芽室川東面沢〜1654m峰(幌内JP) (清水町・日高町)1654m  地図はこちら  ■Home
 2012年9月30日 曇り後小雨 メンバー3名
 5:05芽室小屋→7:25・20m大滝→(10:05-10:25)1654峰→14:20芽室小屋

芽室小屋から芽室西峰に向かう沢に入って程なく小さな二俣を右に取るとこの山に突き上がる。 日高主稜線にあってさしたる特徴も無い一ピークであるが陵線までしっかり沢筋が付きなかなか良さげである。 残雪期に主陵線を縦走した時には何の感慨もなく通過したが、 こうして沢から頂を目指すと名無しのままでは可哀想な気がする。 この山から幌内岳とペンケヌーシ岳に続く支稜が延びてることから せめて「幌内JP」とでも呼んでやりたいと思った。

苔の綺麗なこの滝からだれた渓相が一転する      ゴム底の沢靴はこの沢にめっぽう弱かった    滝のオンパレード、奥に20mの大滝が控える
日高町の止別岳を終え、 清水町の銭湯でさっぱりし芽室小屋へ移動する。 この小さな小屋に泊まるのは3度目だがいつもあずましくて快適である。 今回もその積りですき焼きの鍋を囲もうとすると車が1台止まり5名ががやがやと入ってきた。 遠慮というものを知らない奴等だな、と顔を見てぎょっとした!知った顔ぶればかりである。 車座になって宴会開始、酒と歌が延々と続くので先に寝る。 飲めないKaちゃんはイビキの大合唱で睡眠不足だったらしく、 耳栓がお泊まり装備の必須アイテムだと悟ったとか・・・。 3時半に目覚ましが鳴ったがまだアルコールの抜けぬまま身支度を始め、 そして5時過ぎ薄暗い中を3名先駆けて出発した。 1時間ほど何てことない小さな渓を坦々と進んでc810の二股を過ぎると、 苔生したサンドイッチの様な岩盤に樋状の流れが目を引いた。 そこからは単調だった渓相が一転し緩やかな滑滝や6m前後の小滝が続いて楽しくなる。 滝は逆層ばかりで気が抜けないが苔の綺麗な渓で何となく得した気分である。 c970の三俣は分かり難く一瞬だまされて右に入り本流に戻った。 すぐ緩やかな三段の斜滝が続き、c1060で2段20mの大滝となる。 外形して手強そうだが試しに水際左からザイルを引いてみたが中段テラスへの手掛かりが無く断念する。 ここは水を浴びながら水流しかないかなと思いながら右岸を巻いた。

 c1100で8mの滑滝を直登、下降は右岸を巻く      終始開けた渓相、終盤の小滝群に気を良くする    主陵線の十勝側に雲が湧く、遅い紅葉が楽しめた
c1100で8mの滑滝を直登すると背後に雲海が広がっていた。 青空こそ見えないが稜線が明るいのでそこそこの展望を期待する。 開けた沢には5m前後の滝が小気味良く出現し、 結局巻いたのは20mの大滝とぺろんとした小滝が2つのみ、 滝の数が多い割りに結構楽しめる。 1360mにある3段の小滝は去年滑落事故のあった場所である。 最上段が若干被ってシュリンゲを出したが聞いてた通り確かにどうってことのない滝である。 ちょっとした気の緩み、他人事でなく気を付けねばならない。 帰りも滑り易い滑滝が多く結構時間がかかりそうな気がする。 さてこの後に滝は無く急な沢筋を詰めピークから南のコルを目指す。 笹を分けながら沢形が尽きると意外にも草付きが広がり鹿道が陵線まで延びていた。 陵線に出ると色付き始めた芽室岳西峰と幌内岳の眺望が得られ 「イヤッホー、帰ってきたぞ〜」とkaちゃんが高らかに喜びの声を上げる。 背の低いハイマツを踏み、ウラシマツツジに赤く染まるピークに立った。 生憎周囲の山々は一瞬で雲の中に消え、幌内岳手前のポコが見えるだけになってしまう。 下から登ってくる5名の声が聞こえるがハイマツが揺れるのみでなかなか姿を見せない。 ピークに全員上がるのを待って往路を下った。 滝場には概ね鹿道があり坦々と巻いて下る。 開けた沢で悪場が無く、渓相ほどほどに良く、藪が薄く、無名峰だが割とお勧めである。

<2009年の北日高主稜線縦走(日勝峠〜芽室岳)はこちら>


















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