元山〜笹山〜八幡岳  522m・609m・665m (江差町・上ノ国町)  ■Home
2014年8月16日 曇り時々晴れ 単独
12:40登山口→(13:25-13:40)元山→14:45笹山→(15:35-15:45)八幡岳→16:50登山口

元山・笹山・八幡岳は「江差三山」と呼ばれ、前から循環したい山だった。 お盆で帰省中、上ノ国町の七ツ岳に登ったところ意外に早く終わったので午後から廻ってみる。 ここには道南五大霊場の一つ「笹山稲荷神社」の社殿があり、 これと一体化した美しい森林が「笹山風景林」として指定されている。
                    

  
          
江差に入ると雲が上がって天気回復の兆し、街並も昔と変わって垢抜けた感じがする。 縦走にどのくらい掛かるかな?パンをかじりながら運転して登山口に向かう。 舗装が切れて程なく壱の鳥居で二股となり、サダサ川沿いの林道をムリムリ進んで駐車場に着く。 案内板を見ると元山と笹山の登山口が隣り合わせで、元山を先に登って時間切れなら八幡岳をパスする予定で出発する。 登山路はひっそりしたトドマツの植林帯に続き、やがて分岐から元山のコルに下って行く。
                    

  
          
トドマツ林からダケカンバとイタヤカエデのコルまで見晴らしがなく退屈だったが、 コルを抜けると樹木が無くなって笹とトウゲブキが咲く急斜面に一本道が続く。 初め山頂かと思ったのは反射板が立つ元山の肩で、登るにつれ山々の展望が開けてくる。 と言ってもマイナーな渡島の低山に囲まれて分かるのはどっしりした乙部岳くらいなものだ。 一汗掻かされ肩に出ると眼下に風車と乙部町に続く海岸線が望まれた。
                    

  
          
肩から元山の山頂は目と鼻の先で低山に拘わらず一面草に覆われた姿は海からの強風を物語っている。 山頂には早々とススキの穂が風に揺れ、その傍らにタカネナデシコが咲いていた。 眼下には江差の街とカモメ島、そして日本海に奥尻が浮かぶ風景はなかなかである。
                    

  
          
さて来た道を戻って笹山に向かう。 たぶん笹山は左か中央のポコ(写真左)で八幡岳が笹の広がる右のポコだろう、割と近いと思ったが甘かった。 笹のポコが笹山で八幡岳はそのずっと奥に隠れて見えない。 コルからの登りは展望が無く、厚沢部と江差の境界石が埋まる稜線も刈分けられて歩き易いが時間が押してるせいか長く感じる。 この縦走路は花の咲く春か紅葉の秋がよさそう、誰れも登ってない今は端境期とでも言うか風が届かずただ暑いだけである。 二つのポコを超えると後ろに元山が小さく望まれ(写真右)、はたして八幡岳まで辿り付けるのか気になってくる。
                    

  
          
「笹山風景林」と書かれた標識を過ぎるといきなり笹山稲荷神社の境内に出る。 さて笹山のピークと八幡岳への縦走路は何処か? 社殿の周りをうろうろして岩が突き出た裏手に行くと「神のお告げです これより奥に登らで下さい」と書かれた注意書きがあり、 右手に廻り込むと洞窟の中に祠が置かれ行き止まりになっていた。 「ん?路は何処に消えた、狐につままれたんじゃなかろうか?」 戻って石段を下ってみると何てことなく路が延びていた。 神社の下には小屋があって窓から覗くと結構広く、信者さんが寝泊りするのだろうか。 ここは松前藩の時代から豊漁豊作を祈願した道南でも由緒ある神社らしい。
                    

  
          
笹山神社を下る道にはアザミが花火の如く咲き誇り、すぐ笹山登山口への小路が延びていた。 更に下った笹山分岐には漸く八幡岳への標識の他に「下の沢方面」「館方面」の標識にちょっと驚く。 館方面には通行禁止の紙が貼られていたが厚沢部町の館地区に至る道である。 また「下の沢」とは先程七ツ岳から下りた神ノ国町湯ノ岱へ至る道で共にアプローチの長さは半端でない。 単に八幡岳に登るための路には思えず、笹山神社の参拝と何か関係ありそうな気がした。
                    

  
          
分岐まで路は良かったが八幡岳に向かってすぐ笹が被り、一時道を見失う。 うーん、止めて帰ろうか?折れそうな心を奮い立たせて進むと再び路に復帰する。 緩やかなアップダウンの途中でこれを2度、3度繰り返し漸く八幡岳に到着した。 曇りのせいもあるが樹木に覆われた山頂はおそよ一等三角点の展望にほど遠く、一度登ればご馳走さんって感じである。 この先に「下の沢方面」への路は見当たらず、とりあえず三角点の周りの笹を刈ってそそくさと戻ることにする。
                    

  
          
登りではつい笹に気を取られていたが、八幡岳から笹山分岐まではしっとり落ち着いたブナ林が美しい。 帰りは路を見失うこともなく淡々と笹山分岐に到着、そこからは幅広の作業道が延びていた。 この道は神社の物資を運搬するために作られたと思われ、古い鳥居が所々に立っている。 正直やや薄暗くなり始めた風景には不気味で、分岐からはジグザグの登山路を足早に下った。

<今日一山目の 七ツ岳 はこちら> 


          
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