札的沢本流〜樺戸山〜一ノ沢  890m (浦臼町・月形町)  ■Home
2014年7月15日 晴れ時々曇り メンバー2名
6:30林道165m→7:45大滝380m→(10:40-11:05)樺戸山→11:55一ノ沢下降→14:25林道

樺戸山を源頭に持つ札的内川はアイヌ語で(サッテク・ナイ 痩せる・川)の意、盛夏には水が枯れてしまいそうな小さな川である。 10年前の晩秋、一ノ沢から本流を、三ノ沢から六ノ沢を遡行したがお世辞にも綺麗とは言い難い渓だった。 ただその時の記録に「札的本流は大滝や小滝が続いて面白そう、下りで使ったのは勿体無い、登るべきだった」とあり気になっていた。
                    

  
          
札的駅から林道を数キロ入って車を止め、そこから荒れた作業道を進む。 もはや踏み跡に近い小道は概ね沢の右岸に延び、薄暗い感じの径を辿ると幸先よくタモギタケを袋一つずつゲットする。 入渓して初っ端の砂防を超えてすぐ、三股を過ぎると雪渓の残骸が転がっていた。 「山谷」には7月中旬まで氷のトンネルを潜ると書かれていたので少しホッとする。 小滝が2つ、3つ出てきた所で漸くまともな渓相となり、核心の大滝が奥に見えてきた。

         
            前段に2m程の小滝があり水飛沫を浴びて越えると遂に本日のメインディッシュ、 10m程の大滝が全容を現す。 右岸は立って、高巻くとしたら古びたロープの垂れる左岸である。 ここは岩がヌルヌルでちょっと厭らしかったがザイルを出して水流の左を直登した。 下界は30℃を超える暑い日だったのが幸い、シャワーを浴びながら登り切ってシャキッとする。 落ち口と少し上に支点が残置され、以前ここから懸垂したことも忘れている。 この大滝を越えるともう半分終わったも同然、あとは消化戦となる。

                    

  
          
小さなゴルジュを超え、三ノ沢を過ぎると狭く暗い沢筋に4-5mの小滝が続いて面白くなる。 小滝は登れないのが1ケ所あって高巻く途中に古いシュリンゲがぶら下がっていた。 続いて5mのチムニーを両手両足の突っ張りで登る。 やがて段差の様な小滝が出るだけの薄汚れた感じになるが、 雪解け間もない泥壁に手頃なウドを見付けて同行はご機嫌である。 750mの手前で地図にない二股がちょっと紛らわしい、 続く最後の二股を左を行くとすぐ水が涸れた。

                    

  
          
源頭からもうちょっとで稜線だがなかなか到しない。 詰めは急なザレと草付きで登り難く、笹のある方へ逃げたらもろ山頂だった。 ほてった体に風が心地よく虫がいなくてあずましい。 隈根尻山のどっしりした端にピンネシリと待根山が見える。 さて笹が被ってやや不明瞭な登山路を辿り、浦臼町の田園風景に向かって一ノ沢を下る。 草と笹を掴みながら沢筋に水が流れだすと出てくるのは小滝ばかり、 ザイルは一度出しただけで下降には丁度良い沢だ。 おそらく「山谷」の評価は一ノ沢と本流を間違えたのだろう、ここは!で本流は!*が妥当だった。 中盤過ぎにデブリと倒木が目に付き、その傍らで柔らかな蕗を採る。 やがて傾斜が緩むと砂防がしつこく続いて本流の出合いまで長く感じた。 札的沢本流は短いながら連続する滝など楽しい要素が多く、 また汚いと言っても水は澄み、ダニ一匹、熊の糞一つ見掛けないまずまずな沢だった。




          










































inserted by FC2 system