岩子岳 イワコダケ 801.6m 八雲町  ■Home
        2008年5月中旬 登り4:40 下り4:10 メンバー4名
        砂防ダム7:15→藪突入9:35→山頂(11:55-12:30)→砂防ダム16:40(休憩含)

道南のマッターホルンこと岩子岳、標高は低いものの矢じりの様な山容が興味をそそる。 登るなら雪の付いてる時がベストと思うがまだ藪の勢力の弱い春ならば楽に行けるかも知れない。

新緑の向こうに岩子岳が尖った頭を出していた      朝方はじっと浸かっていられぬ冷たさだった      枝沢が入り組んでやや複雑な地形だった

深夜1時過ぎotaさんと共におぼこ荘手前のキャンプ場に着き車中泊する。 翌朝、隣のK玉さんのエンジンのかかる音に起きて湯を沸かし身支度を始めた。 久々に身震いするほどの寒さで霜が降り地面が白くなっていた。 地下足袋を履くと爪先が冷たく沢なんぞに入りたいような気分じゃない。 雲一つない青空に新緑が映え岩子岳の尖った頭が道の向こうに見えていた。 江差よりN田さんが到着し全員揃ったところで清流橋を渡った国道沿いに車を移動し砂防ダムから入渓する。 春にも関わらず水量は少なくせいぜい足首程の深さだがものの一分も我慢できない冷たさだった。 K玉さんを先頭に早いペースでc280の二股を右に入ると沢はくねくねと曲がり枝沢が複雑に入り組む。 小滝がちょこちょこ出て雪渓や高巻きがあるなど思いがけずちょっとした沢登り気分になってきた。 春の花であるシラネアオイとオオサクラソウが盛りと咲いている。 ・553とのコルに出る予定が少し早く尾根に取付いてしまいその分だけ早目に薮漕ぎ開始である。 背丈を越える寝曲がりを掻き分けると型のいい竹の子が出始めている。 コルを過ぎれば藪も収まるだろうとの期待は裏切られ傾斜が増して沢靴のメンバーは滑って大変そうだ。 山頂の南斜面は潅木も疎らな超急斜面でおよそ直登などできそうもない。

     
岩子岳の南斜面には潅木が殆ど生えてない        尾根筋は見事に山頂まで藪が続いた        殺風景な山中に彩を添えるサクラソウ

藪越しに雄鉾岳を始め三角山、元小屋沢山の眺めが良く結局2時間以上も藪を漕いで山頂に到着した。 山桜が珍しい侵入者を歓迎し狭い山頂をピッケルで突っつき埋もれた三角点を見つける。 潅木が折角の眺望を遮るが近くの遊楽部山塊にはまだ白いものが目立ち北には狩場山が見えている。 標高の低さから割りと簡単に登れるだろうと高を括ったがこんな酷い藪だとは思わなかった。 往路を辿ると似たような高さのペンケ岳が目に付くが同じくらい藪が濃そうだ。 下りの藪漕ぎもなかなか大変でつい一本早く沢を降りてしまうと倒木が煩わしく蔦が引っ掛かってしょうがない。 次第に両岸が高く何かありそうな雰囲気がすると降りれぬ枯滝が現れザイルを出して巻いた。 下ると二股で右股には結構な高さの滝が塞ぎ「おーすげー」などメンバーそれぞれに声が上がる。 ところが少し先の砂地に何と足跡があるではないか!漸く往路に戻ったことに気がついた。 右岸から小さく巻いて登ったことなどすっかり忘れ狐にでもつままれた気分である。 ウドと蕗を少々頂き予定より4時間オーバーで車に到着。 途中の八雲温泉は銭湯料金で体に心地よく湯上りの牛乳が旨かった。


後日、目にした新聞のコラム。 大阪の若者が命を落とした山だったとは・・半世紀も前の事とはいえ同じ山を登った者として感慨深い思いがする。



inserted by FC2 system