小漁山は2006年5月の好天に漁岳からピストンで踏んでいるが山頂は広い稜線の一部という感じで魅力に欠く山だった。
ただ上から眺めるオコタンペ湖は最高で再訪するなら凍った湖上からと思っていた。
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漁岳を登って小漁山の斜面を滑る予定だったが天気が持ちそうもないので先にオコタンペ湖を渡ることにした。
早朝の降雪で待ち合わせのオコタンペ分岐には10cmほど積もっていた。
たまたま居合わせたスノーシューのMさんパーティーと前後してオコタンペ林道を出発、暫く道路を辿ってから薄暗い湖畔に下りてゆく。
朝陽を浴びた小漁山に誰からともなく歓声が上がり、そして真っ白な雪面に入って行くとそこは既に湖の上だった。
湖面に日が射す辺りまで来ると小漁山、漁岳、オコタンペ山、恵庭岳にぐるっと囲まれて幸せな気分になる。
快晴無風、この景色の中でジンギスカンでもしたら最高だろうなと思う。
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オコタンペ湖を渡った先の湿地帯は雪原に枯れ木が立つ雰囲気の良い場所である。
小漁山の取り付きまでゆるい裾野が続き、また1128北コルに向かう沢形も雪不足で凹凸が目立っていた。
結局、スキーが楽しめそうなのは稜線下のみだがその斜面も上に雪庇が張り出している。
遠目に小さな雪庇も近づくとそれなりで数名掛りで切り崩し稜線に出る。
そして緩やかな雪稜を登って地味な小漁山に到着、札幌50峰に大手をかけたメンバーが嬉しそうにピークを踏んだ。
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【小漁山からの展望】三角点「南漁岳」が埋まる小漁山は平坦で特徴のない山だが展望に優れている。
いつの間にか雲が広がってしまったがまだ青空の方が優勢で割とくっきりした視界に満足する。
ここまで来ると恵庭岳より漁岳の存在が大きく、オコタンペ山とオコタンペ湖が随分小さく見える。
やはりオコタンペ湖の眺望はオコタンペ山からが一番良いようだ。
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小漁山で引き返すMさんパーティーに見送られて漁岳に向かう。
この日、稜線にトレースを延ばしたのは我々だけで厳冬に舞い戻った風景の中を進む。
オコタンペ湖からのルートは湖の解氷と稜線の雪庇がポイントだが今冬は小雪でタイミングが良かったようだ。
だが何の不安もなく歩くにはもう少し春めいてからの方が良いかも知れない。
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見慣れたいつもの漁岳と違い、どこか別な山にでも来たような気分である。
西側のなだらかな山並みの中に中山峠のアンテナが見える。
また振り返る小漁山が漸く山の体をなし少しずつ変わる風景が楽しい。
漁岳の西肩に広がるゲレンデを横目に標識の裏手からピークに到着、そこからシールを外してやや重の雪を滑走する。
一昨年の雨でズタズタになった林道は何事もなかったように復旧し、雪もたっぷりだった。
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