白水川〜上川岳  1884m (上川町)  ■Home
2014年8月29日 晴れ 3名
5:25白水橋→6:302号砂防→7:40・1125m出合→(11:30-11:50)上川岳→14:40・1270m本流出合い→16:252号砂防→17:15白水橋

2千m級の山々が台地状に広がる大雪山の中では目立たぬ山だが、 白水川を遡行すると頭上に岩峰を伴ったピークが望まれ登頂意欲がそそられる。 山の名前は麓の上川町から付けられアイヌ語で(ペニ・ウン・グル・コタン 上流に・住む・人の・村)、 石狩川の旭川より上流にある村と解釈されている。

          


前夜層雲峡でC0、4時起床し腹ごしらえして出発する。 石狩川に架かる白水橋は中央のゲートが撤去されチェーンに南京錠がぶら下っていた。 良い道なのに・・・ぶつぶつ言いながら1時間ほど歩いて2号堰堤に到着する。 渡渉を繰り返して左岸ブッシュの踏み跡を辿ると、 谷間に目指すピークと久しぶりの青空に気分が高揚してくる。 温泉の巨大な水蒸気を見ながら断続的に続く踏み跡を辿って1130mの北東面沢に出合う。
         
                    

  
          
小じんまりした東面沢に入って程なく1200mで断崖の奥に大きな滝が見え隠れしてくる。 近づくと門の様に突き出た両岸に大岩が挟まって窓の奥から水が15mの垂滝になって落ちていた。 ちょっと今まで見たことのない奇妙な形である。 さてこの滝を左岸から高巻くと岩を交わしながらの木登りになって結構な高さに追いやらる。 そこから潅木を伝って滝口の数m上に出たが、 落ち口からは下の様子が伺い知れず下降を考えるとちょっと厄介そうな場所だった。

                    

  
          
大滝から上は滝の連続でやや滑りながらも快適に登っていける。 1300mの二股は両方から滝が出合い、左に入って二つ滝を越えると水が一気に減ってちょろちょろになる。 1500mで水が涸れ、ガレの沢筋を詰めるとやがて背後に展望が開けてくるが、 上には岩壁が迫って何となく落ち着かない。 さて予定したルートと地形が少し噛み合わない気もするがこのまま詰めて行くしかない。

                    

  
          
沢筋にはヨツバシオガマ、チシマクモマグサ(写真)が満開、ウメバチソウ、ウサギギク、ミヤマアカバナが目を楽しませてくれた。 チシマクモマグサは若々しい花と実の赤くなり始めた花が異なる姿で並んで面白い。 そして次第に草原のような源頭に吸い込まれ、良い調子だと喜んだが1700mで遂にハイマツに捕まった。 ハイマツはそれほど太くはないが傾斜がきついだけに手こずる。 稜線まで一面ハイマツにぞっとするがそれでも岩壁にぶち当るよりはましである。

          


僅か百数十mのハイマツ漕ぎに1時間あまり絞られ、 へとへとになってふと左に割りと明瞭な沢形が延びていたのはショックだった。 隣の黒岳や桂月岳と肩を並べる高さに達すると、 背後には層雲峡の切り立つ峡谷とニセイカウシュッペ山、武華岳、武利岳など石狩川を挟んで北に対峙する山々の眺望がすばらしい。
         
                    

  
          
稜線が近づくに従い背の低いハイマツに変わり、岩稜は思ったより歩き易い。 それまで抜けるような青空だったがリクマンベツ川の源頭から湧き上がる雲に愛別岳や北鎮岳方面の眺望が遮られ残念である。 槍の様に尖った1973ピークに向かって程なく標識も三角点もない上川岳のピークを踏んだ。

                    

  
          
やったー、遂に上川岳を落としたぞー!実に良い眺望が広がりハイマツの苦労が報われた気分だ。 紅葉の始まりかけた黒岳の隣に烏帽子岳の小さな尖がりが見えて嬉しい。 北大雪の山々の他に、阿寒の山を眺め暫しまったりする。 さてあの大滝を下るのは厭だな、 いっそこのまま凌雲岳を経由してロープウエイで下りようか? 地図を見ると山頂の少し先から沢筋が延び、 岩の先端まで行って覗いてみるとなかなか良い感じなので下ってみることにした。

                    

  
          
低灌木と草に覆われた源頭は先程以上の花畑で熊の掘り起しを階段代わりに下る。 ガレた沢筋は1500mで水が流れ、この沢を登りに使った方が楽だったなと思ってると小滝が出始める。 そして何やら大きな滝の予感がするや1400mに20mの滝が立ちはだかっていた。 30mのザイルをダブルで垂らしてみたが下に届いたか不明で左岸を巻いて降りる。 更に数mの滝が幾つか続いたあと1300mで25mの大滝が出現し左岸を巻く。 そんなこんなで結構な時間となり、ほぼ12時間行動で車に戻る。 上川岳は予想通りに楽ではなかったが素晴らしい展望と達成感の得られる山だった。





          










































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