上ホロカメットク山・悲しい事故  1920m   ■Home
2013年11月24日 曇りのち晴れ

上ホロカメットク山はアイヌ語で「後戻りする・深山」の意味、 安政火口から見上げる景観は三方が断崖となって迫りまさに言い得て妙だ。 また「後戻りする・寒い・峰の上」の意味もあり、冬はたびたび岳人に牙を剥く過酷な山として知られている。
                    

  
         
7時過ぎ十勝岳温泉に着くとTV局の車輌とヘリが飛んで何かあったなと察した。 たまたま居合わせたKさんから「Y子さん駄目みたいだ」と知らされ愕然とする。 彼女とは数多くの山を共にした仲だが上ホロに来てるとは知らず、 何が何だか分からぬまま登山を中止して現場に向った。 途中で知り合いのグループから「昨日は天気が悪く特に昼頃から風が強くなって、 稜線に出たパーティーも殆ど降りてきた」と聞かされた。 今朝も化け物岩だけが薄ぼんやり見えてるが上ホロの中腹から上は雲が次々に押し寄せ、 ヘリが近づけないでいる。 旧墳を過ぎるころ漸く雲が取れ、すかさずヘリがピックアップを始めた。 頭上を飛び去るヘリにどうか生きていてほしいと祈るしかない。 一時平穏に戻り、自分だけ残って他のメンバーは北西稜に登りに出かけた。 下から現場の様子を窺っているとヘリが戻ってきて残りの4名を次々ピックアップして行った。 悪天を無理して取り返しのつかない事態になったのだろうか? 今はこんな穏やかな青空が広がっているというのに無念でしょうがない。

          



 D尾根〜上ホロカメットク山・献花登山  1920m  ■Home
2013年12月22日 晴れ時々曇り メンバー7名
6:25勝岳温泉→8:30化物岩→9:55上富良野岳→(10:10-10:25)上ホロカメットク山→12:35十勝岳温泉

                    

  
         
白銀荘を未明に抜け出て陵雲閣駐車場からスキーとスノーシューで出発する。 星空で一安心、徐々に明くなると上ホロがシルエットになって展望を期待させた。 ところがD尾根に取り付くとすっかりガスってしまう。 そう易々と晴れてはくれない、半ば諦め気分で登行を重ねた。           
                    

  
         
ところが化け物岩を過ぎる頃、ふと横にモノゲンロートの富良野岳が雲上に浮かんでいた。 雲が消えると神々しいばかりに輝いて海外の高山を想像させ、 更に青空の下に十勝岳も姿を現し、目を見張る光景が広がっている。           
                    

  
         
そして遭難現場を正面に望む場所で献花し手を合わせた。 「朝に紅顔ありて夕べに白骨となれり」自然の中に放り出された人間がどんなに無力だったことか、 大好きな山で死んだ友よ、天国で安らかに眠れ!合掌



          

         
ちょうど十勝岳の下に見えるコルから左へスロープの様な斜面の途中でテントが止り、そこが最後の地となった。 険しい雪壁と美しい雪山に「天気が良ければこんなきれいなのに・・」というメンバーの言葉に一同が頷く。 悪天時には冬山に近づかないのが一番だが、リスクを犯して行くほどの言い知れぬ魅力があるから山は始末が悪い。


          

         
急な尾根を登って上富良野岳に出るとあとは上ホロ山頂まで立木一本無い広大な斜面となる。 陵線の左右どちらから風が吹いても遮るものが無く、 吹雪で非難小屋が見つからない場合はそく危機的状況に陥る場所である。


          
         
                         
今日の天気は最上等の部類だがそれでも山頂の気温は-15度、風速が10m程あり、 じっとしているだけで寒くなってくる。 事故の晩は強風で寒さはこんなものじゃなかったと思われ、 風の通り抜ける斜面に一晩晒されながら居たと思うと胸が詰まった。           



         
再び花を手向けた場所でお別れした。 昨日の三段山も穏やかだったが今日もY子さんが青空にしてくれたのだろうか。 素晴らしい眺望を見ながら尾根を下降した。


          

         
冬山は慎重になった方が良いのだ。 「大勢の人に迷惑を掛け、悲しませることになるから山で死んではいけない」 彼女が最後に残した言葉のような気がする。

          










































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