踏の山々のほか、斜里岳や知床の山、国後島が望まれた。
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ハイマツに邪魔され1時間あまりのアルバイトとなる 山頂からは知床や国後も見え素晴らしい展望だった 固定ザイルがなくなりやや大変だったクテクンの下降
再び藪を下降して次はクテクンベツ川本流を下る。
以前はロープが滝ごとに垂れていたとのことだが一つも無く、足を滑らせそうで気を遣った。
クテクンの大滝25mの滝口から下を覗くと目の眩む高さで両岸はひどい崖である。
大高巻きで下ったは良いがつい滝の全景を撮るのを忘れ心残りである。
今回ひょんなことから左股を登り本流を下ったがこれはこれで面白い遡行だった。
沢自体は左股より本流の方が一枚上手だがいずれも中盤を前に滝が無くなって寂しい。
再訪する機会があれば次はクテクンベツ川本流を遡って左股川を下りたいものである。
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道東遠征の初日<パンケニワナイ川〜斜里岳>はこちら