東丸山は八谷さんの「ガイドブックにない北海道の山50」で知った山で、
丸山噴泉塔(天然記念物)から見える堂々とした山容が気になっていた。
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海の日の三連休は天気が悪くて山は一日だけになり、台風一過を期待して東丸山を予定した。
昨日は肉と海鮮でバーベキューを楽しみ、今朝はその影響で若干だるい。
しらふのBさんの運転で林道の車止めに到着すると砂挨を舞い上げながら車がやってきた。
噴泉塔見学の男性だったがナタを携え随分山慣れした感じだ、その方と前後して出発する。
朝から酷く蒸し暑かったが五ノ沢を渡渉してからは幾分涼しく、終盤の高巻きは沢中を進んで北面沢と出合う。
そこで待っていた男性に手を振って別れ、標高差600mあまりの小沢に入渓する。
すぐ10mの滝が出て左岸から滝口に登ったが手が痺れるほど水が冷たい。
案の定、上が雪渓でそこから見上げる先にピークが聳え、振り返る谷間の奥にニペソツ山の頂きが望まれた。
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水はすぐ伏流し苔の涸れ沢になるが鬱陶しさは無く順調に標高を稼ぐ。
1250mの三俣にも大きな雪渓があり右俣から冷たい清水が湧き出ていた。
そして1450mを過ぎるといよいよ藪チックになってハイマツ漕ぎを覚悟したが何と枝切りされた踏み跡が北尾根に延びていた。
切り口は古いものから割と新しいものまで様々でしかも丁寧に切られ、誰の仕事か感謝しながら登って行く。
ハイマツ帯を抜けるとその上はチングルマとシナノキンバイの小さな花畑になっていた。
見上げる山頂は双子峰の様に見え、源頭は薄いブッシュとハイマツに覆われている。
北尾根の踏み跡もかなり怪しくなってきたが山頂は射程圏で登頂意欲が昂ぶってくる。
9合目付近の草地からは眼前にニペソツ山と丸山の眺めが良く、真下に噴泉塔の沼が見えていた。
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結局、滝は一つのみでさしたる藪漕ぎも無く全員が初ピークを踏んだ。
背の低いハイマツ越しに大展望を期待したが空は生憎霞んでいる。
少し奥に礫が敷かれた平地があり、かつて登山道があった時代の山頂という雰囲気だった。
南尾根の様子を窺うと登山道の跡なのか鹿道なのか判然としないがそれらしき踏み跡が延びている。
もしかしたら北尾根の踏み跡はこの登山道の延長で、噴泉塔に下るための道だったかも知れない。
9合目の草地からダイレクトに噴泉塔に下りたくなる衝動を我慢して北面沢に戻った。
沼の空に聳える山を眺めて満足、流石にもう来ることはない不思議な光景を目に焼き付けて下山する。
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「展望その1」 霞んでいるが木の無い頂からの展望は良く、眼前のウペペサンケ山が格好良い。
その右の小さな尖がりは遠望山と石山で、更に然別湖周辺の天望山や白雲山などポコポコした山々が見える。
かつての登山道が右の1614ピークを通って菅野温泉西コースに繋がっていたかと思うと残念、
廃道になる前に二つの道を歩いてみたかった。
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「展望その2」 下る途中、シナノキンバイの花畑から隣の丸山とニペソツ山を眺める。
前天狗岳からニペソツ山山頂までの険しい稜線と、なだらかな丸山の眺望が良くマッチしている。
東丸山の山頂からは表大雪やトムラウシ山、十勝連峰が霞みながらも眼前に広がり、
クリアな視界なら〜芦別岳〜夕張岳〜北日高まで見渡せた筈でちょっと残念だった。
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<2014年の 丸山噴泉塔〜丸山 はこちら>