熊戻の沢〜カスベ岳  1049.2m (道南/狩場山塊)    ■Home
2008年7月中旬 曇り メンバー3名 
c180熊戻の沢橋5:00→c240二股6:20→c630引き返し9:40→c230尾根乗越し13:05→熊戻の沢橋13:30
利別川支流の真駒内川の奥を流れる熊戻の沢を遡ってカスベ岳を踏みイワナの沢を下る予定である。 せたな町から真駒内川渓谷に沿った林道を走ると「熊戻り渓谷」の看板があり車を止めて明日入渓する沢を覗く。 橋から川床までかなりの高さがあり下りるだけでも一苦労しそうだ。 深い谷間は新緑や紅葉見物を楽しむためのもので沢登りなど場違いのような気がしてくる。 数km先のイワナの沢も概ね似た感じだった。 赤い吊橋が目に留まるとすぐ先のキャンプ場に狩場山山小屋があり一家族が外でバーベキューを楽しんでいた。 霧雨で熊でも出そうな雰囲気だが小屋は快適で布団まであり食事がてらに酒を飲み早目に就寝した。

一夜の宿となった狩場山山小屋は快適だった     熊戻の沢橋から渓谷を覗く、川床まで結構な高さがある       暗い渓の中をドキドキしながら進む

翌朝、橋の袂から急な斜面を伝って入渓すると釣り人のものと思われるロープの残骸があった。 いきなり倒木越えから始まり日の届かぬ薄暗い渓に入って行く。 狭い沢は水が少なく谷間に沿ってくねくねと曲がり見通しが効かない。 僅か十数m先の様子が分らないから何が出るか分らぬ楽しみと不安が入り混じる。 コケの生えた巨岩やゴルジュ形を通過しさながら水の流れるコケの洞門か胎内巡りの様相となる。 空の見えぬ空間に入り厭な感じがするなと思ったら行く手を釜と滝が阻んでいる。 水に入って体を上げて貰らい滝を突破しようかと考えたが素直に高巻くことにした。 今度は沢身に戻りたいが暗くて下が見えず降りるのに苦労する。 沢登りと言うより迷路を辿ってるような気になる。 つるんとした岩壁や巨岩の乗越しがワイルドで面白い。 距離にしてまだ1kmも行ってないが出だしから時間の掛かる沢である。

初見の沢を歩くのは文句無く楽しい         巨岩越えが大変で熊が戻るのも頷ける          中盤にも適度に滑や滑滝などがある

ところが先が少し明るくなって一息付けるなと思ったら後は何も無く厭な予感が的中した。 平坦でダラダラした沢には容易な滝が2-3箇所あるのみだった。 c550を過ぎると水が一気に減りイタドリやミズブキに覆われる。 熊の糞だ、倒れてまだ間もない草や食べた跡が生々しくずっと続いて良い気持ちがしない。 c600の分岐から山頂を狙った沢形がただの藪だったのは予定外で気が抜けた。 仕方なく元の沢形をそのまま詰めたがこちらも鬱陶しさが続く。 登頂意欲が湧かないのは私だけではなかったようでメンバーの一人から「時間どうだい?止めて戻らないか」の一言に従った。 下流の迷路を避けようとc240から小尾根を乗越して適当に下ると橋から500mほど上の林道に出た。 あっけなく車に戻ると雨がぽつぽつ降ってきていいタイミングだったがやはり途中退去と言うのは引っ掛かるものがある。 完遂もせずに沢の感想などおこがましいが正直に言って面白いのは出始めだけだった。 橋から入渓しc240で小尾根を越え林道に下れば十分楽しめ2時間も掛からず遊べる沢でお手軽だ。



      カスベ岳 1049.2m(道南/狩場山塊)   地図はこちら(約150kb)   ■Home
2002年4月中旬 曇り時々雨 目名川林道ルート 登り4.10 下り1.50 総時間6.00 標高差813m(累積) 総延長11.0km
林道ゲート→(2.55)釣尾根→(1.15)カスベ岳→(1.50)林道ゲート

雪解けが進むカスベ沢             静かなブナの疎林が続く            尾根の途中からカスベ岳が見えた

今金町を過ぎ北桧山高校向いを山側に右折しラジオアンテナ施設を通って利別目名川沿いの舗装道を進んだ。 いきなりガッチリした大型ゲートが現れたが鍵が掛かってないので通過し暫く走ると砂利道となる。 廃墟となった清水工場を過ぎ少し行くと新たに設けられた組合管理のゲートである。 ここの鍵は事前に北桧山森林管理組合で借りる。 組合の方によると尾根取り付き地点まで除雪されてるとのことだったがゲートから数百m入ると雪塊があり車が埋まりそうだ。 しかたなく少し戻ってゲート手前の広場にテン泊することにした。
お天気が下り坂で夜中に少し雨が降ったが朝には上がっていた。 スキーを履き林道脇の残雪の上を尾根取り付き点まで2km程歩く間に真新しい熊の足跡を見付けた。 尾根取付きからカスベ沢沿いに百m程入った処でスキーをデポしツボで急登の尾根へ上がった。 登ってみれば稜線までスキーが使えたので担げば良かったと思ったが後の祭りである。 但し滑降はせいぜい尾根の中腹までで下の方は木が混んで芳しくない。 左右にカスベとメップを眺めながらブナの疎林が続きブナの廊下を歩いてる様な雰囲気である。 途中で先ほどよりはるかに大きな熊の足跡を見つけ思わず笛を吹き鳴らした。 組合の人によると今年は春熊駆除で既に3頭も仕留めたそうだからこの界隈は相当熊が多いのだろう。 稜線が近づくにつれ斜度が増しトラバース気味に釣尾根へ向かう。 残念ながらツボでは勿体無いような樹木の少ない快適そうなゲレンデだった。
カスベ岳への細尾根は雪庇が張り出し所々に亀裂が入っている。 だんだんガスが酷くなってデポ旗を挿しながら腐れ雪を登ったが視界が無いので距離感が全くつかめない。 ポコを踏んでは山頂かと思いきや目を凝らせばまだ先に陵線が続いてたりする。 いよいよ最後の急斜面を踏ん張って広い山頂へ至ったが小雨が降ってきて登頂の喜びも沸かずすぐ下山する。 こんだけガスってたらスキーでの下山は危なかったかも知れない。 視界が全く無くなって登ったルートから外れぬようにデポ旗とツボ跡を追うのが精一杯だった。 あるのでガスの中でも安心だ、雪はいいだけ腐って時々股下まで踏抜くが帰りなのでまだ楽である。
林道に出て車が近づくと雨が本降りになっていた。こんどは好天を目掛けメップへ登ってみたい。

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