東北遠征の二日目は北八甲田の井戸沢を予定、井戸岳と大岳を源頭に持つ長い沢だが
655左股が去年遡行した滑天国の「小滝沢」なのでちょっと期待できそうだ。
ただ残念なことに夜中の雨でテントが浸水するというハプニングがあって一人が寝不足で尾根へ、沢は三名での出発になった。
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少し疲れと酒が残っているが身支度を急いで青空の下を出発する。
fさんはもう一眠りして登山道から登るとのこと、一緒に行けなくて残念だがそのお蔭で車を回収する心配がなくなった。
橋から入渓して暫くは単調なゴーロだが赤や緑などカラフルな色の石が目立つ。
そして30分ほど先の二股からは小滝と釜がポツポツ出現し、渓相が少しずつ変わってくる。
背中から差し込む朝日が苔生す岩肌を照らし、きらきら輝く光景に度々足が止まった。
やがて随所に深い釜としっとりした小滝が連続し、これらは容易に越えて行けるが何とも美しい渓相で気分が高揚してくる。
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750mで二連の垂滝を超えると等高線が狭まる地形にゴルジュ帯が出現、ここは折角なので中を行く。
コルジュの出口にあるCS滝は足場がなく、水を被りながら二人掛かりで突破する。
久しぶりにアドレナリンが放出してスカッとした気分になった。
そして呆れるほど連続する滑滝と岩畳の長いこと、まるで隣の小滝沢の様な光景が見上げる先まで続いていた。
滝は何れも快適だが木のエキスなのか岩質のせいか水の色が赤っぽくてまずい。
結局ザイルを一度も出すことがなく順調に登ってきたが1220m二股でルートミス、本流は右の垂滝で少し藪を漕いで復帰する。
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小さな流れも源頭入口の湧水で途絶え、明瞭な沢筋がほんのり色付き始めたカールの様な草地に延びていた。
このまま縦走路の避難小屋に抜ける積りだったがジグザグの踏み跡が大岳に向かっているので辿ってみる。
灌木の枝が切ってあるので昔の登山道だと思うが時々藪になりながらも順調に標高を上げる。
後方に井戸岳と赤倉岳を見ながら大岳の外輪まで登ると賑わうピークがすぐ近くに見えていた。
さすが百名山だけあって山頂は人の数が凄い、スニーカーを履いた子連れの登山者と行き交いながらどろんこ道を下った。
酸ケ湯ではロープウエイコースから縦走してヒッチハイクで戻ったfさんとタイミング良く合流、
雲谷温泉でさっぱりして青森発20時半のフェリーで次の桂岳(木古内)に向かった。
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<翌日の 桂岳(木古内町) はこちら>
<昨日の 寒水沢〜田茂萢岳(八甲田山) はこちら>