午前中の好天を期待して展望が良いことで知られる愛冠と飛散岳の周回を計画した。
飛散岳の北にはピリ辛そうだが展望が気になる北峰645m(仮称)があるので序に寄ってみる。
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新送毛トンネル北口を抜けた左手に車を止め、トンネル東側の沢形に入る。
沢の中はまだ雪が厚く随所にSBが豊富、そしてc280で北峰から延びる尾根に取付いた。
クトーを付けジグを切りながら登ってゆくと愛冠の後ろに青い海が広がって気分が良く。
更に右手に飛散岳と前方にこんもりした北峰の頭が見えてくるがどれも低山らしいほのぼのとした容姿である。
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北峰の直下をシートラで上がると幅2-3mの細長い頂陵に雪庇が張り出していた。
陵上は視界を遮る物が無く浜益岳から徳富岳までまさに暑寒別・増毛連峰の展望台である。
暫し山座同定を楽しむがゆっくり腰を落ち着ける場所がないのが残念である。
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とても名残惜しい展望だが頂陵の先が気になるのでバシャバシャ写真を撮って下るとする。
直下の急尾根は所々に岩が見え隠れし、ハイマツを掴みながら一歩ずつ下った。
斜度が緩んだ所からふり返ると大したこと無かったなという印象でここに足を延ばす価値は十分である。
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さて飛散岳(写真左)まで疎林の広尾根を登ってゆく、東方には端正な円錐峰や別狩岳、幌内山など新たな展望が広がっている。
急そうな飛散岳の山頂直下も近づくとそれ程でもなく、また振り返る北峰がなかなか良い感じに見える。
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そして平坦な飛散岳山頂に到着、立木が少なく北側に良好な眺望が広がっている。
北峰の展望を見たあとでいささか見劣りするのは仕方ないが暑寒別連峰と海の広がりが素晴らしい。
また目を凝らすと黄金山と知来岳が大きな山々に負けじと存在を示しているようだ。
東方には尾根続きの三角点:美山別山が興味を引き、奥に別狩山と円錐峰のほかピンネも遠くに見える。
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さて北西尾根を下って愛冠に向かう。
愛冠(アイヌ語で矢の届かぬ崖)という地名は足寄や厚岸にもあるが「愛のカップル」に通じることから恋人などに人気で縁起の良い名前である。
決して「Iカップとは大きく出たものね、これなら私の方が勝ちよ」などと言ってはいけない。
トンネルの上から林道を辿ると広い丘の様な山に造林の道があちこちに刻まれ、一番の高みを目指して登った先に字のかすれた山頂標識が掛けられていた。
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立ち並ぶカンバの細木越しに海と山を望むなかなか良い場所だが積丹の山々は霞み、暑寒別連峰の上にも雲が広がってしまった。
今日は天気の良い内に北峰を登って正解だったが順に展望が良くなる逆回りの方がお勧めである。
漸くシールを外し沢底まで僅かなツリーランを楽しむ。
展望の初ピークに満足しつつ雪解けが進む様に一抹の寂しさを覚えながら車に戻った。
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