定山渓天狗岳(東尾根コース) 1144.9m (道央)  ■Home
2006年4月上旬 曇り時々雪  総時間9:55(休憩含)
天狗沢登山口7:55→憩いの花園10:10→壁10:35→イーストコル13:05→定天(13:30-14:20)→熊の沢登山口16:45

車中から望む天狗岳、右端がローソク岩         ローソク岩の基部に近づく、でかい!        雪渓を潜っていよいよ登攀が始まる

週末はH氏のお誘いで定天の東尾根に話が決まり思いがけぬコースに少なからず血が騒ぐ。 山頂から見える岩峰や岩壁が相手では自分一人では無理と諦めていただけに何とも嬉しい。 定天に向かう途中で黒々と突き出たいつもの岩峰が望まれた。 ルンゼにタスキのように掛る雪渓が4月に誘いを受けた「ニセワラジルンゼ」だと聞かされ少々ビックリする。 まさにファイトイッパツの領域だが東尾根ならあれ程じゃ無いだろうと高を括っていた。 熊の沢登山口を過ぎ天狗沢まで来て入山口を捜すが何処もブッシュに覆われている。 最近は夏場に登る人がいないようで廃道同然と聞いていたが想像以上の荒れ様だ。 とりあえず左岸から入ってすぐ右岸に渡り暫く沢沿いに進むとブッシュに覆われた踏み跡を見つける。 急登のジグを切って尾根に上がると藪の状況が幾分好転するが踏み跡かどうかの判別さえ難しい。 標高650m付近で尾根が一部崩壊し日の当たるガレ場がちょうど出始めのウド畑になっていた。 東からの尾根が合流すると藪の間から切り立った特異な岩峰が望まれた。 はじめ山頂かと思ったが見える岩峰は東稜よりずっと下にあるローソク岩だった。 ようやくブッシュを抜け見晴らしの良い岩場を伝って「憩いの花園」で休憩を入れる。 狭い岩場にへばりつく様に数種の花が咲き心休まる一時である。 それにしても末端に小さく見えたローソク岩がこんなに大きく聳え立っているとは!・・この山の奥深さを少し知ったような気がする。 基部はザレの急斜面で下は天狗沢へと落ちている。 慎重にトラバースしながら右へ回るといよいよ取付きのルンゼで雪渓が残っていた。 既に結構な高さがあり足場は決して良いとは言えない。 山頂まで200m位か? 何ピッチかかるか検討も付かぬが覚悟を決めハーネスを付ける。
     
ウエストコルでビレーしながら足下写す       最後の壁、これを登ればゴールは近い         山頂から覗き見る馬の背(東稜)

1P目、立木にビレーをとりアンザイレンでH氏が雪渓を擦り抜けて取り付くがスラブ状の泥壁に苦労する。 すぐ上もグラグラする草付きに足を乗せ騙し騙し次の足がかりを求めて登って行く。 「随分酷くなった。前はもっと木があったのに」としきりにぼやく、なるほど土が流れて泥壁と言うより殆ど岩壁状態である。 2P目の出だし4mのスラブも足場が無く残置ハーケンに手を伸ばして身を引き上げる。 頼りになりそうな立木は根が浅いものばかりで押えつけるように攀じ登っていく。 短く3P目を切ってローソク岩とのコルに立つ。 「お〜高けぇ〜!」自己ビレー取りながら思わず溜息がでる。 4P目で馬の背(東稜)に上るが何と狭い岩峰だろう、ここを積雪期に登る人の気が知れぬが・・やってみたい気もする。 痩せ尾根の終端まで行くと何処から声がして見上げると山頂から登山者が手を振っていた。 あともう一息だが最後に岩壁を登らねばならず此処から見る限り絶壁に近い。 少し戻って右から回りこむようにウエストコルに降りるが平地では何でも無い3-4bの降りが此処では高度感が伴ってヒヤヒヤする。 5P目、岩壁のクラックを攀じり残置ハーケンと立木にランニングをとる。 ここは見た目ほどの難しさはなく山頂直下の潅木帯まで登るとあとは手掛かり充分でいつもの山頂へ飛び出した。 壁の登攀だけで約3時間を要したが安堵感と達成感で一杯である。 下りは一部に雪の残る熊ノ沢コースをネギを頂戴しながら戻った。























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