国道のヘアピンに車を止め濃昼川林道をスキーで出発すると何やら向こうに端正な山が見えてきた。
あれが濃昼岳か?と思いながら帰りの滑降が楽しみな林道を辿ると、
三角錐の白い山は中の沢川の対岸に聳え濃昼岳より高い770mピークだった。
林道は4km弱で二股に分かれ、その間にある急で木の煩そうな支尾根を詰めることにした。
どう見てもスキーよりスノーシューかつぼ向きの尾根だが覚悟した割には坦々と標高を重ねることができた。
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尾根に取り付き標高差250mを1時間ほど掛かって陵線に出ると背後に濃昼の集落と海が望まれた。
雪庇の張った陵線は馬蹄形に山頂へと続きまるで道路のように歩き易い。
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陵線の右側には厚田を代表する安瀬山(ヤソスケヤマ)、
左側には中の川の源頭と雪庇の張り出す陵線の先に三角錐の無名峰770mが聳えている。
青空の下で締まった雪面を歩くのは心地よく見事な枝ぶりの大木に見惚れ、尾根を回り込むように進んだ。
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そして平坦な山頂が近づくと樹間に真っ白な暑寒連山が望まれ思わず声が上がった。
歩みを止めて山座同定するも、
あのピークは△△で隣は□□か?その隣は○○かな?
何だかいまひとつすっきりしない、早く全景が見たい一心で足取りが軽くなった。
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山頂の風景は一般的な山にほど遠く呆気に取られるほどのっぺりしていた。
周囲の山並みが無ければ牧場か畑にでも居るような雪原が広がっている。
山頂標識はたまたまザックを下ろした傍にあったがGPSでは北へ50-60m離れた位置のはずである。
これもご愛嬌って感じだが取り合えず標識が見付かりラッキーだった。
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ザックの向こうは厚田の山々で、小さな尖がりは懐かしい安瀬山である。
濃昼岳からは結構いろいろな山が同定できたが逆に向こうからこの山を見定めるのは難しい。
今まで濃昼岳を同定したのは一・二度しかなかったような気がする。
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台地の様な山頂の北端からは真っ白な暑寒連山を始め、石狩・当別の低山と新篠津の平野が望まれた。
左から順に、雄冬山、暑寒別岳、浜益岳、幌天狗、群別岳、尾白利加岳、知来岳、黄金山
、幌内山、北の別狩岳、円錐峰、ピンネシリ、南の別狩岳、安瀬山が並ぶ。
もう少し目が良ければ浜益御殿も分かりそうだが何と浜益10名山ほぼ全て見えるとは思わなかった。
スキーで尾根を下るのは少し苦労したが林道の滑降は楽しく僅か15分で車に到着した。
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