黒岳〜烏帽子岳 1984m・2072m スキー (上川町・大雪山) ■Home |
---|
昨夜は早目に寝たが皆んなまだ酒が残ってボーっとしている。
ネギ入りうどんでお腹を満たし、
7時始発のロープウエイに乗り込むと北鎮に向かうSさん、白雲に向かうWさんと一緒になる。
ロープウエイには早くから観光客も何人か乗っていたが、
汗臭く、酒臭く、ネギ臭い集団に囲まれ気の毒だった。
なるべく息を潜めじっとしていたがロープウエイの窓から天塩岳の横に昨日登った宇江内山の双子峰が望まれると
思わず声を上けてしまった。
リフトが点検中で山頂駅からスキーで出発する。
黒岳の北斜面にはまだ2mの残雪があり、
ニセカウをバックに雲一つない青空に向かってぐんぐん急斜面を登ってゆくのは気分爽快である。
そして岩の出た黒岳山頂からは所々にゼブラ模様が広がるも白い表大雪の山々に目を奪われた。
|
|
そして赤岳方向に目を転ずるとつんと尖がった烏帽子岳(写真上)がすぐ目に留まった。 特徴ある帽子がその存在をアピールし、真っ白で魅力的な他の山に気移りしないでねと訴えてるようである。 ただその裾は随分と雪解けが進んで黒さが目立ち、 手前には黒々とした大きな帯が延びているのが気になった。 まあ行って見なければ何とも言えないが予定した谷筋にルートを辿れば雪が繋がってるのではないだろうか。 まずはスキーを担いで登山路をとことこ下った。 |
登山路を歩いて程なく適当に勘を付けてハイマツを乗越すと雪と草付きが交互に現れたのち、 眼下の赤石沢に雪がびっしり広がってるのを見て一安心する。 振り返ると黒岳の山頂がいつの間にか遠く(写真左)、 石室方面には雪がびっしり張り付いて白雲岳からの帰りと思われる登山者が豆粒になって登っていた。 我々も帰りはこちらから戻った方が良さそうである。 沢は一箇所、口が開いてたので覗いてみると雪の厚さが3-4mあるのに驚く、 他は雪の下に埋まり何処か沢筋か分からぬ程だった。 雲一つない青空!やばいほどの紫外線を浴びながらくねくね入組んだ谷筋を(写真右)辿る。 雪がずっと繋がってスキーで大正解だ、ツボやワカンだったら抜かって大変だったかも知れない。 |
谷筋を抜けると雪解け水が溜まった長さ30-50mの青い沼が現れた。 地図にある複雑な地形に点在する小さな湖沼群の一つだが雪解けと共に現れ、 雪渓が無くなれば消える「幻の沼」と思われる。お目にかかれ嬉しい。 烏帽子岳の頂が(写真右)がようやく見え出す。 黒岳からは低く、小さく見えた烏帽子岳だったが近づくとなかなか大きな山である。 雪で埋まった雄滝の沢を越え、 びっしり雪の張り付いた烏帽子岳の西面に広がる沢形を登って行くと今朝と思われる熊の足跡が延びていた。 |
真っ白な北鎮岳と稜雲岳にずっと見守られ山頂手前の2040mでスキーをデポする。 思いのほか時間が掛かったがここまでスキーで来れただけでも御の字である。 いよいよ烏帽子岳の山頂が目と鼻の先に迫り、 この青空と相まって登頂意欲が一気に高まってくる。 コマクサが好みそうなザレ地を踏んで大岩の積み重なる山頂に向かった。 |
スキーブーツで登り難かったがついに山頂に到着した。
やった〜!めったに登れぬマイナーな山、しかも大雪山の初ピークとあって喜びもひとしおである。
あまりに質素で山頂標識はおろかピンクテープも無いが、例え様もない雄大な景観が広がっていた。
旭岳と後旭岳がまだ真っ白だ、赤岳と小泉岳は一体化し、その奥に白雲岳(写真左)が聳えている。
さて烏帽子岳の最高点はどの辺りかというと先っぽに突き出た岩が一番高く、崖っ淵にあるため抜群の眺望だった。
ただ立ち上がると結構怖くてハイポーズも縮こまってるのはご愛嬌である。
|
屏風岳とニセイカウシュッペ山をバックに記念写真、この日は北大雪の眺望も良く、 武利岳・武華山、ニセイチャロ・支湧別岳、遠く霞んで雌阿寒岳・雄阿寒岳も望まれた。 風の無い暖かな山頂で暫しまったりする。 |
黒岳には結局、同じルートでスキーを履いたままハイマツを踏んで登ったら早く到着した。 黒岳直下は道内でもトップクラスの斜度で流石に急だが雪がザラメとまでいかないまでも滑降が楽しめた。 昨日と合わせ上川の初ピークを3つも踏め、天気に恵まれ実に楽しい週末だった。 |