山辞典によると稲穂嶺(エナオ岳)はアイヌが祭事に使ったイナウ(木幣)と関係があるようだ。
またルベシベ鉱山で栄えたのが銀山と呼ばれた集落で共に縁起の良い名前である。
どちらもスキーで登っているが一度天気の良い日に稜線をのんびり歩いてみたいと思っていた。
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稲穂嶺から登って少しでも長く滑れる銀山を下る予定とする。
札幌から高速を使う程の距離でもないが朝里ICで降りて毛無峠経由で向かうと1時間半で里山のような山並みが見えてきた。
孝徳寺の一本手前の農道を進んだ除雪端に1台デポして銀山駅から出発する。
スキーを手に駅のホームを歩いて取り付き尾根に向かおうとするとホームから直接スキーのトレースが・253の尾根に向かっていたので辿ってみる。
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なんとまあ、こんな所に地図にない林道が延びていたとは・・・これを進むと林道の上に開けた源頭斜面があってシュプールが付いていた。
どうやらトレースはこの斜面が目的だったようで手前の尾根に取り付き急斜面にジグを切って登っていく。
やがて送電線を過ぎると緩やかになって何となく見覚えのある稲穂嶺の山頂に到着する。
スカッパレの予報だったが薄雲が広がって晴れる気配もなく、木が飛び出して前に来た時より黒っぽく感じられる。
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広く緩やかなアップダウンの稜線からは余市川沿いに長閑な田畑と赤井川村を囲むカルデラ内輪の山々が見える。
方やニセコ連山は雲に隠れたままで麓に岩内平野が霞んでいた。
林班界の赤い表札の下が函館本線のトンネル付近だろうか、此処まで来ると銀山がぐっと近づき目と鼻の先に見え、後ろのルベシベ山(写真中)がずいぶん遠くなる。
ラッセルが無く良いペースなのでやはり稲穂峠から銀山まで縦走すれば良かったと思いながらゆるゆる進む。
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銀山北側の開けた源頭斜面にスキーのシュプールを見掛け、そして程なく反射板の建つ山頂に到着した。
稲穂嶺から銀山まで約3.5kmを1時間40分だったので思ったより早く、あとは下るのみだ。
シールを外してノートラックの綺麗な斜面に各々気ままなシュプールを刻んだ。
上の方は雪もまずまずで長い尾根の滑りが楽しめたが初めて滑った北東尾根は幅広ではあるが雪が少なかったせいか木が煩く感じられた。
車を回収して家路に向かうと真っ青な空が恨めしく、一回ぽっきりの縦走なだけにぱっとしない展望が残念だった。
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