狩勝峠〜日勝峠(縦走・前編) スキー (南富良野町・新得町) 地図はこちら ■Home |
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狩勝峠〜日勝峠は山中一泊で一気に縦走したかったが二日目が雨の予報に変わった為、 もどかしさを覚えながら二分割することにした。 オダッシュ山の下山口に車をデポし、早朝誰もいない峠の展望台より出発した。 ここは石狩国と十勝国を結ぶ交通の要所だが 日勝峠の樹海ロードに次いで高速道路が開通したせいで交通量ががた減りし、 利用者のいない立派なトイレが寂しそうだった。 峠の標高は644mで縦走するなら日勝峠から北に向った方が有利である。 だが折角の天気、日高の白い峰々に向って歩くほうが絶対に張り合いが出そうな気がした。 |
展望台から所々にブッシュの出る尾根を登って行くと、 朝焼けした十勝平野の広大な景観に思わずうっとりする。 そして風の無い穏やかな稜線がこれからの楽しい縦走を予感させた。 眼下には峠にうねる国道が見る見る小さくなり、 背後(写真左)の佐幌岳から稚空知山に続く未踏の山並みが気になってくる。 向う従走路(写真右)は雪が豊富でスキーにして正解だった。 硬く締まった雪にシールが効いてすこぶる快調である。 ただ新得町側に大きな雪庇が連続し、亀裂や空洞が陵線位置よりかなり内側にあったりするので気が抜けず、 潅木際や木立の中を歩くように心掛けた。 |
オダッシュ山まで緩やかな山ばかりかと思ったら 小粒ながら狩勝山に似た形の良いピークが続く、 しかも進路が右に90度変わるかと思えば左に90度変わるなどなかなか忙しい稜線である。 遠くからは急に見えるピークも近づくと何てことはないが、 トラバースしたら違う支稜に向ってたので地図から目が離せない。 それにしても4月なのに雪が多く綺麗で徳をした気分である。 白い雪面に動物の足跡を見るくらいで至って静かな春山を堪能する。 ただ里が近いせいか不意に目に留まる人工物が若干のしらけを感じさせるのは否めない。 一つ目の送電線を過ぎると緩やかなコルになり、この下をJR根室本線が通っている筈である。 新得側の平原に線路が弧を描くように延びていた。 1038へ延びる釣り尾根には大きな雪庇が連続する。 そしてピークの裾を大きく巻いて1071とのコルに出るとうっすら霞むオダッシュ山(写真右)が望まれた。 |
1017と反射板のある1022はセットで臥牛山(ガギュウザン)、 また1022を麓の牧場から串内山と呼ぶようだが出所の程は定かでない。 臥牛山の真下を道東自動車道の狩勝第2トンネルが貫通し、 高速を走ると一瞬この山が目に入るのだが今度、改めて見るのが楽しみである。 反射板のあるピークからはコルを挟んでいよいよオダッシュ山が近く、 コルの右半分に広がる串内牧場の雪が斑模様で融雪剤でも撒いたのかと思ったら一面に枯れ草が出てるようだった。 そして反射板より200m程スキーで下ると笹が出始め、二つ目の送電線と交差した。 |
広大な牧場は風の通り道で雪が飛ばされたようである。 まさか日高山脈を縦走して牧場の中を歩くとは思わなかったがブッシュがこの程度で済んで幸いだった。 倒れた電柵に沿って登ってゆくと、再び雪が出てきたが引っ掛けシールが雪団子になってまいる。 kaさんよりシールワックスを借りると改善されたが、 「今日は不思議と全然疲れないわ」と言いながらどんどん先を行くkaさんに付いて行くのが精一杯だった。 コルからオダッシュ山まで緩やかな400mの登りが続く、 これを登ればいよいよ最後かと思うと辛さも和らぐ気がした。 |
そして漸く山頂に到着、8年ぶりしかも反対側から登ったせいか初めての山の様で新鮮である。 辿った山々がガスで見えないのは残念だが予定よりだいぶ早く着いて気が楽だった。 さて山頂でシールを外したは良いが前衛峰が目に入ってガックリ、 登り返し?と思ったら板に雪がくっ付いてるお陰で難なく通過する。 頂稜部の先にある大岩から木の煩そうな夏尾根を眺め、やっぱ沢を下ることにした。 疎林を抜けオープン斜面に出ると、何と全層雪崩で広く笹が出ている。 恐る恐るその上部をトラバースして木のある広い斜面を滑降した。 上にいるkaさんの足元から小さな雪玉が転がるや、 みるみる直径1m程のバームクーヘンになって襲ってくる。 そんなこんなで斜度が緩むまでスリルを味わいながらデポ車に到着した。 ちょうど雨が降ってきて何とタイミングの良いこと!天気に感謝する。 後の半分はいつになるか〜中途半端なうんちみたいで早くスッキリしたい気分だが、 もうオダッシュ山の斜面は滑れそうもなく、あれこれ考えながら車の回収に向った。 <狩勝峠〜日勝峠 (縦走・後編) はこちら> |