風不死とはアイヌ語で(フップ・ウシ トドマツの・あるところ)の意、
支笏湖(シ・コッ 大きな・窪地)もかつては「死骨湖」という字が当てられ何方もイメージの悪い名前で可哀想だ。
台風の接近で午後から雨の予報だがぱっと登れてぱっと下れる風不死大沢を予定した。
ここは沢と言ってもガレガレで水がちょろっと流れるのみ、
荒涼とした景観の中から湖が望まれ、ちょっとヒヤヒヤしながら登頂できるのが売りである。
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北尾根登山口に車を止めて大沢に入ると砂防が立て続けに出てくる。
「こんなのあったかな?」以前は作業道がもっと奥まで延びていた気がするが定かでない。
暫く伏流し水が出てくるとチェックストーンの滝だが岩屑が溜まって登り易くなっていた。
ん!確か今のF2でなかったかな?誰もF1に気づかぬまま過ごし、沢の様子も少し変わったのかも知れない。
フェルト靴で来たtacchiはもっと綺麗な沢だと思ったらしく先週の日高の沢とのギャップが大きいようだ。
下りを考えるとここはスパイク地下足袋がベストである。
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その先にはF3・8mの滝が立ちはだかり右岸後方から巻く。
暫く続いた雨の影響で今日ばかりは涸れ沢も小川のように水が流れ、
F4・10m(写真)も飛沫を上げる立派な滝になっていた。
突然kanaちゃんが「あっ、この滝だ!前に怖くなってここで引き返したの」
と懐かしい人にでも会ったような顔をしている。
左岸のルンぜにはザイルがフィックスされ何でこんな所でと思ったら、
たまたまこの沢を下った時の話だと聞かされ、みんなポカンと口を開けた。
当時は大沢の情報も少なかっただろうし、ザイルも持たず心細かったのではと苦笑する。
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水が涸れるとゴロゴロした岩に草が被って歩き難く、たまにぐらっと動いてびっくりする。
以前来た時は晩秋だったがこれほど夏草が煩いとは・・・イタドリの群生を抜けると少しスッキリし右岸に大規模な地すべり跡を見る。
この辺から徐々に右へトラバースを始め、ガレと灌木を抜けて地図に無い小尾根から9合目手前の夏道に出た。
曇りで展望のない景色にアキノキリンソウとヤマハハコ(写真)が咲き誇る。
地味で目立たぬヤマハハコだが立ち止って良く見ると小さな花びらがハスの花びらみたいで可愛い。
そして三等三角点「風不止」の前で一番嬉しそうにしてたのは大沢リベンジを果たしたkanaちゃんだった。
休暇村のつるつるしたお湯をいただき帰途に付く。
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<2005年10月 大沢〜風不死岳〜三の沢 はこちら>