アイヌ名で「カムイエロシキ 神々が群立するところ」という意味、
山頂部に岩壁を擁することから付けられた名前だが同じ呼び名の雄鉾岳より古くから知られた山のようだ。
手持ちの夏山ガイドDでは道南で最後の一山になる予定だったが最新版に追加された桂岳と二股岳が未踏でなかなか完登させてもらえない。
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自宅を5時半に出発、中山峠から高速を使って八雲に向かった。
先日の台風でなぎ倒された倒木をあちらこちらで見掛けるが野田追川の道道を進むと少し落ち着きを見せる。
どうやら被害は海沿いに集中したようで林道の途中で倒木を一本処理しただけで登山口に到着、普段と変わらぬ様子にほっとする。
ところが身支度して出発すると登山道の入口が分からず、少し戻った草の中に朽ちた看板を見付ける。
ちょっと厭な予感をしつつ、右手の木の間に懐かしい砂蘭部岳と横山を眺めながら尾根をぐいぐい登ってゆく。
登山道には小枝が散乱しているが割と快適でブナの木に食用になるらしいトンビマイタケという大きなキノコが群生していた。
そして616から胸丈ほどの笹と草が道を覆う、チクチクするイラクサやツタ、ズボンにびっしり泥棒草が付いて鬱陶しい。
この山がガイド本から消えるのも時間の問題か・・笹を掻き分けながらアップダウンを繰り返すと前方に荒々しい山頂部がにゅっと現れた。
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左に深い渓谷と正面に薄っすら雲の掛かった岩峰が墨絵のような光景に見える。
あの崖尾根を登るんだ、足元に崩壊斜面を見ながら細尾根を辿る。
急な尾根にはロープが垂れていたが木が豊富で何の苦労もなくあれよあれよと山頂に到着する。
更に奥の岩峰へ踏み跡を期待したがすぐ行き止まり、ガスで何も見えないが初ピークに満足する。
腹ごしらえして下山、あわよくばこのあと二股岳でもと思ったが意外に時間が掛かってしまった。
桜野温泉熊嶺荘が廃業で久しぶりに銀婚湯に寄って次の乙部岳に向かった。
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<翌日の 九郎岳〜乙部岳 はこちら>