日曜も天気が良く暖かそうなので岩内市街地を流れる野束川(アイヌ語でヌカペップ・原野の川)から岩内岳を予定した。
今年の7月に遡行した権太川も野束川の支流だが流域的には一ノ沢の方がずっと大きく期待が持てそうだ。
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この沢は小樽GCCの記録にちょと載っているだけでルートや時間など不詳、日の短い時期なので早出することにした。
道の駅で5時前に待ち合わせ一台を登山口にデポして農道の終端を出発する。
すぐ砂防があり大きな溜まりを回り込んで入渓、権太川より水量が多く取り敢えずブタじゃなさそうでほっとする。
薄暗いゴーロが徐々に明るくなると苔の多さに驚く、岩の頭まで苔が張り付いて踏むのを躊躇うほどだ。
暫くすると沢幅いっぱいの滑に続いて砂防の様な滝が見え、おっ来たなと漸く目が覚める。
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人の入った形跡が無くとても新鮮だがたまに一抱えもある大きな岩がゴロンと動いてびっくりする。
全体につるっとした岩が多く地下足袋で来たことを後悔しながら進むと序盤で8m程の滝を迎える。
はたして登れるだろうかと思ったが苔を踏んで何とか、ゴム底は逆に苔が滑るみたいだがそれなりに楽しそうだ。
ポツポツ出てくる滑滝は何れも直登可能で苔生す岩に落ち葉が点在し、その間を清冽な流れが釜に落ちてゆく。
今日の沢はあまり期待していなかったが久々に当たったかなとニンマリする。
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標高550mを過ぎると徐々に傾斜が出て滝の間隔が少し短くなる。
両岸高いどんずまりに6m程の門の様な滝(写真中)が塞ぎ、相当な大高巻きも覚悟したがサクッと登れてほっとする。
後半はテーブルみたいな岩が重なる階段状の滝が多く、ちょっとした庭園風の趣を見せている。
写真で確認した滝の数は13ヶ所、小さいのも入れたら結構な数だろうが距離があるぶん間延びした感は否めない。
むしろこの沢は苔の美しさに秀でてスポンジみたいな苔や櫛ですいた様な色鮮やかな苔(写真)など様々な種類の苔に感心する。
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やがて火山の名残なのだろうかごろごろした巨岩帯を登っていく、これが結構長くて疲れるが秋のひんやりした空気が救いである。
さて720mの二股は右の涸沢を詰めると岩内岳のピークだがこのまま縦走路に向かうことにする。
巨岩帯が終わり870mで微妙な二股を右に進むとすぐ水が涸れ、木の枝がだんだん煩くなってくる。
幸い沢筋がどこまでも続いてこのまますんなり縦走路かと思ったら右に左に蛇行し、涸れた水芭蕉の湿地帯を徘徊しているようだ。
あと僅かなのになかなか辿り着かず痺れを切らしてネマガリに突入、30分のアルバイトで小さな沼の淵に出て一休みする。
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縦走路からは野束川の広い源頭と稜線越にパンケ目国内川の湿原の一端が望まれた。
更に雷電山〜目国内岳〜シャクナゲ岳〜チセヌプリ〜ニセコアンヌプリ〜イワオヌプリなど一列に並ぶニセコ連山を振り返りながら山頂に到着、
天気が良く前回駄目だった岩内の街並みと日本海の景色が素晴らしい。
長くて疲れたがお初の沢に満足して下山する。
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<2016年の 権太川〜岩内岳 はこちら>