釜の仙狭  カマノセンキョウ (北斗市)  ■Home
2014年8月17日 曇り時々雨 単独
10:25林道154m→10:40入渓→11:40出渓→12:00林道154m

今から120年程前に創業を始めた上磯のセメント工場は北西部山域に広大な土地を有し、 そこに埋蔵する石灰の量は道内最大、今後100年は持つといわれている。 そして中を流れる川が「釜の仙境」と呼ばれるゴルジュを形成し、ちょっと気になるので墓参りで帰省した折に寄ってみることにした。 この日は一山目に木古内町の桂岳も予定したが林道に入ってすぐゲートで、 距離は知れているが雨でぬかるんだ道を歩く気にならずパスして上磯に向う。
                    

  
          
上磯ダムから林道を走ると可愛い熊の看板が「釜の仙境まであと○km」と案内し、 残り数百mという所で工事のため車を止める。 ちょうど雨が降ってきて如何するか思案しているとすぐに止んでくれた。 数百m先に「入り口」と書かれた案内板とそこから散策路が延びていたのでこれを下る。 沢まで100mほどの急斜面だが路が怪しくなってきたので適当な所からずりずり下って入渓した。

                    

  
          
林道の案内板に書いていた「散策路コース」とは名ばかりで沢に下りるのさえ険しく、実際とは大違いである。 尤もこんな熊の巣みたいな所に間違って来る人もいないだろうが、数十m先には早くも両岸切り立つゴルジュが見えていた。 今日は生憎の天気だが新緑や紅葉の時期ならさぞ美しい渓谷だろう。 沢は増水して濁っているがそこは気合を入れて出発、いざ行かんゴルジュへ!

                    

  
          
薄暗いゴルジュの中は冷気で霧が立ち込めゾクゾクする雰囲気である。 初っ端の水路はへその上だったが次のは底が見えず深そうだ、泳ぎを覚悟してじわじわ進むと胸の上で済みほっとする。 両岸は硯の様に黒く磨かれ、あちこちの岩の隙間から水が吹き出している。 恐らく気の遠くなる年月を掛けて中が浸食され空洞になってるのだと思う。

                    

  
          
傾斜の緩い地形が幸いし水量は多いものの流れがゆったりして見た目ほどの悪さはない。 ただ場所によっては水の勢いが強く徒渉箇所を探すのに苦労する。 もしこの中に登れぬ滝などが出てきたらギョッとするだろうが今のところ窮することもなく順調、 と言っても遡行を楽しむ余裕はない。

                    

  
          
と思ってたら水がぐるぐる渦巻く深い釜に短い流木が引っ掛かっていた。 木の先まで行ってざぶんと行くか、左岸に渡るかだがこちらは水の流れが強くて躊躇する。 結局少し戻って対岸にジャンプし黒光りする側壁をへつることにした。 ツルツルに磨かれた岩は如何にも滑りそうだがフェルトがぴたっと吸い付いてとても快適である。

                    

  
          
ゴルジュを抜け静寂に戻ったのも束の間、突然ドーンと響き渡る大きな音にビックリする。 止まっていたRV車は熊撃ちだったかも知れないと思うと急に不安になり雄叫びを上げた。 対岸の草木に隠れる案内板を見付けて出渓すると草むらにテントが二つ張ってある。 釣り人だろうか、靴が置かれ、中に人が居たと思われるがガサゴソする音に息を潜めていたのかも知れない。 兎に角これで無事に戻れると思うと少しほっとする。 石灰岩がこんなに艶やかで黒々した物とは思わなかっが、 それにしても先人はよくこんな山奥で鉱脈を探したものだと感心する。

                    

  
          
無料の上磯ダムキャンプ場は雰囲気が良く、駐車場で靴を履き替えてると人懐っこそうな管理人がやってくる。 釜の仙狭の中を歩いてきたと言ったら驚いていたが、 この奥一帯はセメント工場のもので原料が100年以上確保されていることや この沢の上流に鍾乳洞があること等を教えて貰う。 また先程の音を尋ねると定刻で仕掛ける鉱山の発破だった。 ダムは茶色の濁った水を溢れんばかりに湛え、放水しているのも珍しいそうだ。 界隈は桜の木が緑道に並び、時期になったら見事なピンク色に染まりそうだった。




          










































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