崕山キリギシヤマ(夕張山地)1066.2m ■Home
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2001年6月 晴れ 沢コ−ス
登り3.00 下り2.00 総時間5.00 標高差580m
登山口・土場→(0.10)林道終点→(0.35)滝→(1.35)尾根→(0.40)山頂→(2.00)登山口
崕山自然保護協議会によって1999年から5年間入山規制が続けられ植性の回復が計られている。年3回の学習登山会が協議会の抽選で行われ10倍以上の競争率の中から毎回30人が運良く登れ
る。第2回目の平均年齢は53才、遠くは横浜からの参加者もいて人気の高さが伺える。前日市内の百年記念館(道の駅隣)で崕山自然保護協議会会長
の山岡さんと市役所の戸梶さんから崕山保護の経過と現状について講義を受けた。今まで入山者による踏みつけやタンポポ等外来種のはん濫、心ない人による大規模な盗掘が相次ぎ、
キバナノアツモリソウ他固有種が絶滅寸前となっている。盗掘防止も協議会のボランティアで行われ麓にある監視小屋での寝泊りや外来種の抜根作業など実に地道で大変な活動である。
その夜は全員市内の研修所に泊まる2食付でいたれりつくせりだ。翌朝7時ころ現地へバス移動、
452号を走り桂沢湖の手前から林道に入るが市内から終点土場まで47kmも離れている。
去年まではマイカーに分乗して現地まで行ったらしいが車の腹をこすりオイル漏れで動けなくなったのもあったらしく今年からバスに切替えられた。出発前に携帯トイレを渡され持ち込んだものは全て持って帰ると徹底している。
また今年から尾根コースではなく沢コースに変更したのも入山者の靴から進入するタンポポやオオバコなど種を洗い流す為と道の踏付けが広がるのを防ぐ為であるらしい。前回は雨降りで
沢で相当難儀したらしく全身泥だらけになったらしい。終点土場から10分ほど林道を歩き沢に入る、久しぶりに嗅ぐ沢独特の青臭い匂いを懐かしみながら巻道やへつり等しながら30分ほどで滝に出会う。登山靴なので滑るが(写真)ロープを頼りに巻いて登る。(今回は長靴がベスト)更に30程登ると
細い沢水が切れ後は岩峰下までの急登続きである。ここは「泥壁」と言われ足元が滑り
ロープに助けられる。特に雨降りの前回は一番の難所だったらしく俗称「おばん転がし」の別名まである。尾根に出て左の頂上を目指す、岩峰下部の岩肌に沢山の草花が目に入りだす。キリギシソウの一株が岩の上部に咲いていると説明されるが双眼鏡でなければ分からない。シラネアオイ・ミヤマアズマキク(白・ピンク)(写真)・エーデルワイス・
サクラモドキソウ・etc、そして絶滅危惧種のホテイアツモリソウ(写真)を目にすることができた。いずれの草花も岩峰基部(写真)や山頂付近の礫地など
容易に近寄れない場所にしか見られない。ほとんどがプロによる盗掘の影響であり罰則が非常に弱いのが残念である。山頂はノコギリの左端(写真)にあり高さ数mのちょっとした岩を登る
、岩の上が狭いためゆっくりもできず順に降りるのだが足元が見えず少々怖い。恐竜の背中と言われるギザギザの特徴ある岩峰(写真)は大昔海に堆積した
貝殻と言うから不思議だ。左遠方に夕張岳そして鋭い頂きの芦別岳が良く見える。(以前芦別岳から見えた秘峰に立ち感無量である)下山中、後方からの落石で何度かヒヤリとした。
上の写真は帰路眺めの良い場所に差し掛かり気を利かせてバスが止まってくれた時のもの、 多くのサポートに助けられ貴重な山に入れたことに感謝いたします。(今年、文化庁の学術調査が行われたことからも5年間の入山規制解除後も何らかの制限が設けられる
らしい)