週末またぱっとしない予報だが朝から晴れ間が覗く。
「忍路高島およびもないが せめて歌棄磯谷まで」と江差追分の一節に出てくる忍路(おしょろ)の低山と史跡を尋ねることにした。
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【二等三角点・忍路 88m】
小樽の西部、日本海にちょこんと突き出た半島に三角点が埋まっている。
岬に行く途中、海の眺めが良い場所に人気のパン屋があって目指す竜ケ岬と遠くに立岩や赤岩山など良い景色が広がっていた。
「朝一番早いのはパン屋のおじさん♪」とかいう歌があったと思うがオープンは昼からでかなりのんびりした店のようだ。
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ゴジラの頭みたいな形の半島にはちょっとした絵になる入り江があって、北大の古い実験所とこじゃれたレストランがある。
テラスから入り江に沈む夕日が売りらしいが、代わりに綺麗な虹と岬の間にシリパ山が望まれた。
建物の周囲にもう一つの点を探すと電子基準点で味気なく、岬の上に向かうとする。
古い民家と由緒ありそうな忍路神社から坂道を登ってアンテナ施設の裏に標石を見付けるが笹藪の中で期待する展望はなかった。
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【船取山 211m】 10:15終端農家→10:50船取山→11:25終端農家
船取山は忍路の町の後方に位置する低山で周囲に高い山がないせいか木の茂ったこの山が意外に目立っていた。
山名の由来は不詳で縦に長い山容が舟に見えなくもないが裾野の高速道路が完成すればがらっと景観が変わりそうである。
忍路環状列石の道路を進んで終端農家に車を止め、ビニールハウスの脇からやや暗い感じの斜面に取り付いた。
朝方まで降った雨で足元が滑り登り難いがこの時期ならではの薄い藪でしかも雪で笹が寝て幸いである。
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笹と灌木を掴みながら尾根に出るとなんと下から刈り分け道が延びていた。
いったい何の為の道なのか真新しい境界石が埋まって出来立てほやほやという感じである。
このまま楽々山頂かと思ったら道がコルから南の方に向かい出したので軽い藪漕ぎで三角点のピークを踏んだ。
灌木に囲まれぱっとしない展望だが木の間に塩谷丸山と毛無山が見え、その右奥の山が大登山と小登山だと分かってすっとする。
さて下山は往路を戻る予定だったが藪の薄い方に引っ張られて最後に藪のどつぼにはまる。
この山に興味のある人はあまりいないだろうが緑の破線が想定される刈り分けであっという間に登れる筈である。
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【忍路環状列石】
たまたま船取山のすぐ近くに忍路環状列石があり、国の指定史跡にもなっているので寄ってみることにした。
同行のteraさんは子供の頃に遠足で来た場所とのことで界隈には同じ様な遺跡が幾つもあるらしい。
畑の中の道を進むとそれらしき広場を通り過ぎてしまい、戻ると石がぽつぽつ立っていた。
ん、なにこれというのが第一印象でちょっと笹が邪魔でストーン・サークルという感じがしない。
もっと綺麗に笹を刈った方が見栄えが良いと思うが考えてみれば古代人が我々の為に残したオブジェでもなく本来の姿はもっと藪々なのだろう。
案内板によると3500年前の縄文時代のものでお墓らしい。
縄文時代の北海道は今より暖かかったらしいが粗末な衣類や住居でどうやって冬を越したのだろうといつも思う。
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