平田内川〜白水岳  1136m (八雲町熊石)  地図はこちら  ■Home
2012年9月1日N〜2日 晴れ メンバー5名
4:35平温泉駐車場→6:55c470二股→8:55c610二股→9:15c680二股→12:05登山路→(12:20-12:45)白水岳山頂→13:40南白水岳→16:00平温泉駐車場

遊楽部山塊の一角をなす白水岳は地元山岳会によって登山路が開作され、 夏山ガイドにも載ってる山だがはたして路が維持されてるかどうか疑わしい。 また白水岳〜遊楽部岳を繋ぐ従走路に於いては既に廃道化して久しく、 よってこの沢の遡行は詰めのルートと下山路の確認が肝要に思われた。 さて「北海道の山と谷」ではc680から右股を取り従走路から山頂を踏んでるが 「まるでネマガリの檻に閉じ込められてるようだった」との情報もあり、 今回は左股を取ってみることにした。 ちなみに右股には数mの滝が2-3つ出てくると書かれているが左股は不詳である。 「藪漕ぎは楽だったが滝が一つもなかった」なんてことになるかも知れないが 日の短くなる時期でもあり無理しないことにした。

渓流のせせらぎを聞きながら無念の混浴でぐび〜っ   函と淵と滝のコンビネーションが素晴らしい沢だ  泳ぐ!水が澄んで底が見えるが函は思いのほか深い
 9/1 晴れ 夕刻、平田内温泉から2km程進んだ終端の駐車場で待ち合せると、 既に函館のTさんが缶ビールを数本空けて待っていた。 トイレが付いた大きな駐車場があり 「この広さ、いったい何んなの?」と思うほど何処にでもテントを張れるが、 欠点は全体的に斜めって平行感覚がおかしくなりそうなことだった。 取り合えずビールを携えゲートの少し先にある無料の露天「熊の湯」に行ってみることにした。 すぐ左手に「 白水岳登山道 」の入口があり、 明日はここを明るい内に降りてきたいなと思いながら過ぎると こんもりしたドームから熱湯が吹き出ていた。 「あれまっ、温泉玉子作ればいかったな」と悔やむ。 向かいには男女別の脱衣場が整備されここは混浴だった!と期待するも残念な顔ぶれしかなかった。 大きな岩盤をくり抜いた湯船にはこんこんと湯が溢れ、すぐ下に明日遡行する平田内側が流れている。 「いや、本当にいい所だね〜!」 湯加減丁度よくお肌つるつる、何時までも入っていられた。 駐車場に戻って外で酢飯とゴーヤチャンプル食べながら二次会開始、 ランタンが要らないほどの月明かり、やがて星空になる。 明日の早出に備え9時前に就寝すると熟睡したのかバッチリ目が覚めた。 テントから出て仕度に掛かろうと時計を見たらまだ12時だった。

絵のように美しい函が次々と現れ楽しませてくれる  c450・両岸高くせり立つ崖の奥に10mの垂滝が落ちる   c510前後にゴルジュ群の函と滝、全く退屈しない
 9/2 晴れ 3時に起床し身支度を整える。 谷間に日が届くのを待ちきれず4時半出発した。 右岸の作業道を暫く進むと終端に源泉小屋がありそこから入渓する。 暗い渓ににゅっと現れたのは背の高い砂防で右岸を高巻く途中にザイルが垂れていた。 しばらくゴーロを進み漸く周囲が明るくなると青く澄んだ釜と淵の美しさに思わず目を見張る。 なかなか標高を稼がないのが難点だが函の中に淵と滝が連続し全く退屈しなかった。 c450で両岸に崖が迫ると奥に10mの垂滝が落ち、早々「山と谷」で云う核心を迎えた。 ここは確か「左岸の急な草付きを登ってトラバースし懸垂下降するポイント判断が難しい・・」だったなと周囲を見渡す。 左岸後方に登れそうな草付きがあるものの相当の大高巻きを覚悟せねばならず二の足を踏んだ。 Kちゃんが滝場近くの左岸ルンゼを伺ってるがこれは上の崖に拒まれそうでだめだ。 それより右岸を斜上する狭いバンドがあり、これから崖伝いにトラバースすれば高巻けそうな気がする。 この急なバンドを10mほど登ってみると崖斜面に何となく踏み跡があるので確保されながらザイルを引いた。 すると細引きの様な古いロープが現れ?微妙なトラーバースで滝口の下降点まで導いてくれた。 後続は一人づつプルージック取ってトラバースし、全員抜けるのに30分程で済み万々歳である。 もし左岸を巻いてたら軽く1時間以上掛かったと思われひとまず胸を撫で下ろした。

c520で逆層7m滝、残置ハーケンあり右岸を直登する   c580で6m二条の滝は左岸の階段から快適に越える  c600から再び函が多くなる、悲壮感のない明るい沢
その後も函と滝越えで結構忙しい。 c520で逆層7mの滝は滑って気を遣う、右岸に取り付くと途中に残置ハーケンがありザイルを出して抜けた。 c600から再び函地形になるが水が少ないせいか明るく快適な遡行が楽しめた。 そしてc680、懸案の二股で大憩を取る。 水量が1:2で順当なら開けた右股を選びたいが 予定通りこじんまりした左股を行ってみることにした。 入ってすぐ滝壺に青々と水をしたためた6m樋状の滝が期待を持たせると、 何とc760ではこの沢で最大と思われる2段20mの斜滝が現れた。 この滝は1段目が緩やかで一見楽勝に思えたが2段目から立ってきて徐々に苦しくなる。 滝上に出て下を覗くと流石にやばそうなので一人ずつ確保しながらの登りになった。 この左股を選んだ迷いなど既に吹飛び、次は何が出てくるか興味津々である。 c800で6m滝は左岸の側壁から登るとすぐ上にも10mの斜滝が続き何れも快適で楽しい。 c850の8m滝はつるつるで手強かったが僅かな凸を拾って直登する。 これを見た後続3名は高巻き、残り1名にザイルを出した。 すぐ上に背の立たぬ釜と5mの滝が控え泳いで取り付く。 いやはやなかなかである。 更にバスタブ様の釜を持った小滝を2-3つ越えるといきなり流れがちょろちょろに変わり水を汲んだ。 c950を右に入ってすぐ水が涸れると笹薮の中にc1010まで沢形が残ってありがたい。 この分なら熊笹を5分も漕いだら登山路に出るなと思ったら平行に歩いてしまい15分後に先頭から「あったぞー」 の声が届く。 もしかしたら山頂まで藪漕ぎか?と一抹の不安があっただけにほっとした。

c760でこの沢で最大2段20mの大きな斜滝が現れた   c800で6m滝、水流の中は良く滑り左岸側壁を登った   すぐ上に10mの斜滝が続き何れも快適に登れ楽しい
登山道は総じて藪化しつつあるが山頂までは割と良かった。 笹を分けると足元にしっかりした路があり15分で山頂に到着する。 雲が掛かってダケカンバの間より臼別岳と冷水岳が望まれる程度だが揃って初ピークを踏めとにかく嬉しい。 下山は中白水岳、南白水岳、白泉岳とアップダウンが続いてすんなり降ろしてくれない。 南白水岳手前のコルは特に笹被りが酷く路を外してしまいそうな程である。 下りだからいいようなものの登りなら最悪だ、このまま廃道になる運命に思われた。 白泉岳からは海岸線と海の向こうに奥尻島が望まれ休む回数が増えてくる。 沢筋に下って登り返す辺りが長く感じられて辛かったが滝場で冷たい水が得られた。 ブナ林の狭い尾根道を下ると平田内川の沢音が聞こえ11時間半のタフな遡行を終えた。 下の温泉でさっぱりして家路につく、 熊石にお金を落としたのは結局これだけだった。 どうもスミマセン。

c850・逆層8mの滝、つるつるで突破には神経を遣う  笹に囲まれやや鬱陶しいが揃って初ピークを踏んだ  白泉岳から海岸線が望まれ、渡る風が心地良かった


















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