2010年11月上旬 晴れ メンバー4名
7:40モラップ橋→9:50一の沢終了→休憩→10:40二の沢開始→11:55支笏小橋
樽前山より支笏湖に至る裾野には苔の洞門のような深い沢筋が幾本か刻まれている。
樽前ヒュッテへ通じる道路より東へ順に一の沢、二の沢、三の沢があり、その隣はすっかりお馴染みになった楓沢である。
これらの内まだ未踏の一の沢と二の沢を歩いてみることにした。
はたして中の様子は伺い知れないが三の沢以降に見られる苔があれば万々歳である。
モラップ橋より一の沢へ、タイヤの跡が気になる 新しい砂防がこれでもかと言うくらい連続した 中流域からようやく洞門風の地形が始まった
先週降った大雪もすっかり解け小春日和を思わす暖かな日である。
ただの散歩で終わるかも知れない話に内心期待して集まったのは3名だった。
一の沢に掛かるモラップ橋に到着するとゲートの先にタイヤの跡があるのが気になる。
地図にある右岸の道を探すが不明、取り合えず橋より下って涸れ沢の中を歩くことにする。
水の流れた痕があり普段は涸れ沢だが雨が降ると結構流れがあるようだ、これは楓沢も同じと思われる。
すぐに真新しい砂防が現れ何とその先には数十m間隔で次から次と砂防が連続して出鼻を挫かれる。
しかも大半が新らしいにも拘わらず砂で埋まり中には完全に埋没し切ったものまであり呆れるばかりだ。
途中の泥流を監視する小屋を含めこれらは噴火に備えて作られた物と思われるが余りにも度が過ぎている。
かれこれ二十近くの堰堤を越え期待は見事に吹っ飛んで笑うしかない。
それでも沢の半ば頃になるとようやく砂防が収まり狭くてくねくねした迷路の様な地形が現れる。
頭上から苔や木の根が垂れ侵食の続く側壁は今にも崩れそうである。
壁はぼろぼろで期待した緑の回廊ではないが何か出てきそうでゾクゾクした。
しかしながら涸れ沢はハングった滝で行き止まるだけで、高巻ける場所まで戻ってを繰り返すのみだった。
呆気なく一の沢の終端に行き着き藪を分け二の沢に移ったが砂防の数が減っただけで苔の無い洞門に変わりない。
結局ひざに優しい砂の散歩で終わった訳だが道なきルートは面白くまた中の様子が分かってすっきりした気分だった。
せめてこの砂防が三の沢、楓沢へと波及しないのを願うのみである。
回廊のどん詰まりで時々現れるハングった滝 二の沢の様子、地質が新しく側壁はやけに脆い モラップ橋より眺める静かな晩秋の支笏湖