愛山渓温泉〜熊ケ岳  大雪山 春スキー  2210m  (東川町)  地図はこちら  ■Home
2012年5月上旬 山スキー メンバー4名 愛山渓温泉ルート
6:15愛山渓温泉→ピウケナイ沢→(12:10-12:30)熊ケ岳→13:50愛山渓温泉

今年のGWは雨続きで散々だが最終日にようやく晴れそうなので愛山渓温泉に出掛けることにした。 先週まで暖かい日が続いたせいもあり話では大雪山もかなりゼブラ模様が目立ってるとのこと、 山は一応未踏の熊ケ岳を視野に入れたが行き当たりバッタリになりそうな気がした。 この山はすぐ隣の道内最高峰・旭岳に比べると知名度が低く、山体も小振りだが 標高的には第5位となかなかである。 頂稜部には岩峰が望まれ少しばかり登頂意欲も掻き立てられるが登山路がないため大雪山の中ではマイナーな部類と言える。 愛山渓からのピークハントではやや遠い感じもするが雄大な景色と春スキーが楽しめれば言う事なし、雨に祟られたGWの締めとしては十分である。

      裾合平からは旭岳と熊ケ岳の残雪模様が素晴らしく、思わずいけいけムードになってしまった    雄大な大雪山の展望を得ながら外輪近くまで雪渓が続く 
この天気に拘わらず愛山渓温泉には40人ほど泊まっていると聞いてビックリしたが 一階は知った顔ぶれ数名と我々のみであずましい。 二階には高校山岳部2校が合宿中でかなり賑々しかったが夜になると立場が逆転し「上から煩さ〜い」とお叱りを受けた。 翌朝、元気の良い生徒を見送ってのんびりヒュッテを出発する。 林道から暫くは平年並みの雪に思えたが尾根に出るとあちこちにハイマツが広がっていた。 久々の青空だが雲の動きが速く山頂は無理だろうなと思ってると、 当麻岳のハイマツ尾根にゴマ粒のような高校生の集団を見つけ思わずエールを送った。 こちらも急に元気が湧いてきてハイマツを避けながら進むと雪の上に大きな沼が出現しているのに驚く。 いつもと違う風景に「そういえばここは沼の平だったな?」と呑気なものである。 そしてピウケナイ川が近づき水飛沫を上げる滝を見て唖然! ようやく西に寄り過ぎたことに気付いたが、凄い水量が雪渓の中に吸い込まれているのを見て興醒めしてしまった。 半分諦め顔で予定コースに戻ると沢はいつも通りの雪渓で埋まり、未練たらしく渡ることにする。 「この下は結構な水量なんだよな」とそわそわしながら沢を渡って裾合平に入ると旭岳と熊ヶ岳が何食わぬ顔で正面にあった。 凡そ1時間のロスだが風も収まって引き返す理由もなくなり続行することにした。

 夏まで雪が残るお釜には笑う男の雪渓が現れるという ニセピークを越え更に急な外輪のトラバースを続けた  展望の良い山頂だがいまひとつ高度感が感じられない
砦のような大塚・小塚を眺めながら奇岩とハイマツの日本庭園を進むと、 あとはだだっ広い雪原をまっしぐらに進むだけだ。 中ほどにある突起物は何だろうと思ったら芸術的に積まれた風除けブロックで主の不在な黄色いテントが残されていた。 たぶん旭岳か中岳温泉にでも遊びに行ったのではないだろうか。 そして熊ケ岳が近づくと何とか上まで雪渓が繋がっていそうで一安心する。 適当な斜度の雪渓に取り付くと見上げる先まで広い斜面が続いて帰りの滑降が楽しみなほどだった。 高度を稼ぐに従い周囲の山々の残雪模様が素晴らしく、 まるで山の雑誌にでも出てくるような美しい景観が広がっている。 気分良く標高を稼ぐとあと少しのところで雪渓が切れてしまったがさてどうするか? もしかして山頂から後旭岳方面に雪が繋がっていれば旭岳への連登も可能と期待してシートラすることにした。

あと一週間早ければ外輪からの滑降が楽しめたかも  昨夜あっさり新雪が降り表面はとても綺麗だった   ピークハントと滑降が楽しめ120%満足の熊ケ岳だった 
おそらくこの一週間の暖かさで一気に雪が融けたと思われるが 一帯のふかふかした高山植物に気が引けながら外輪に出ると、 初めて見るクレーターの底には水が溜まっていた。 丸いお釜はまだびっしり雪に覆われているが、 夏には「熊ケ岳の笑う男」の雪渓が浮き出るそうで一度見てみたいものである。 山頂はあの黒い岩峰かと思ったら100mほど先で、 ニペソツなど東大雪方面の新たな展望を楽しみながら岩の初ピークを踏んだ。 大雪山らしい雄大な眺めが広がるが周りがみな2000m前後の山々ばかりであまり高度感がない。 隣の旭岳山頂には結構な人影が見えその北斜面に嬌声を上げながら数名のスキーヤーが滑降を楽しんでいた。 さてコルの雪を偵察しに行くと、予測はしてたが雪の片鱗も見当たらず岩だらけである。 メンバーと高山植物に頭を下げつつ再び雪の繋がる斜面までシートラで戻った。 適度な傾斜とザラメ雪は申し分なく!標高差300mあまりの滑降はあっと言う間だった。 出発当初の強風とルートロスを考えれば山頂に立てたのはかなり幸運だったかも知れない。 愛山渓温泉を出るとぽつぽつ雨がきてタイミングの良さに感謝した。








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