新冠富士〜イドンナップ岳  1667m・1752m (新冠町) 地図はこちら  ■Home
2013年6月29日 晴れ時々曇り サツナイ沢西尾根コース メンバー5名
4:35札内線林道→(8:50-9:05)新冠富士→(10:50-11:15)イドンナップ岳→(12:45-13:05)新冠富士→16:30札内線林道

イドンナップ岳は日高山脈主稜線から西に外れ、新冠湖の東に位置する長大な山である。 アップダウンの連続する尾根は登山者泣かせで有名だが誰もが一度は登頂したいと思う山である。 2010年にシュウレルカシュペ沢を詰め登ってるが、 夏山ガイド全山制覇と初ピークを狙うメンバーにお付き合いして札内林道からの長い登山路を辿ってみることにした。



                    



好天続きだったが明日から曇り予報である。 折角のイドンナップ岳もただのピークハントになりそうだが暑くならないだけましだと、 前夜札幌を出発する。 新冠町泉の集落を過ぎると小雨に変わり、真っ暗な水溜りの林道を進んだ。 登山ポストの辺りでテン泊する予定だったがこんなドロドロじゃ、と云うことでイドンナップ山荘に向うことにした。 悪路かと思ったらそれ程でもなく、やがて暗闇の中に飯場のような建物が現れる。 中は灯りと水が無いだけで泊まるのには十分だがかなり寂しい、軽く飲んで23時過ぎお開きにした。 寝たと思ったら3時過ぎに目覚ましが鳴り、身支度して再び登山口に向かう。 荒れたサツナイ林道は登山ポストから歩く積りだったが先導するエコカーがガンガン行くのでたまげる。 浅瀬の渡渉も3箇所あったが何のその!登山口手前の広場まで入れてラッキーだった。

         
                    



正午を引き返しのリミットとして予定通り4時半に出発する。 林道の少し先に分岐があり、左のサツナイ沢沿いに渡渉を繰り返しながら登ってゆく、 この道はすぐ作業道に変わるが右に向かっているので笹藪を漕いで短縮したが楽でなかった。 再び道と合流するも濡れ草で全身ビッショリ、けどこれが幸いし涼しく歩くことができた。 売山942mを巻いてコルに出ると登山路らしい緩やかな道となり、 道脇にふとネギの蕾を見つけ先々を期待する。 そしてゴゼンタチバナが唯一の慰めであるアップダウンを繰り返すと不意にガスが切れ、 足元に雲海が広がっていた。

         
                    



急な尾根に岩稜が目立ってくる。 だいたい左に巻き道が付きロープまで垂れて至れり尽くせりだが、 登っても登ってもポコが続いて帰りが思いやられる。 そして1404ポコ越しにどっしりした新冠富士が姿を現すと、 俄然やる気が湧いてくる。 だがここから南斜面に付けられた路が曲者だった。 木の根や笹で滑るばかりか足元がぞっくりえぐれたりして笹を掴みながらのトラバースが続く、 「何んでこんな急斜面に?尾根上のアップダウンの方がまだましだ・・」 つい悪たれ口の一つも叩きたくなるほど辟易する路だった。

         
                    



南斜面の大トラバースを抜けロープの付いた急斜面を登るとシラネアオイとオオサクラソウの群落に迎えられる。 今まで色の付いた花がほとんど無かっただけに目に鮮やかで心が和む。 淡い紫のシラネアオイの群落の中に白い花もポツポツ目に留まり、 オオサクラソウの華やかな色が一際目立っていた。 けど何より嬉しいのは太い食べ頃のネギがそこかしこに生えてたことであった。

         
                    



そして1550m付近から一気に視界が開け、眼下にクリオネの様な新冠湖と その対岸に貫気別山〜リビラ山〜ピウ岳〜エチナンゲップ山の山並みが望まれる。 新冠富士の頂きまでは北西尾根のハイマツに明瞭な登山路が延び、 先を急いで到着したメンバーの歓声が聞こえる。 風のない穏やかな頂きからは息を呑むような360度の眺望が得られ、 初めて日高山脈を目の当たりにしたN子の感激はひとしおだった。

         
          


新冠富士からイドンナップ岳の陵線を望む、 見えてるのは三角点△1747のある山塊でイドンナップ岳はその奥に隠れている。 山塊の左に白く筋を描く山は日高幌尻岳で、 右にはカムエクとコイカク〜1839、さらにペテガリまで望まれ、 日高山脈のそうそうたる山々に時間が経つのを忘れた。

         
                    



新冠富士から三角点まで刈り分けは主に左に付いてるが笹藪とハイマツを漕がされる。 特に雪渓が出るとつい歩き易い雪を踏んで道を失い、復帰するまで一苦労する。 そしてこの山にはいったい何匹いるんだと思わせるほど熊の糞が多い、 けど今日は熊だって迂闊に出てこれまいと心強かった。


         
                    



三角点を過ぎるとイドンナップ岳が一気に近づき登頂意欲が高まってくる。 稜線を辿ると雪渓の残るシュンベツ川の谷間から涼しい風が吹き上がり、 所々にお花畑が広がる。 エゾイソツツジの花を筆頭にキバナシャクナゲ、エゾノツガザクラ、チングルマ、ハクサンイチゲが見頃を迎えていた。


         
                    



ハイマツに覆われた最後の岩峰を登ればイドンナップ岳山頂である。 一見ぎょとする急峻なピークだがちょっとした岩の上り下りで何てことなく到着する。 ん!あのデカイ標識が見当たらない? ハイマツの先を偵察するメンバーからもう下がる一方だとの声が届き、 周囲を探すが・・・以前と違って何となく釈然としない山頂だった。 そんな事をよそにメンバーは初登頂に喜び、感動的な日高山脈の眺めにウルウルしている。


         
          


稜線伝いに見える顕著なピークは無名峰でナメワッカ岳は小さく日高主陵線と重なっている。 その無名峰の奥には前後しながら、 エサオマン〜ナメワッカ〜札内岳〜1917峰〜カムエクが並び見事な眺望に満足する。 さて往路を戻る途中で単独者二人が登ってくる。 その内の一人は今朝札幌を発ち、 もう一人は日帰りでシュウレルカシュッペ沢から夏道を下ると言う外人だった。 共に時間を気にしながら猛スピードで枝を掻き分けて行ったが、その健脚ぶりに唖然とさせられる。 ただ残念なことに日高の山々は雲に隠れてしまい、 やっぱり山は午前中勝負だよな〜と自己満足に浸りながら新冠富士を下った。 そしてアップダウンにほどほど嫌気が差す頃に林道が現れほっとする。 12時間行動は流石に堪え、 翌日に室蘭岳の沢を予定したが2名が廃人宣言し、 更に追い討ちをかけるように1台パンクしたので素直に帰途に就いた。

<2010年7月 シュウレルカシュッペ沢〜イドンナップ岳はこちら>


         
























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