振内山(フレ・ナイ 赤い・川)は平取町振内の北に位置する二等三角点の山、
宿弗山はそこから稜線を北に5kmほど辿った三等三角点の山で共に夕張山地に属するマイナーな山である。
宿弗山はハッタオマナイ岳に登った時に初めて目にしたが、
その白い山容もさることながら一風変わった呼び名が気になっていた。
当初は未踏の二山をそれぞれ単発でと考えていたがどうせならシュター沢林道から周回してみることにした。
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平取町振内へ向かう道路は乾いて走り易すいものの、あまりに雪が少なくて心配な程だった。
国道237の幌去橋を渡ってすぐ二世宇川沿いのローカルな道を進むと徐々に雪が増え、
こんどは何処まで除雪されてるか気になりながら2号橋を過ぎた目的の林道に出合いほっとする。
キムチ鍋を食べながらいっぱいやると外は満点の星だった。
翌日は朝から快晴だったが昨夜の酒が残って少し出遅れる。
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林道を出発してすぐ砕石場の跡を過ぎると時々「この道は間伐材を使って云々・・」の立て看板を見掛ける。
まだ現役って感じの道だった。
昨夜飲んだ紹興酒のせいかやたら喉が渇き、道脇を流れる小川から水を汲む。
3kmほどで分岐の橋を渡り振内山の北東に延びる尾根に取り付いた。
林道を横切り鬱蒼としたエゾマツの樹林に標高を上げながら一汗掻かされる。
中腹の細尾根はさしたる苦労もなかったがいつの間にか雲が広がっていた。
やがてシュター沢の源頭の先に山頂と思しき丘の様な白い斜面が見え、
気持ち良いカンバの疎林を登って広々とした頂稜に到着する。
南端の小高い山頂は木に囲まれ展望いま一つと言ったところだが嬉々として振内山の初ピークを踏んだ。
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さて5km先の宿弗山に向かうとする。
シールを外し・566コルまで1km以上ある緩やかな尾根を一気にスキーで下る。
その途中どこから来たのかモービルの跡が付いていた。
コルから稜線に向かうと謎の穴地帯がある。
地熱のせいか?モービルがすっぽり入る程の穴がそこかしこに開いていた。
エゾマツの人工林が散見される稜線は平取町とむかわ町の境界でとても見晴らしが良い。
鵡川沿いに穂別の町並みや坊主山を眺めながらさしずめ稜上散歩という感じである。
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造林が盛んな山とみえ植林されたばかりの幼木の上に宿弗山と思しき頂が望まれた。
なんだか急に元気が出てきて丸い頂がみるみる近づいてくる。
宿弗山の山頂は意外に小さく、その斜面に伐採を逃れたエゾマツがぽつぽつ残されている。
そして傾斜が緩むころ北隣に僅かに高く丸い山が現れ、
その上にハッタオマナイ岳がちょこんと顔を出していた。
以前、向こうから宿弗山に見えたのは10m高い隣の山だったと判明する。
遮る物のない頂からは360度の展望が得られ振内山と対照的な山頂風景である。
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宿弗山から西方を望む、鵡川沿いに穂別の町並み、右に白い頂稜の坊主山が見える。
生憎この山地の親分である夕張岳は雲に隠れ、奥からどんどん雲が流れてくる。
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宿弗山から東方を望む、この山から日高の展望が楽しみで登ったようなものだが、
朝方見えてたシキシャナイ岳すら雲に隠れしまった。目の覚めるような大展望の筈だったが何とも残念だ。
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平べったい振内山に向かって滑降する。
と言っても中盤まで初心者コースのような長く緩やかな尾根が続き、
締まった雪に10p位の新雪が滑ってスキーが楽しい。
500mまで下ると流石に雪が重く、そして入り組んだ地形に騙され沢に向かってしまう。
やれやれと思ったら地形図にない林道が?辿ると今朝の林道でほっとする。
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下山して富川の温泉に寄ろうとしたら雲一つない青空の下に真っ白な日高山脈が望まれた。
あと2時間ずれていたら・・。
家で宿弗山の鳥瞰図を作り、このパノラマを眺めながら稜線を繋ぎたいなと思う。
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