東狩場山〜狩場山 (春スキー再訪) 1319m〜1520m (島牧村・せたな町) ■Home |
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ぐずつく空模様の札幌を出発し17時過ぎ島牧村の公共駐車場にテントを張った。
アイヌネギのジンギスカンに舌鼓を打ち、明日の好天を信じて就寝したが
何と朝方まで雨に降られたのは予想外、少しブルーな気分での出発となる。
どこまで融雪が進んでるだろうかと案じながらつづら折りの道を過ぎると心なしか期待感が出てくる。
途中、夏タイヤでスタック中の車を手助けし、その先で自車も雪に乗り上げるなど何だかんだ1時間遅れの出発になる。
幸いスキーを履いて1kmちょっとでキャンプ場だったから今年は融雪が早い方だと言える。
そして急回復した青空のもと白い狩場山と尖った東狩場山が望まれた。
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キャンプ場から北に延びる林道に入り、緩やかな沢中に進路を取った。
美味しそうな雪解け水が流れていたがすぐ雪で埋まり願ったり叶ったりである。
沢中から見上げる左岸の大斜面には雪がびっしり張り付きスキーの楽しめそうな好斜面が広がっていた。
時々モービルの跡と共に、東狩場山でもピストンしたのだろうか古いスキーのトレースを見かける。
やがて標高1000mを超え、九助川右岸尾根に合流すると台地の上にどんぶりを伏せた様な東狩場山が望まれた。
緩そうなので直登したらすこぶる急だ、やはり地図は嘘を言わない。
シートラになってぐんぐん登ると眺望が開け、のっぺりした頂稜に至った。
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細長い東狩場山の山頂は三角点のある場所よりこんもりした西峰の方が少し高く見える。
太いハイマツを分け、枝に氷のぶら下がったカンバの木々を潜って三角点と標識を探したが見つからず、
それと思しき木の枝にテープを結んで記念写真に収めた。
全員初ピークだが閉塞感のある藪の中で眺望も得られず淡々とした気分である。
木の上から反対斜面を伺うと一面ハイマツの海に驚く、これを乗越す気にならず北尾根の基部を大回りして狩場山に向かった。
北尾根の先には日本海が望まれ、
中程にちょこんと黒く頭を出してるのが山塊第2峰のフモンナイ岳1337mだと思うがちょっと自信がない。
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東狩場山のコルからは白い稜線が狩場山まで続いて見え、1時間もあれば山頂に着くだろうと思ったが甘かった。
軽い藪だと思ってスキーを履いたまま1354ピークに登ったら稜上に広がる黒々としたハイマツを前に根負けする。
シートラになってハイマツを分けるとスキーが引っ掛かっていい加減イライラしてくる。
ふと足元に千走旧道コースらしき踏跡が延び、殆ど藪化してるがこれを辿ると幾分楽だった。
藪から抜け出て振り返ると北尾根の先に一段高いフモンナイ岳のピーク(写真左端)が見えて嬉しい。
さていよいよ山頂が近づいて来た、もう藪漕ぎも無さそうだしルンルン気分である。
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稜線を境に斜面の様子が随分異なっている。
千走川の源頭は木立の無いカールの様な斜面が広がり、下からは壁になって見える筈である。
かたや小田西川の源頭は急峻で足元を覗き込むのがせいぜいだ、共に稜線から見下ろすとなかなかの高度感で落ち着かない。
カスベ岳とメップ岳を見ながら気持ちの良い登行を続けると狩場山の南東尾根を登ってるパーティーが見える。
既にいい時間だが千走川の源頭は無傷なままで、朝方ぐずついた天気のせいか今日は2パーティーだけのようである。
程なく山頂に到着、ガスってるがとても穏やかだ、そして後から登って来たのは懐かしい知った面々だった。
さて本日のお楽しみ大斜面の滑降へ向け準備する。
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山頂から一気に行きたい所だがやや視界不良なので遠慮しがちに滑り出す。 もう何度も滑った斜面だから下の様子が見えなくても恐怖感はないが流石に出だし急である。 そして数十mも下るとすっと霧が晴れ、青空と共に斜面の様子が見えてきた。 |
まったく斜度と良い広さと良い申し分ない斜面である。 シュルンドやデブリが一つも無く今までで一番良いコンディションではないだろうか、 みんな歓声を上げながら思い思いにシュプールを刻んでいる。 ザラメで良く滑るが時々ブレーキが掛かるのが玉に瑕だった。 |
沢のボトムまで優に600m以上の高低差があって滑り応え十分である。 下から見上げる広大なオープンバーンに改めて目を丸くする。 東狩場山の南斜面は例年より黒さが目立ち、 藪漕ぎで苦労した1354ピークは上手くトラバース出来そうでちょっと悔しい。 |
ボトムから更に300mほど下って林道に至る。
天気はすっかり回復し、ぶなの新緑が森全体を淡い緑に包んでとても清々しい。
初ピークととっておきの大斜面に皆さんとことん満足した様子、道脇の水芭蕉を愛でながらトボトボ林道を戻った。
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