北尾根ルート〜富良野岳 (冬季・ミックス)   ■Home
2008年3月下旬 晴れ メンバー7名
バーデン前6:00→C1500スキーデポ8:00→富良野岳(10:10-10:50)→スキーデポ(11:43-12:43)→バーデン前13:33(休憩含)

花の山で有名な富良野岳も北側に落ち込む山肌は荒々しく容易に人を寄せ付けない凄みがある。 冬はジャイアント尾根の滑りしかこの山に縁がなく北尾根から白い頂を計画した。

北尾根は始め潅木が煩く次第に痩せてゆく    ホコ岩が存在を誇示するかのように鎮座している      素直に頭に登ると裏は数mの崖だった
前日、札幌と北見のメンバーで十勝岳に登り白銀壮に泊まった。 4時前に一風呂浴びて部屋に戻ると既に皆さん朝支度を始めている。 今朝合流する予定のOさんも到着とのことで予定を早め出発することにした。 今日も天気に恵まれ時折車から見える富良野岳に興奮を覚える。 予定のルートを目で追うと北尾根の先にちょこんと突き出たホコ岩までよく見えるがその上は何だかはっきりしない。 まずは砂防ダムの渡渉だが先月より水量が少なく、いつもの取り付きから尾根に入った。 斜面が固く、引っ掛けシールでは心許ないのでクトーを付けたが他のメンバーは何んでも無いかのように狭い北尾根を登っていく。 順調に高度を上げるとやがて上富良野岳から朝陽が差し込み、切れ込んだ三峰山沢や一帯の斜面を神々しく照らし始める。 そして樹林帯を抜けると十勝岳が頭を差し、安政火口を囲む三段山、化け物岩、上ホロの岩陵と谷を眺めながら一本入れる。 いよいよ尾根は急になって一足先にツボになったYさんが先に登っていく。 予定ではc1700までスキーを使って帰りはジャイアント尾根を滑るつもりだが斜面が固く辛らくなってきた。 切りの良いc1500でスキーをデポしアイゼンに替えると流石にペースが速く、先行するYさんにホコ岩の手前で追い付く。 尾根が少し細くなった先にホコ岩があり、これを登るとはっと息を呑む景観が待ち構えていた。 岩陵を交じえた急峻な雪稜がスッパリ切れ落ちた断崖の中に続いている。 特に刃のように立った辺りがやばそうでどうやって登るか今からドキドキする。 「ハーネス持ってくるんだったなぁ」「ちょっと舐めてかかったか」 「ザイルはあるし簡易ハーネスで何とかなるっしょ」「女性は大丈夫か?あまり無理できないな」 いろんな言葉が飛び交うが行ってみるしかない。
     
ホコ岩を越え迫力ある北西壁を見ながら登っていく   リッジや岩陵の通過は足元が落ち流石に緊張する     十勝岳を背後にめでたく白い山頂に到着する
ホコ岩から数m下に降り、尾根が集中する平坦なc1750を通過するといよいよ高度感ある登りになる。 幾つかリッジを通過し下から刃のように見えた岩は右を伝った。 新雪後やカリカリだったら相当ビビる場所だが今日はアイゼンに付着する団子が厄介だった。 2-3歩毎にシャフトで叩き落し慎重に登るとぽつんと黒い山頂標識が見え、どうやら核心は通過したようだ。 周りの景色を改めて眺めると山頂直下の北西壁が男性的な荒々しさを見せていた。 ヌッカクシ富良野川の谷間には「えっあんな場所に」と思うような急斜面にスキーのトレースが付いている。 山頂では雲一つない青空となり十勝連峰をはじめ芦別岳、夕張岳、富良野を一望する大パノラマが広がっていた。 風を避け原始カ原の広大な裾野が見える場所に移って一休み、 「タンネの森に泊って富良野岳の新雪を滑るってのも楽しそう」まったく見事な大斜面である。 空腹を満たし往路を戻るとホコ岩に人だかりが見え、狭い岩場の上に数名が陣取っていた。 此処で引き返すというグループであとからどんどん登ってくる。 急いでホコ岩を降り、スキーデポ地まで一気に下ってハット気がついた。 「ホコ岩にデポしたストックを忘れた」メンバーにのんびり休憩して貰い、大急ぎで200m登り返すと先のグループに笑われる。 スキーデポ地からベベルイ沢に下り、貸し切りの斜面を勝手気ままに滑って帰還した。

<昨日の十勝岳春スキー はこちら>

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