2012年10月20日 晴れ後曇り メンバー5名
7:35林道c240→9:30三段滝c700→(12:00-12:10)広尾岳→14:15西広尾川出合→15:00林道c240
一雨ごとに寒さ深まり沢登りもそろそろ終わりかなと思いつつ天気の良さそうな広尾岳を予定した。
この山は計画する度に天気が崩れ延び延びになっていたが
今回はばっちり晴れの予報で展望が楽しみである。
山名の広尾はアイヌ語の(ピル・イ 石が転がる・砥石が取れる地)が変化して「ピロー」、「ビロウ」と呼ばれるようになったと云われている。
またこの山の北尾根にはかつて登山道が切り開かれていたが廃道になって久しく、
今回登りは北面直登沢から、下りは北尾根から北西面沢を予定した。
青空に広尾岳(左)とピロロ岳(右)が望まれ気が逸る 退屈なゴーロを過ぎるとc700で一発目の滝が現れた 間髪を置かず数mから十数mの滝が続いて望外の喜び
広尾町に入ると雲一つない青空と南日高の山並が望まれ心が逸る一方、
今期一番の寒さに少しばかり気持ちが萎えてくる。
林道の終端で身支度し結構な水量の西広尾川を徒渉すると小さな北面直登沢が流れていた。
何の変哲もないだらだらしたゴーロだったが歩くこと1時間あまり、
やがて沢が大きくカーブする先に初めて数mの滝が現れた。
何とその上には数mから十数mの滝が続き予想外の光景に思わず頬が緩んだ。
普段、何てことない滝も水が冷たくてランク上がる 結局このチョックストンのある4m滝が核心だった
12mの大滝は左岸の階段状から登る、ヌルヌルしている
これらの滝はどれも難しくはないが水に濡れたくないぶん厄介になる。
初めの屈曲する三段の滝6m+6m+4mは下段を難なく直登すると、
中段ツルツルで今一歩の出ないメンバーが先行からお助けを貰う。
すぐに4mのチョックストンの滝があり右岸をへつって越える。
ここは慣れぬメンバーが確保なしで登るにはちょっと厭らしく、
ザイルを出して真ん中から登って貰ったが水飛沫を浴びて見てるこちらの方が寒くなった。
震える体にみぞれが追い討ちをかけ、雲が勢い良く流れ、背後には虹が見える。
何とも落ち着かない空模様になったが次の大滝が目に留まると天気などどうでも良くなった。
この大滝12mは近寄るとそれ程でもなくやや逆層してるが階段状である。
水流からが良さそうだが濡れるのは勘弁とばかり左岸を登った。
更に登れる滝が幾つか続いたが寒さに食傷気味となり、
c850mの8m滝で単調な渓相に戻ると正直ほっとした。
c850からたまに小滝が出るだけの凡々とした沢に戻る 残り30mまで藪漕ぎなし、すっきりした沢筋で登り易い 板切れの様な標識が転がってるだけの質素な山頂
c950二俣は左を取り山頂直登を目指すことにした。
c1010mで水が涸れると落石に気を付け沢筋を辿るだけだ。
すっきりした沢形が思いのほか上まで続き、
最後に笹を掴んで身を引き上げるとハイマツの刈り払われた質素な山頂だった。
あれだけ晴れてたのに視界ゼロとはついてない、濡れた体が寒くて堪らず退散する。
登山路の痕跡は僅かで藪の中にシカ道が延びていた。
岩峰が出る度に道を失うが労なく776標高点まで下る。
そこから北西面沢に入る予定だったが藪の薄い尾根をそのまま下って西広尾川に戻った。
山頂展望はお預けだが一先ず登頂が叶い満足する。
町内の老人保養センターでさっぱりし公園の東屋にテントを張った。
肉鍋を囲んで楽しい一時を過ごし22時揃って就寝、
夜中に雷と雨で目が醒めたが屋根の下でほっとした。
<翌日登った 豊似湖〜観音岳 はこちら>