2010年10月初旬 晴れ後曇り メンバー6名
6:00登山口駐車場→9:10・c1400大滝→12:20・c1630源頭→(13:00-13:20)美瑛富士→13:55非難小屋→16:00登山口駐車場
涸沢川は美瑛富士と美瑛岳のコルに至る延長4kmあまりの沢である。
二回ほど予定を組んだが一度目は雨で流れ、二度目は林道を行き過ぎ隣のアバレ川に入る失態だった。
そのアバレ川は滑と小滝が続き拾い物でもしたような楽しい沢だったがやはりこの涸沢川が気になってしょうがない。
地図にはしっかり水線が載っているので水は流れていると思うがもしかしたら本物の涸れ沢かも知れない。
どのみち涸れた沢なら晩秋でも良かろうと体育の日の3連休に三度目の正直を狙うことにした。
忍の一字だった沢がこの連滝より面白くなった 気持ちいい滑も現れ、明るく開けた沢である 門の様に立ち塞がる滝が多いのが特徴だ
前夜望岳台にテントを張り美瑛富士駐車場より林道を出発する。
今度は見逃さないぞと気合を入れるまでもなく100mも歩かず水の無い涸沢川と出合う。
相変わらず薄暗い渓で左岸の作業道より砂防を3つ越えると沢音が聞こえる?
藪を分けると意外にもしっかりと水量のある涸沢川に入渓でき一安心する。
水がやけに冷たく、涸れた沢だから濡れずに済むよと連れてこられたM子がブツブツ言っている。
黒い岩がよく滑り小滝がたまにあるだけで面白みのない遡行が小1時間ほど続いた。
何だこんな調子かと半ば諦めていたら990mで苔生した6mの滝が現れ上は4m+6mの連滝になっていた。
すぐ後に8mの滝が続いて気を良くすると更に6mの斜滝と滑滝が続いて渓相が変わる。
高さ10m以上の見応えある大きな滝が繰り返し現れようになる。
どれも両岸高く門の様な形をしておりハングって直登は困難である。
脇の潅木を攀じったり高巻いて上がると苔の綺麗な滑が続いてスケールの大きさを感じさせた。
地図には滝マークが一つしかなかったこの沢には既にこの手の滝が片手で足りない程で、
また迷うような二股がないのも特徴的で眩しい朝陽に向って前進あるのみだった。
滝上は苔の綺麗な滑が延々と続いてたりする こんな滝が幾つも現れスケールの大きさを感ずる やがて美瑛富士が視界に現れる、朝陽が眩しい
そしてc1400で最大の核心である大滝が現れた。
切り立った岩壁の上から申し訳程度に水が落ち、両岸は要塞の様に高い壁が続いている。
この滝を越えるにはずっと後方より大高巻きを覚悟するか或いは弱点を見出して突破するしか術がない。
右岸のぼろい側壁を登って滝口に向うバンドを伝うことにした。
側壁の途中からビレイを取り緊張するバンドを進むと残置ハーケンとシュリンゲが目に留まった。
誰かが同じルートを辿ったのだなと一抹の安堵感を覚えながら上のテラスに登った。
全員を一旦このテラスに上げ次に潅木からスラブ状の滝口に出るまで何と2時間も掛かっていた。
滝上から見下ろす風景は格別で核心部を終えた満足感で一杯になる。
ここから本当のガレた涸沢となるが滝はまだまだ続いた。
岩の積み重なった涸滝は一抱えもある岩板が引き出しの様にスッポリ抜けたりするので冷やっとさせられる。
漸く源頭の雰囲気となりc1620より山頂へ直登する沢形を選ぶとふかふかの草とくるぶし程のハイマツが頂まで続いた。
寒いのですぐ下山を始める。
沢型を下って登山路に抜ける予定だったがガスって先が見えずハイマツを漕がされた。
今朝出発した駐車場まで10時間行動、終わってみると充実した楽しい沢だった。
その晩は雨の予報で白銀荘に居場所を変える。
明日はのんびりユーフレ小屋に向うだけ、秋の芦別岳本谷が楽しみである。
<隣のアバレ川より美瑛岳はこちら>
<積雪期の美瑛富士はこちら>
行く手を阻むように現れたc1400の大滝 何せ高さがあり緊張する場面だった 苦労して登った滝で思わずガッツポーズ
最上段の滝上から見下ろす風景は格別だった 面白い沢に満足し美瑛富士山頂を後にする